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個人年金保険

個人年金保険はいくらもらえる?必要性や保険料の相場を徹底解説

個人年金保険はいくらもらえる?必要性や保険料の相場を徹底解説

個人年金保険の必要性について解説します。

個人年金保険の種類や保険料の相場、加入のメリット・デメリットも分かりやすく説明します。

この記事のポイント

  • 個人年金保険の基本年金年額の世帯平均は約94.5万円であり、公的年金だけでは不足する老後資金を補う手段として有効である。
  • 個人年金保険の保険料の世帯平均は年間約20.4万円であり、年間80,000円以上を払い込むことで生命保険料控除の上限枠を最大限に活用できる。
  • 個人年金保険は計画的な資産形成や節税がメリットである一方、途中解約による元本割れやインフレのリスクがあるため家計とのバランスが重要と言える。

個人年金保険とはどんな保険?

個人年金保険とはどんな保険?

(1)個人年金保険とは

個人年金保険(こじんねんきんほけん)とは

預貯金とは別に、自分もしくは配偶者のために老後資金等を準備するための保険。

一般的に老後資金は、

  • 国からの「公的年金」
  • 会社員であれば会社からの「企業年金」「退職金」など
  • 自営業者であれば自己資金としての「預貯金」
  • 私的年金として民間の保険会社が提供する「個人年金保険」など

を利用して準備します。

個人年金保険の運営主体は、民間の保険会社です

保険料を払い込み、所定の年齢から契約時に定めた期間、一定額の年金を受給することになります。

貯蓄型の保険のため、老後資金の準備を主な目的としつつ、教育資金や住宅資金の準備にも活用できます。

個人年金保険とは「定年退職等を迎える前に保険料を払い、満期時に年金を一定期間にわたり受け取る貯蓄型の保険」とも表現できます。

何のため?

老後の生活資金のため

いくら必要?

目的に合わせて準備すべき必要額を計算する

期間は?

希望の年金受取開始年齢から計算する

誰が使う?

  • 契約者・被保険者=自分、年金受取人=自分
  • 死亡給付金受取人=あなたの相続人(主に配偶者、子など)

受取方法は?

自分(被保険者)の老後を迎えた時に:年金形式か一括で受け取りたい

関連記事:個人年金保険の選び方・見直し方を徹底解説!注意点や保険料の節約方法とは?

(2)個人年金保険の加入率

生命保険文化センターの調査によると、個人年金保険の加入率は世帯単位でみると23.2%でした

老後生活資金に対する関心や不安は高まっており、世帯加入率はやや増加傾向にあります。

個人年金保険の加入率推移

また、世帯主の年齢別にみると「55~59歳」の世帯加入率が最も高く、33.7%となっています

個人年金保険の年齢別加入率

個人年金保険の加入率は年齢とともに高くなりますが、加入率が大幅に増えているのは若年層です。

個人年金保険の若年層の増加率

(3)保険料・保険金とその相場について

個人年金保険の保険料の相場はいくら?

個人年金保険の保険料の相場は、全年齢の世帯平均は年間約20.4万円となっています

これは、1か月あたりの保険料に換算すると約1.7万円になります。

個人年金保険の年間払込保険料(全年齢)

アンケート調査から、年間払込保険料はさまざまですが、12万〜18万円未満の保険料を払い込んでいる世帯が最も多くなっています

保険料自体は収入や貯蓄額等によって支払える金額は変わりますし、商品ごとに積立利率等も異なるため、こうした保険料の相場は参考程度に確認するとよいでしょう。

個人年金保険の保険料は月いくらがお得?

個人年金保険の保険料が月いくらであればお得になるかは、年齢や家計状況、他の貯蓄手段とのバランスによって異なるため、一概に「この金額がベスト」とは言い切れません。

一つの目安として活用できるのが、生命保険料控除の上限額です。

2012年1月以降に契約した個人年金保険(新制度)の場合、年間の払込保険料が80,000円以上になると、所得税の控除額は上限の40,000円に達します。

つまり、月々の保険料に換算すると約6,667円、実務上はおおむね月7,000円以上を支払えば、控除枠を最大限に使い切れる計算です。

生命保険料控除による税金の軽減効果は所得税率によって変わります。

たとえば、課税所得が330万円〜694万9,000円の方(税率20%)であれば、控除額40,000円×20%=年間約8,000円の所得税軽減に加え、住民税の控除(上限28,000円)も合わせると、年間約10,800円程度の税金の軽減効果が見込めます

所得税率10%の方でも年間約6,800円ほどの効果があり、保険料を支払うだけで可処分所得の増加が見込めるのは、他の金融商品にはない個人年金保険ならではのメリットといえるでしょう。

個人年金保険の基本年金年額の相場はいくら?

基本年金年額(きほんねんきんねんがく)とは

年金受取の際に1年間に受け取れる年金の金額のこと。

世帯(夫婦)の個人年金保険の基本年金年額の平均は、全年齢での世帯平均値が約94.5万円となっており、月額に換算すると約7.8万円になります。

個人年金保険の基本年金金額(全年齢)

ただし、世帯ごとの個人年金保険の基本年金年額はそれぞれ異なります。

個人年金保険の必要性

老後資金の準備に適した個人年金保険ですが、あなたにとって本当に必要でしょうか?

