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生命保険(死亡保険)

生命保険料控除とふるさと納税は併用できる?影響や注意点をわかりやすく解説

生命保険料控除とふるさと納税は併用できる?影響や注意点をわかりやすく解説

毎年10月になると、生命保険や医療保険に加入している方には保険会社より生命保険料控除証明書が送られてきます。

会社員や公務員の方であれば、そろそろ年末調整も始まる時期です。

また、年末にかけてどの自治体にふるさと納税を行うか、そろそろ決める必要があります。

この記事では、生命保険料控除とふるさと納税を併用する場合に注意すべきポイントについて解説します。

この記事のポイント

  • 所得控除は、その年の所得から差し引いて所得税や住民税の負担を軽減する制度。
  • 生命保険料控除制度は所得控除、ふるさと納税は寄附金控除として併用可能。
  • 生命保険料控除をはじめとした、所得控除を差し引いた後の課税所得によって、ふるさと納税の上限額は変わる。

動画でも解説!

生命保険料控除については、コのほけん!公式YouTubeチャンネル「コのほけん!ラボ」の動画でも解説しています。

ぜひあわせてご覧ください!

生命保険料控除とふるさと納税の基本的なしくみ

生命保険料控除とふるさと納税の基本的なしくみ

生命保険料控除もふるさと納税も、税負担を軽減するという点では共通していますが、その目的やしくみは大きく異なります。

まずはそれぞれの制度の概要を確認しておきましょう。

生命保険料控除のしくみと上限額

生命保険料控除は、その年の1月1日から12月31日までに払い込んだ生命保険料に応じて、一定額を契約者(保険料負担者)の所得から差し引く制度です(所得控除)。

税率を掛ける前の所得が低くなるため、所得税と住民税の負担が軽減されます。

契約の締結時期で「旧制度」と「新制度」に分かれます。

生命保険料控除の種類

  • 旧制度:2011年12月31日以前の契約
  • 新制度:2012年1月1日以降の契約

旧制度では、一般生命保険料控除と個人年金保険料控除の2種類があり、合計上限は所得税10万円・住民税7万円です。

新制度では、一般生命保険料控除・個人年金保険料控除・介護医療保険料控除の3種類があり、合計上限は所得税12万円・住民税7万円です。

■ 控除の種類と区分ごとの上限

控除の種類

対象となる主な保険

控除上限(所得税)

控除上限(住民税)

旧制度

新制度

旧制度

新制度

一般生命保険料控除

  • 死亡保険
  • 養老保険
  • 収入保障保険 など※

5万円 

4万円

3.5万円

2.8万円

介護医療保険料控除

  • 医療保険
  • 介護保険
  • がん保険 など

-

4万円

-

2.8万円

個人年金保険料控除

個人年金保険(税制適格特約付き)

5万円

4万円

3.5万円

2.8万円

※旧制度では医療保険・介護保険も一般生命保険料控除に含む

それぞれの区分について、年間払込保険料に応じて実際の控除額が決まりますが、払込保険料が一定額を超えると、上記の上限額に達します。

詳しい計算式は、国税庁のWebサイトなどをご確認ください。

関連記事:生命保険料控除でいくら戻る?還付金額の計算方法【会社員・個人事業主・フリーランス・パート】

ふるさと納税のしくみと寄附金控除について

ふるさと納税は、任意の自治体に寄附をすると、寄附金額のうち一定額が所得税や住民税から控除されるしくみです。

控除を受けられる上限額は、所得や納税額などによって異なります。

原則として、寄附金額から2,000円を引いた金額が控除されます。

なお、控除の対象となるふるさと納税額は総所得金額等の40%が上限です。

また、生命保険料控除は所得控除、ふるさと納税は寄附金控除のひとつです。

生命保険料控除で控除される金額は?

