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生命保険料控除でいくら戻る?還付金額の計算方法【会社員・個人事業主・フリーランス・パート】

生命保険料控除でいくら戻る?還付金額の計算方法【会社員・個人事業主・フリーランス・パート】

「生命保険に加入しているなら、年末調整(確定申告)の際に生命保険料控除を申告しなければもったいない」と言われることもあります。

とはいえ、生命保険料控除で実際いくら税金が戻るのか、または税負担が軽くなるのかを、具体的にイメージできている方は多くないでしょう。

生命保険料控除の申告をした場合、戻る(負担が軽くなる)金額は「控除額×所得税率」でおおよそ計算できます。

そこでこの記事では、戻ってくる金額がわかる生命保険料控除の計算方法について、詳しく解説します。

税金に詳しくない方にもわかりやすいように説明していきますので、ぜひご確認ください。

この記事のポイント

  • 生命保険料控除とは、1年間に払い込んだ保険料に応じて、所得から一定額を差し引くことができる(控除できる)制度。契約日によって控除上限額などが異なる。
  • 新制度における生命保険料控除は、一般生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除の3種類がある。
  • 生命保険料控除は、納税者自らが年末調整または確定申告で申告しなければ、適用されない。

動画でも解説!

生命保険料控除については、コのほけん!公式YouTubeチャンネル「コのほけん!ラボ」の動画でも解説しています。

ぜひあわせてご覧ください!

