こどもNISAと学資保険を徹底比較!メリット・デメリットと併用のポイント

「子どもの教育資金は学資保険だけで足りるのだろうか」と悩んでいる方は、こどもNISAの活用を検討すると良いかもしれません。
こどもNISAは2027年1月に開始が予定されている、子ども名義で非課税投資ができる制度です。
学資保険とは仕組みやリスクが異なるため、それぞれの特徴を正しく理解した上で活用する必要があります。
この記事では、こどもNISAと学資保険の違いやメリット・デメリット、併用のポイントを詳しく解説します。
※この記事は2026年4月時点での情報を基に執筆しています。こどもNISAの最新情報は金融庁のWebサイトなどをご確認ください。
この記事のポイント
- 2027年1月開始予定の「こどもNISA」は、12歳以降から柔軟に引き出し可能な非課税の投資制度であり、高いリターンが期待できる反面、元本割れのリスクがある。
- 学資保険は、親に万が一のことがあった際の保障が最大の強みであり、途中解約さえしなければ決まった時期に教育資金を用意できる。
- 最低限必要な学費は学資保険、将来のインフレ対策やプラスアルファの余裕資金をこどもNISAで運用する併用スタイルも効果的である。
こどもNISAとは?

こどもNISAとは、0歳から17歳の子ども名義で非課税の積立投資ができる制度です。
2025年12月に閣議決定された「令和8年度税制改正の大綱」に盛り込まれ、2027年1月からの開始が予定されています。
年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円で、対象商品は現行NISAのつみたて投資枠と同様の投資信託に限定される見込みです。
教育費の負担が増加するなか、子育て世帯が早い段階から教育資金を準備する手段として、こどもNISAへの注目が高まっています。
こどもNISAとジュニアNISAの違い
こどもNISAと、2023年末に廃止されたジュニアNISAの主な違いは以下の通りです。
■こどもNISAとジュニアNISAの違い
ジュニアNISA | こどもNISA | |
|---|---|---|
年間投資上限 | 80万円 | 60万円 |
非課税保有限度額 | 400万円 | 600万円 |
非課税投資期間 | 最長5年 | 無期限 |
投資対象商品 | 個別株や投資信託など | 金融庁が定める基準を満たした投資信託 |
引出制限 | 原則18歳まで不可 | 12歳以降で所定の条件を満たした場合に可能 |
こどもNISAでは、12歳以降かつ以下の所定の条件を満たせば引き出せるようになったため、中学入学や高校進学など教育費の負担が増えやすいタイミングに対応できます。
■ 所定の条件に該当するもの
- 資金使途が子どものためであること
- 子どもの同意を得ていること
- 金融機関に必要書類を提出すること など
また、ジュニアNISAでは非課税期間に5年の期限が設けられていたため、長期投資による複利効果を十分に活かせないこともありました。
しかし、こどもNISAでは0歳から無期限で運用できるようになったため、時間を味方につけた資産形成が期待できます。
関連記事:こどもNISAとは?ジュニアNISAとの違いや始め方、メリット・デメリットをわかりやすく解説
学資保険とは?
学資保険は、子どもの教育資金を計画的に積み立てるための貯蓄型保険です。
契約時に定めた保険料を毎月払い込み、子どもが一定の年齢(15歳・18歳・22歳など)に達したタイミングで、満期保険金や祝い金を受け取れます。
契約者(親)に万が一のことがあった場合の保障(払込免除特約など)があるのが大きな特徴です。
一般的な学資保険では、契約者が死亡または高度障害状態になった場合、以降の保険料払い込みが免除されつつも、満期保険金は予定どおり受け取れる仕組みになっています。
関連記事:学資保険の必要性とは?種類や保険料の相場、加入のメリット・デメリットを解説
こどもNISAと学資保険の基本的な違いとは?