生命保険料控除が適用されると、所得税と住民税がそれぞれいくら軽減されるのか、計算方法を確認してみましょう。

生命保険料控除で所得税から控除される金額の計算方法

生命保険料控除による所得税の還付額は、生命保険料控除で控除される金額に、所得に応じた所得税率をかけて求めます。

まず下の早見表から、自分の所得金額とそれに応じた税率を確認してみるとよいでしょう。

課税される所得金額

税率

1,000円から1,949,000円まで

5%

1,950,000円から3,299,000円まで

10%

3,300,000円から6,949,000円まで

20%

6,950,000円から8,999,000円まで

23%

9,000,000円から17,999,000円まで

33%

18,000,000円から39,999,000円まで

40%

40,000,000円以上

45%

生命保険料控除で住民税から控除される金額の計算方法

住民税の控除額は、支払った保険料全額ではなく、年間支払額に応じて、以下のように段階的に計算されます(2012年年1月1日以降に締結した新契約の場合)。

年間支払保険料

控除額の計算式

12,000円以下

支払保険料等の全額

12,000円超 32,000円以下

支払保険料等 × 1/2 + 6,000円

32,000円超 56,000円以下

支払保険料等 × 1/4 + 14,000円

56,000円超

一律 28,000円

なお、「一般生命保険控除」「介護医療保険控除」「個人年金保険控除」の各枠ごとに最高28,000円まで控除され、全体の合計上限額は最高70,000円となります。

また、2011年12月31日以前に締結した旧契約の場合は、上限額や計算式が異なります。

住民税の税率は、所得にかかわらず一律10%(標準税率)です。

そのため、上記で算出された「控除額」に10%を掛けることで、実際に安くなる税金額を求めることができます。

実際に軽減される住民税額 = 生命保険料控除額(最大28,000円/枠) × 10%

ふるさと納税による控除額の上限はいくら?

生命保険料控除をはじめとする、各種の所得控除を反映した課税所得額をもとに、ふるさと納税の上限額が決まります。

控除を受けられる上限は納税額によっても異なりますが、控除される金額は寄附金から2,000円を引いた金額と決められています。

なお、所得税の控除の対象となるふるさと納税額は、総所得金額の40%が上限です。

住民税については、総所得金額の30%が上限です。

ふるさと納税による所得税からの控除額の計算方法

ふるさと納税による所得税からの控除額は、原則として還付金として受け取れます。

控除額は以下の計算式で求めることができます。

所得税からの控除 = (ふるさと納税額-2,000円)× 所得税の税率

所得税の税率は、先ほど紹介した早見表の通りとなります。

課税される所得金額

税率

1,000円 から 1,949,000円まで

5%

1,950,000円 から 3,299,000円まで

10%

3,300,000円 から 6,949,000円まで

20%

6,950,000円 から 8,999,000円まで

23%

9,000,000円 から 17,999,000円まで

33%

18,000,000円 から 39,999,000円まで

40%

40,000,000円 以上

45%

ふるさと納税による住民税からの控除額の計算方法

住民税からの控除には「基本分(確定申告の場合)」と「特例分(ワンストップ特例制度)」があり、それぞれ以下のように決まります。

なお、控除の対象となるふるさと納税額は、総所得金額等の30%が上限です。

■ 基本分(確定申告の場合)

住民税からの控除(基本分)= (ふるさと納税額-2,000円)×10%

■ 特例分【1】(ワンストップ特例制度の場合)

住民税からの控除(特例分)=(ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率)

なお、【1】で計算した特例分が住民税所得割額の2割を超える場合は、以下の特例分【2】の計算式を使用します。

■ 特例分【2】(ワンストップ特例制度の場合)

住民税からの控除(特例分)=(住民税所得割額)×20%

この場合、実質負担額は2,000円を超えます。

生命保険料控除とふるさと納税は併用できる?手続きの方法は?

生命保険料控除とふるさと納税はどちらがお得?