生命保険料控除とは?わかりやすく解説

生命保険料控除とは?わかりやすく解説

生命保険料控除とは、1年間に払い込んだ保険料に応じて所得から一定額を差し引ける制度です。

所得が減ることで、所得税と住民税の負担軽減につながります。

そもそも、給与所得者の所得税は、年収から給与所得控除を差し引いた「給与所得」をもとに計算します。

さらに、個人で加入している保険の保険料などの所得控除を差し引いた、「課税所得」を基礎として、税額が算出されます。 

会社員や公務員などの給与所得者(従業員)が支払うべき所得税や住民税は、毎月支払われる給与から天引きされ、給与支払者(会社)経由で納税されています。

毎月の給与から天引きされる所得税(源泉所得税)は、生命保険料控除といった個々の状況が完全には反映されていない概算額です。

そのため、年末調整で1年間の正しい税額を計算し、過不足を調整します。

会社員や公務員が年末調整で利用できる所得控除には、主に生命保険料控除や地震保険料控除などがあります。

生命保険料控除では、以下の3種類の保険について、年間の支払保険料に応じた一定額が所得から控除されます。

種類

対象となる保険

一般生命保険料控除

  • 生命保険(死亡保険)
  • 養老保険
  • 収入保障保険 など

介護医療保険料控除

  • 介護保険
  • 医療保険
  • がん保険 など

個人年金保険料控除

個人年金保険
※税制適格特約がセットされているもの

年末調整での生命保険料控除の申告方法

年末調整とは、会社が従業員に代わって源泉徴収した所得税などを年末に再計算し、納税の過不足を調整する制度です。

年末調整には、主に以下の書類が必要となります。

  • 保険料控除証明書
  • 保険料控除申告書

年末調整では、給与所得者である従業員が「給与所得者の保険料控除申告書」や「保険料控除証明書」などを会社(給与支払者)に提出します。

その結果、払いすぎた税金が戻ってくることがあります。

もし、年末調整で生命保険料控除を申告し忘れた場合、会社員であれば確定申告で別途申告しなければなりません。

そのため、できるだけ年末調整で申告するのがおすすめです。

生命保険料控除は自動的に適用されるものではないため、年末調整や確定申告の際にご自身で申告する必要があります。

STEP1:「給与所得者の保険料控除申告書」に必要事項を記入する

まず、会社から配布された「給与所得者の保険料控除申告書」に、契約している保険会社名や保険の種類、年間払込保険料などの必要事項を記入します。

STEP2:「保険料控除証明書」を添付する

「給与所得者の保険料控除申告書」に、「保険料控除証明書」を添付します。

証明書には、加入している生命保険(一般の生命保険、個人年金保険、介護医療保険)や地震保険の情報が記載されています。

STEP3:給与支払者である会社に提出する

これらを会社の提出期日までに提出すれば、生命保険料控除の申告が完了します。

年末調整で生命保険料控除の申告を忘れてしまった場合でも、確定申告をすれば払いすぎた所得税が戻ることがあります。

また、翌年度の住民税も軽減されます。

還付申告は、その年の翌年1月1日から5年間さかのぼって行えます。

また、いったん確定申告をした後で控除の申告漏れに気づいた場合は、「更正の請求」により5年以内であれば訂正を求めることができます。

生命保険料控除で戻ってくる金額はいくら?還付金の計算方法【会社員・個人事業主・フリーランス】

生命保険料控除で戻ってくる金額はいくら?還付金の計算方法

生命保険料控除で一体いくら税金が戻ってくるのか、計算するにはいくつか手順を踏む必要があります。

なお、戻ってくる金額自体は、以下の式で計算することができます。

生命保険料控除額 × 所得税率 = 還付金額

また、この計算をするには下記の書類が必要です。

  • 生命保険料控除証明書
  • 源泉徴収票

ここでは、具体的に金額を計算するための手順を紹介します。

STEP1:生命保険料の控除金額を確認

それでは計算の詳しい手順を見ていきましょう。

まずは、生命保険料控除証明書を用意して、ご自身が年間に支払っている保険料を確認しましょう。

なお、2012年1月1日より生命保険料控除制度が改正され、契約締結の時期により以下の通り明記されるようになりました。

  • 旧制度:2011年12月31日までに締結した保険契約
  • 新制度:2012年1月1日以降に締結した保険契約

年間払込保険料を確認したら、新・旧の制度に応じ控除される金額を以下の表で確認しましょう。

保険の契約時期や支払っている保険料だけでなく、所得税と住民税のどちらに対する控除かによっても、控除額は異なります。

生命保険料控除証明書で支払い保険料を確認したら実際の控除額を確認してみましょう。

■ 所得税の生命保険料控除額

  • 新制度(2012年1月1日以後に締結した契約が対象)

年間払込保険料

控除される金額

20,000円以下

払込保険料全額

20,000円超 40,000円以下

(払込保険料 × 1/2) + 10,000円

40,000円超 80,000円以下

(払込保険料 × 1/4) + 20,000円

80,000円超

一律40,000円

  • 旧制度(2011年12月31日以前に締結した契約が対象)

年間払込保険料

控除される金額

25,000円以下

払込保険料全額

25,000円超 50,000円以下

(払込保険料 × 1/2) + 12,500円

50,000円超 100,000円以下

(払込保険料 × 1/4) + 25,000円

100,000円超

一律50,000円

■ 住民税の生命保険料控除額

  • 新制度(2012年1月1日以後に締結した契約が対象)

年間払込保険料

控除される金額

12,000円以下

払込保険料全額

12,000円超 32,000円以下

(払込保険料 × 1/2)+ 6,000円

32,000円超 56,000円以下

(払込保険料 × 1/4)+ 14,000円

56,000円超

一律28,000円

  • 旧制度(2011年12月31日以前に締結した契約が対象)

年間払込保険料

控除される金額

15,000円以下

払込保険料全額

15,000円超 40,000円以下

(払込保険料 × 1/2)+ 7,500円

40,000円超 70,000円以下

(払込保険料 × 1/4)+ 17,500円

70,000円超

一律35,000円

なお、複数年度分の保険料を一度に支払った場合は、1年ごとに保険料を振り分けた生命保険料控除証明書が送付されます。

証明書に記載された金額を、そのまま使用してください。

2026年(令和8年)・2027年(令和9年)分に関しては特例が適用され、一般生命保険料控除の控除限度額が4万円から6万円に引き上げられます(※23歳未満の扶養親族がいる世帯のみ)。

計算式は以下の通りです。

■ 2026年(令和8年)・2027年(令和9年)分の一般生命保険料控除の控除限度額

年間払込保険料

控除される金額

30,000円以下

払込保険料の全額

30,000円超60,000円以下

払込保険料×1/2+15,000円

60,000円超120,000円以下

払込保険料×1/4+30,000円

120,000円超

一律60,000円

なお、3区分を合計した所得税の控除限度額は、拡充後も12万円のまま据え置きです。

そのため、介護医療保険料控除や個人年金保険料控除ですでに控除枠を使い切っている場合、一般生命保険料控除を6万円まで適用しても、合計12万円を超える分は控除されません。