こどもNISAと学資保険の基本的な違いは以下の通りです。
■こどもNISAと学資保険の基本的な違い
比較項目 | こどもNISA | 学資保険 |
|---|---|---|
運用方法 | 投資信託への投資 | 保険会社による運用 |
元本保証 | 市場変動により元本割れの可能性あり | 途中解約しなければ元本割れするリスクは少ない |
期待できる返戻率(リターン) | 運用次第で学資保険を大きく上回ることもある | 100〜110%程度が一般的 |
資金の引き出し | 12歳以降、所定の条件を満たすと可能 | 契約時に定めた時期のみ受取可能 |
運用益への課税 | 非課税 | 差益が50万円を超える場合は一時所得として課税される |
所得控除 | なし | 生命保険料控除の対象 |
「子どもの教育資金を準備する」という目的こそ共通していますが、仕組みや性質は大きく異なります。
それぞれの違いを正しく把握した上で、家庭の状況に合った選択をしましょう。
運用方法・リスクの違い
こどもNISAは、投資信託に投資する制度であり、運用成果は市場の値動きに左右されます。
大きなリターンを得られる可能性もありますが、タイミングによっては投資元本を下回る可能性も否定できません。
一方、学資保険は、保険会社が契約者から集めた保険料を運用し、契約時に定めた金額を満期時に支払う仕組みになっています。
利率固定の商品が多く、運用結果にかかわらず受取額が確定しているため、途中解約さえしなければ元本割れするケースは少ないと言えます。
ただし、契約時に利率が固定されるため、将来インフレが進んだ場合には受取額が目減りする可能性があります。
受取時期・流動性の違い
こどもNISAは、12歳以降であれば子ども本人の同意を得た上で引き出しが可能です。
解約をせずに一部だけ売却・換金することもできます。
中学受験の費用、高校の入学金、塾代など、教育費の負担が発生したタイミングで柔軟に引き出せるのが特徴です。
一方で学資保険は、契約時に定めた時期にのみ保険金や祝い金を受け取れます。
例えば「18歳満期」の商品であれば、大学入学時に満期保険金を受け取れます。
途中で解約して解約返戻金を受け取ることはできますが、元本割れのリスクがあるため、予定外のタイミングで資金を引き出すのは難しいでしょう。
税制優遇の違い
こどもNISAは、運用益が全額非課税です。
通常、投資で得た利益には20.315%の税金がかかりますが、こどもNISAでは運用益に税金はかかりません。
学資保険の場合、満期保険金と払込保険料の差益が50万円を超える場合は、一時所得として課税対象となります。
ただし、払い込んだ保険料は生命保険料控除の対象です。
年間の払込保険料に応じて所得税で最大4万円、住民税で最大2万8,000円の所得控除を受けられます。
関連記事:生命保険料控除でいくら戻る?還付金額の計算方法【会社員・個人事業主・フリーランス・パート】
こどもNISAと学資保険、それぞれのメリット・デメリットは?

こどもNISAと学資保険を活用する上で、知っておきたいメリットとデメリットを解説します。
こどもNISAのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
|---|---|
|
|
こどもNISAは、非課税の恩恵を受けながら長期で資産を育てられる制度です。
対象商品が長期・分散投資に適した投資信託に限定されているうえ、毎月一定額を積み立てる仕組みにより、価格が高いときには少なく・安いときには多く購入する形になります。
購入単価の平準化にも期待でき、リスクをコントロールした運用が見込める点がメリットです。
一方で、元本保証がない点や、親に万が一のことがあった場合に積立が止まるリスクは認識しておく必要があります。
今後、制度開始までの間に内容が変更され、運用計画の変更を余儀なくされる可能性がある点は注意しましょう。
学資保険のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
|---|---|
|
|
学資保険は、満期まで払い込めば確定した金額を受け取れるため、「いつまでにいくら」という明確な目標のもとで教育資金を積み立てられます。
払込免除特約が付いた商品であれば、契約者が死亡・高度障害状態になった場合も保険金は予定どおり支払われるため、必要な教育資金を着実に確保できるでしょう。
ただし、満期前に解約すると元本割れのリスクがある点と、受取時期が固定されるため想定外の出費には対応しにくい点は、あらかじめ理解しておく必要があります。
こどもNISAと学資保険は併用できる?