生命保険料控除とふるさと納税は併用できます。

具体的な手続き方法や、ポイントを確認しておきましょう。

ただし、生命保険料控除に加えて住宅ローン控除や医療費控除などを受けている場合は、ふるさと納税の年間上限額が変わることに注意が必要です。

年末調整に合わせて手続きする場合の流れ

生命保険料控除は年末調整で申告し、ふるさと納税はワンストップ特例を利用すれば、原則として確定申告をせずに両方の控除を受けられます。

まず、生命保険料控除については、勤務先の年末調整で「給与所得者の保険料控除申告書」を提出します。

保険会社から送付される生命保険料控除証明書の内容をもとに申告すると、勤務先が生命保険料控除を反映して所得税を精算します。

一方、ふるさと納税については、確定申告が不要な給与所得者で、寄附先が年間5団体以内などの要件を満たしていれば「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用できます。

ワンストップ特例を利用すれば、ふるさと納税について確定申告をする必要はありません。この場合、翌年度の住民税から控除されます。

確定申告が必要になるケースと注意点

以下のようなケースでは、ふるさと納税を利用するために確定申告が必要です。

  • ふるさと納税の寄附先が年間6団体以上になった場合
  • 医療費控除などを受けるために確定申告をする場合
  • 個人事業主など、もともと確定申告が必要な場合
  • 給与所得者でも、副業所得などにより確定申告が必要になった場合
  • ワンストップ特例を利用しない場合

これらに該当する場合は、確定申告の際に、その年に行ったふるさと納税の寄附金額を合わせて申告します。

特に、年の途中までワンストップ特例制度を利用する予定だった人が、医療費控除などのために確定申告へ切り替えるケースでは、ふるさと納税の申告漏れに注意しましょう。

ワンストップ特例を申請済みの寄附分も含め、その年の寄附分をまとめて確定申告に反映する必要があります。

生命保険料控除とふるさと納税を併用したときのシミュレーション

課税所得が400万円で所得税率が20%の会社員が、生命保険料控除(新制度・一般生命保険料を年8万円払込)とふるさと納税(5万円を寄附)を併用した場合を例に見てみましょう。

■ 生命保険料控除

税目

軽減される税額

所得税

控除額4万円 × 20% = 8,000円

住民税

控除額2.8万円 × 10% = 2,800円

■ ふるさと納税

区分

控除額

所得税からの還付

(5万円-2,000円)× 20% =9,800円

住民税・基本分

(5万円-2,000円)× 10% =4,800円

住民税・特例分

(5万円-2,000円)×(90%-20%)=33,600円

合計控除額

48,200円(自己負担2,000円)