その結果、控除額が思ったほど増えないということがあります。

また、この特例は所得税のみの措置で、住民税の上限(各2万8,000円・合計7万円)にも変更はありません。

新制度での生命保険料控除額の計算方法

加入している生命保険が「新制度」の場合、もし年間の保険料が8万円を超えるのであれば所得税から控除される金額は4万円です。

年間の保険料が3万円の場合は、以下の計算の通り控除額は2万5,000円になります。

(30,000円×1/2)+10,000円=25,000円

では、「年間保険料が8万円を超えていれば、4万円の税金が戻ってくるのではないか」と疑問に思う方もいるでしょう。

しかし、4万円がそのまま還付されるわけではありません。

生命保険料控除とは、税金を計算するもととなる金額(課税所得)から4万円を差し引ける制度です。

課税所得が4万円分少なくなると、その分、最終的に納めるべき所得税も安くなります。

つまり、実際に戻ってくる税金は「控除額(このケースでは4万円) × ご自身の所得税率」でおおよそ計算できます。

複数の生命保険に加入している場合の計算方法

加入している生命保険が複数ある場合は、保険の種類ごとに保険料を合計して計算します。

新制度での所得税の生命保険料控除には、前述したとおり以下の3枠の控除があります。

  • 一般生命保険料控除
  • 介護医療保険料控除
  • 個人年金保険料控除

例えば、一般生命保険料が年間10万円で介護医療保険料が年間3万円のケースで計算してみましょう。

この場合、一般生命保険料は年間の払込保険料が8万円以上なので、控除額は上限の4万円となります。

また、介護医療保険料の控除額は以下の計算の通り2万5,000円になります。

(30,000円×1/2)+10,000円=25,000円

そのため、6万5,000円(=40,000円+25,000円)が全体の控除額となります。

新制度の場合、制度全体の適用額は所得税で12万円、住民税で7万円です。

なお、この例は6万円特例(前掲)を使わない場合の計算です。

23歳未満の扶養親族がいる世帯では、一般生命保険料控除の上限が6万円になるため、控除額が変わる場合があります。

STEP2:自分の所得税率を把握する

次に、ご自身の所得税率を確認するために、源泉徴収票を参考に課税所得を確認します。

給与所得者の場合、収入から給与所得控除や以下の所得控除を差し引いた金額が、課税所得になります。

  • 基礎控除
  • 社会保険料控除
  • 配偶者控除
  • 扶養控除
  • 給与所得控除
  • 医療費控除 など

なお、下の表のように、所得税の税率は所得に応じて増える仕組みになっています。

課税所得

所得税率

194万9,000円以下

5%

195万円以上329万9,000円以下

10%

330万円以上694万9,000円以下

20%

695万円以上899万9,000円以下

23%

900万円以上1,799万9,000円以下

33%

1,800万円以上3,999万9,000円以下

40%

4,000万円以上

45%

たとえば、課税所得が300万円の方の所得税率は10%です。

STEP3:生命保険料控除の対象金額に所得税率をかける

STEP1で求めた控除額に、STEP2で確認した税率をかければ、税負担が軽減される金額がわかります。

では、実際に生命保険料控除によって戻ってくる金額を、以下の条件で計算してシミュレーションしてみましょう。

  • 新制度の生命保険の年間払込保険料:8万円
  • 課税所得:500万円

まず、新制度の生命保険に加入していて年間払込保険料が8万円を超えているため、生命保険料控除額は4万円です。

次に、課税所得が500万円の場合、先ほど紹介した所得税の税率表では所得税率は20%です。

そのため、戻ってくる税金は以下の計算の通り、4万円の20%である8,000円になります。

生命保険料控除額4万円 ×所得税率20%= 8,000円

なお、生命保険料控除の還付金額は、税率が低い場合はそれほど高額にはなりません。

しかし、申告により還付を受けられる可能性があるため、申告することをおすすめします。

個人事業主やフリーランスの生命保険料控除の計算方法は?

生命保険料控除による還付金の計算方法は、個人事業主やフリーランスの方も基本的に給与所得者と同様です。

確定申告で課税所得を計算し、ご自身の所得税率を確認します。

その税率を生命保険料控除額にかけた金額だけ、納める所得税が減額されます。

生命保険料控除で注意したいポイント

ここでは、生命保険料控除を申告する際に知っておきたいことについて解説します。

共働き夫婦の場合、実際に保険料を支払った方が生命保険料控除を申告する

国税庁のWebサイトを確認すると、以下のようにあるため、共働き夫婦の場合、保険料を支払った方が生命保険料控除を申告するとよいでしょう。

納税者が生命保険料、介護医療保険料及び個人年金保険料を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。


なお、妻が契約者である生命保険の保険料を、夫が支払っている場合はどうなるのでしょうか?