こどもNISAと学資保険は特徴が大きく異なるため、どちらか一方に絞るのではなく、両方を組み合わせて活用するのもひとつの方法です。
こどもNISAと学資保険を併用するメリットとポイント
学資保険で教育資金の「土台」となる金額を確保しつつ、こどもNISAで上乗せ分を運用に回すことで、元本割れリスクを抑えながら資産の成長も狙える構成が組めます。
例えば、大学入学金や授業料など最低限必要な学費は学資保険で着実に準備しておき、留学費用や大学院進学費用といったプラスアルファの資金は、こどもNISAで運用するという使い分けが考えられます。
また、学資保険は契約時に利率が固定されるため、インフレが進むと受取額の実質的な価値が下がる可能性があります。
そのため、こどもNISAによる運用も並行しておけば、資産の目減りに対する備えにもなるでしょう。
こどもNISAと学資保険を併用する際の注意点
一方で、こどもNISAと学資保険を併用する場合は、家計に無理のない範囲で積立額を設定することが重要です。
学資保険とこどもNISAの両方に資金を回そうとして月々の負担が大きくなると、家計が苦しくなった際に学資保険を途中解約せざるを得なくなり、元本割れにつながるリスクがあります。
まずは毎月の収支から無理なく捻出できる金額を把握し、学資保険の保険料を先に確保した上で、余裕がある分をこどもNISAに回すと良いでしょう。
関連記事:学資保険は活用できる?教育資金はいくら必要?|大学進学の場合
こどもNISAと学資保険に関するよくある質問
こどもNISAと学資保険に関して、よく寄せられる質問をまとめました。
Q.学資保険に入っていますが、途中からこどもNISAを追加できますか?
A.学資保険に加入中であっても、こどもNISAを追加で始めることは可能です。
それぞれ別の仕組みの商品のため、学資保険を契約したまま、こどもNISAの口座を開設して積立を開始することに制限はありません。
Q.学資保険とこどもNISA、それぞれどのタイミングで始めればいいですか?
A.学資保険は、子どもの年齢が低いうちに加入するのがおすすめです。
加入時の年齢が低いほど払込期間が長くなり、返戻率も高くなる傾向があります。
また、子どもの年齢が7〜8歳以上になると加入できなくなる商品も少なくありません。
出産前でも加入できる商品もあるため、なるべく早めに検討しましょう。
なお、こどもNISAは制度開始と同時に始めるのがおすすめです。
運用期間が長くなるほど、複利効果を活かしやすくなり、効率的な運用が期待できます。
制度開始前に情報収集や口座開設の準備を進めておくと、スムーズにスタートできるでしょう。
Q.こどもNISAと学資保険はどちらがお得ですか?
A.こどもNISAと学資保険のどちらがお得かは、家庭の状況や教育資金に対する考え方によって異なるため、一概には判断できません。
リターンの面だけで見れば、投資信託のような利回りの高い商品で運用できる分、こどもNISAのほうが有利になる可能性はあります。
しかし、こどもNISAには元本保証がないため、運用結果によっては学資保険を下回るケースもありえます。
「多少のリスクを取ってでも教育資金を効率的に増やしたい」「インフレにも備えたい」という方はこどもNISAが向いているでしょう。
一方で「確実に決まった金額を受け取りたい」「万が一の保障もほしい」という方は学資保険を中心に検討すると良いでしょう。
まとめ
教育資金の準備方法に正解はありません。こどもNISAと学資保険は、どちらも教育資金の準備に活用できる制度です。
ただし、家計の状況や子どもの進路、リスクに対する考え方などによって適した方法は変わります。
併用も含めて幅広い選択肢を検討してみてください。
こどもNISAは、2027年1月の開始に向けて詳細が順次発表される予定です。
金融庁や各金融機関の最新情報を定期的にチェックしながら、お子さまの将来に向けた資金計画を進めていきましょう。
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