この例では、所得税について17,800円、住民税について41,200円が控除されます。

さらに、ふるさと納税の返礼品も受け取れます。

生命保険料控除とふるさと納税を併用する際の注意点

生命保険料控除とふるさと納税を併用する際は、ふるさと納税の控除上限額やワンストップ特例制度の利用条件などに注意が必要です。

生命保険料控除によってふるさと納税の控除上限額が変わる場合がある

生命保険料控除を利用すると所得控除額が増え、所得税の課税所得や住民税の所得割額などが変わります。

その結果、ふるさと納税の控除上限額が下がる場合があります。

年収だけをもとにふるさと納税の上限額を確認すると、実際の上限額と差が生じる可能性があります。

生命保険料控除のほか、医療費控除や扶養控除などを利用する場合も、各種控除を反映したうえで上限額を確認するとよいでしょう。

確定申告をするとワンストップ特例制度は利用できない

もし生命保険料控除以外に住宅ローン控除や医療費控除などの所得控除を多く使う方は、ふるさと納税ワンストップ特例制度を利用するのもおすすめです。

ふるさと納税ワンストップ特例制度とは、原則として確定申告が不要な給与所得者などが、年間5団体以内の自治体にふるさと納税をした場合に利用できる制度です。

この制度は、確定申告をする必要のない会社員の方にもおすすめです。

なお、ふるさと納税ワンストップ特例制度を利用する場合、その年の所得税からの控除は行われません。

かわりに、ふるさと納税を行った翌年度の住民税から、所得控除分も含めた控除額の全額が控除されるので注意しましょう。

また、医療費控除や住宅ローン控除の初年度など、確定申告で行う所得控除がある場合には、ふるさと納税ワンストップ特例制度を利用することができません。

なお、ワンストップ特例制度は、寄付を行った自治体宛にふるさと納税ワンストップ特例の申請書を1月10日必着で提出することで適用されます。

詳細な手続きは、総務省のふるさと納税ポータルサイトのホームページをご確認ください。

要件を満たして申請すれば、ふるさと納税について確定申告をせずに控除を受けられます。

この場合は、ワンストップ特例を申請した分も含め、その年に行ったすべてのふるさと納税を確定申告に含める必要があります。

生命保険料控除証明書は年末調整までに準備する

会社員などが年末調整で生命保険料控除を受ける場合は、保険会社などから交付される生命保険料控除証明書を準備し、勤務先へ提出または提示する必要があります。

年末調整の提出期限は勤務先によって異なるため、勤務先から案内された期限までに準備しましょう。

控除証明書は書面だけでなく、電子データで交付される場合もあります。

勤務先が電子提出に対応していれば、電子データのまま提出することも可能です。

また、対応する保険会社であれば、マイナポータル連携を利用して控除証明書の情報を取得できます。

生命保険料控除とふるさと納税の概要などを見てきましたが、実際どちらを使うと控除額や還付金額がよりお得なのでしょうか。

本来、保険は保障を目的に加入するものであるため、生命保険料控除はあくまで保障のついでに受けられる税制上の特典です。

一方で、ふるさと納税は自治体に寄附をすることで、返礼品と寄附の金額に応じた税金の控除を受けられる制度です。

このように、それぞれの制度自体の性質が異なるため、もし家計に余裕があれば生命保険料控除とふるさと納税を併用し、うまく活用するとお得になると考えた方がよいでしょう。

生命保険料控除とふるさと納税の併用に関するよくある質問

ここでは、生命保険料控除とふるさと納税の併用について、多くの方が抱く疑問にQ&A形式でお答えします。

Q. 生命保険料控除とふるさと納税、どちらを優先すれば得ですか?

A.一概にどちらが得ということはできません。

生命保険料控除は、対象となる保険料を支払った場合に所得控除を受けられる制度です。

一方、ふるさと納税は自治体への寄附に対する控除制度で、しくみや目的が異なります。

必要な保障を確保したうえで、ふるさと納税の控除上限額を確認し、併用するとよいでしょう。

Q. ふるさと納税の上限額は生命保険料控除を使うと下がりますか?

A.生命保険料控除を利用すると、ふるさと納税の控除上限額が下がる場合があります。

生命保険料控除が適用されると、課税所得が減ることによって所得や住民税の所得割額などが変わるためです。

ふるさと納税の控除上限額を計算する際は、年収だけで判断せず、生命保険料控除や医療費控除、扶養控除なども反映して確認しましょう。

Q. 生命保険料控除を使いすぎてふるさと納税で損をするケースはありますか?

A.生命保険料控除を考慮せずにふるさと納税の上限額を見積もり、その金額に近い額を寄附すると、控除上限額を超えるため「損をした」と感じる可能性はあります。

たとえば、上限額を5万円と見込んで寄附したものの、生命保険料控除を反映した実際の上限額が4万5,000円だった場合、超過した5,000円分は控除の対象になりません。

まとめ

コのほけん!では以前、ふるさと納税と生命保険料控除についてのアンケート調査を実施しました。

まず、ふるさと納税への意識・実態調査では、寄附をした経験が一度もない方が約7割を占めました。

ふるさと納税への意識・実態調査結果

また、生命保険料控除についての意識・実態調査では、生命保険料控除が節税対策として有効だと思うと約6割の方が回答しました。

生命保険料控除についての意識・実態調査結果

生命保険料控除とふるさと納税は、いずれも税負担の軽減に活用できる制度です。

しかし、これまで利用したことがない方も多いのではないでしょうか。

ぜひ、両制度を上手に活用していきましょう。