国税庁のFAQには、以下のようにあります。

Aがその保険料を支払ったことを明らかにした場合は、生命保険料控除の対象として差し支えありません。

また、生命保険料控除を受けるための条件は以下のように明記されています。

必ずしも払込みをする者が保険契約者である必要はありません

そのため、夫が夫婦や家族の保険の保険料を支払っている場合は、夫がそれらをまとめて生命保険料控除として申告できます。

パートで働く方は生命保険料控除を申告できる

パートで働く方も、生命保険料控除を受けることができます。

生命保険料控除は、あくまでも「所得から一定額を差し引ける」制度なので、雇用形態については問われません。

ただし、パートで収入が少なく所得税や住民税の負担が発生しない場合、控除を申告しても節税効果はありません。

住民税は還付ではなく軽減される

生命保険料控除は、住民税に対しても適用されます。

ただし、住民税は前年度の所得を基に計算されるため、申告すると翌年度の住民税が軽減されます。

たとえば、新制度の対象となる生命保険と介護・医療保険に加入し、年間10万円の一般生命保険料と年間3万円の介護医療保険料を支払っている場合を考えます。

この場合、住民税の負担がどのくらい軽減されるのかを、シミュレーションしてみます。

一般生命保険料の控除額が2万8,000円、介護医療保険料の控除額が2万1,000円(=30,000円×1/2+6,000円)の場合、控除額の合計は4万9,000円です。

住民税は課税所得に対して、おおむね一律10%かかります。

そのため、実際に軽減される住民税を「控除額 × 住民税率10%」で計算すると、このケースで軽減される住民税は以下の通りです。

4万9,000円 × 10% = 約4,900円

なお、住民税は前年の所得に対して課税されるため、申告した年の税金ではなく、翌年度分の住民税が軽減される点も押さえておきましょう。

新旧の契約が両方ある場合は控除額が大きい方を選択できる

2011年以前から加入している保険(旧制度)と、2012年以降に加入した保険(新制度)の両方に加入している方もいるでしょう。

この場合、区分ごとに、次の3つの方法のうち控除額が最も大きくなる方法を選択できます。

  • 旧契約のみ
  • 新契約のみ
  • 旧契約と新契約の合算

たとえば、一般生命保険料控除で、旧契約(年間10万円)と新契約(年間4万円)の両方に加入しているケースで比べてみましょう。

  • 旧契約のみ:上限の5万円
  • 新契約のみ:4万円 × 1/2 + 1万円 = 3万円

合算すると、3万円(新)+ 5万円(旧)=8万円ですが、合算時の上限4万円が適用され4万円となります。

この場合、最も控除額が大きいのは「旧契約のみ」の5万円です。

ただし、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」やe-Taxでは、証明書の区分どおりに金額を入力すれば、控除額が大きくなる方法で自動的に計算されます。

生命保険料控除に関するよくある質問

ここでは、生命保険料控除で多くの方が抱く疑問について、Q&A形式でお答えします。

Q. 生命保険料控除証明書をなくした場合はどうすればいいですか?

A. 生命保険料控除証明書を紛失した場合は、加入している保険会社に連絡すれば、再発行が可能です。

多くの保険会社では電話・マイページ・アプリから再発行を依頼でき、1〜2週間程度で郵送されます。

また、最近ではWeb明細(電子的控除証明書)を利用している場合、マイページからPDFで再ダウンロードできる保険会社も増えています。

年末調整の締め切りに間に合わない場合は確定申告での申請を検討しましょう。

Q. 生命保険料控除の新制度と旧制度の違いは何ですか?

A.2012年1月以降に締結した契約は「新制度」、それ以前は「旧制度」が適用されます。

新制度では「一般生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」の3区分で各最大4万円(所得税)の控除が受けられ、合計最大12万円です。

旧制度は2区分で各最大5万円、合計最大10万円です。

新旧どちらか有利な方、または両方を組み合わせて申告することも可能です。

Q. 生命保険料控除の還付金が思ったより少ないと感じました。なぜですか?

A.この場合、控除額と還付金を混同している可能性があります。

たとえば「4万円の控除が受けられる」というのは、「税金の計算のもとになる所得が4万円減る」ということです。

実際に戻ってくるお金(還付金)は所得税率をかけた金額になるため、税率10%なら4万円の控除で戻るのは4,000円です。

生命保険料控除の節税効果は期待できますが、控除額がそのまま返ってくるわけではない点を知っておきましょう。

まとめ

生命保険料控除の対象となる控除額は、支払った保険料や契約時期によって異なります。

そのため、生命保険料控除証明書で保険料と加入時期を確認の上、保険料控除額の表で控除金額を確認してみましょう。

その上でご自身の所得税率がわかれば、還付・減額される金額がわかります。

所得が多い方は戻ってくる金額も多くなる可能性があるので、年末調整や確定申告の際に忘れずに申告するとよいでしょう。