まずは老後生活に必要な費用はいくらなのかを正しく知り、個人年金保険が持つメリットとデメリットを踏まえながら加入する必要があるのかを考えていきましょう。

(1)老後の生活必要額はいくら?

生命保険文化センターの調査によると、夫婦二人で老後生活を送るために必要な最低日常生活費の平均は23.9万円です。

また、以下のような費用を含め、ゆとりある生活を送りたい場合は39.1万円が必要とされています。

  • 旅行やレジャー
  • 趣味や教養
  • 日常生活費の充実
  • 身内とのつきあい
  • 耐久消費財の買い替え
  • 子どもや孫への資金援助
  • 隣人や友人とのつきあい
  • 貯蓄 など

では、「老後資金」について多くの人はどのように考えているのでしょうか。

生命保険文化センターの調査によると、自分自身の老後生活に対し83.2%の人が「不安感あり」と回答しています。

老後生活に対する不安

また、老後資金の使用開始年齢は「65歳」を想定している割合が最も多く、平均は67.2歳でした。

次に多いのが70歳です。

法改正により、65歳までの雇用確保が義務付けられたこともあり、高齢になってからも就業を希望する人が増えていると考えられます。

老後資金の使用開始年齢

それでは、定年退職を65歳とした場合「定年後の期間」は何年間あるのでしょうか。

厚生労働省の調査によると、令和6年における平均寿命と平均余命は下記の通りです。

男性

女性

平均寿命

81.09歳

87.13歳

平均余命(65歳)

19.47年

24.38年

平均寿命(へいきんじゅみょう)

0歳時点の平均余命のこと。

平均余命(へいきんよめい)

ある年齢の人が、今後平均して何年生きられるかを表した期待値のこと。

老後資金を計算する際は、65歳時点での平均余命を用いるのが一般的です。

男性の場合は約20年、女性の場合は24年が平均的な老後期間となります。

(2)公的年金制度(国民年金と厚生年金)で受け取れる金額

公的年金(こうてきねんきん)とは

老後の生活費の基本となり、公的年金には、自営業者などが加入する国民年金と、主に会社員が加入する厚生年金がある。

日本の年金制度は3階建てに例えられることがありますが、国民年金は、

  • 誰もが加入する必然性がある1階部分
  • 2階部分として厚生年金
  • 3階部分として確定拠出年金 など

と考えることができます。

公的年金3階建て

生涯自営業で一度も会社勤めをしたことがない方は、国民年金からのみ年金を受け取ることができ、40年間にわたって満額の保険料を納めた方は、月額にして約7.1万円受け取ることが可能です。

一方、厚生年金の受取額は現役時代の給与によって異なりますが、厚生労働省が示すモデルケース(平均的な収入で40年間就業した場合)では、国民年金と厚生年金を合わせた受給額は月額約23.7万円です

(3)老後に不足する金額

以上の「老後に必要なお金」と「老後に公的制度により受け取れる金額」を踏まえ、老後に不足する金額を具体的に試算してみましょう。

月々の不足想定額

ゆとりあるセカンドライフを送るには、月額換算で15.4万円が不足します。

老後期間を20年と仮定すると、不足額は3,696万円です。

(4)個人年金保険のメリット

公的年金の不足分を補うために「私的年金」が存在しています。

私的年金

なかでも「個人年金保険」では、老後資金の不足分をまかなうことはできるのでしょうか。

次に、個人年金保険に加入することで得られるメリットとデメリットをみていきましょう。

まずは、メリットです。

計画的、長期的な資産形成ができる

個人年金保険は、毎月一定額が給与や口座から自動的に引き落とされることから、長期間にわたり計画的にお金を貯めるのに適しています。

貯金と異なりすぐに引き出せないことも、逆にメリットとなるケースも多いでしょう

個人年金保険料控除の対象

支払った保険料は個人年金保険料控除の対象となり、最大4万円の所得控除(※1)が受けられ、所得税と住民税の負担が軽減されます

(※1)契約日が平成23年12月31日以前なら最大5万円。

関連記事:個人年金保険料控除とは?個人年金保険料税制適格特約の条件と注意点

死亡時にも保険料が掛け捨てにならない

保険料支払い中に死亡した場合でも払込保険料相当額が戻り、確定年金の場合、年金受給中に死亡しても遺族に残りの年金が受け取れるため保険料が掛け捨てになる心配がありません。

(5)個人年金保険のデメリット

個人年金保険の主なデメリットは、次の2つです。

途中解約をすると損をする

個人年金保険のデメリットの1つは、途中解約をすると解約返戻金が払込保険料を下回り損をすることです。

早期に解約した場合は、保険料がほとんど戻らない場合もあります。

低金利・低返戻率、インフレの懸念

個人年金保険は、標準利率の引き下げに伴い予定利率も下がっているのが現状です。

さらに、年金を受け取るまでの間にインフレがあると、実質的に年金が目減りしてしまいます。

インフレがあっても個人年金保険の予定利率は加入時のままなので、予定利率の低い時期の保険加入はインフレリスクが伴います。

個人年金保険が向いていないのはどんな人?

個人年金保険は途中解約すると元本割れするリスクがあるため、住宅購入や子どもの教育資金など、近いうちに大きな出費が見込まれる場合は、流動性の高い預貯金などで資金を準備した方がよいでしょう。

また、投資に積極的で長期的なリスクを許容できる方は、iDeCoやNISAといった税制優遇のある制度を優先した方が効率的な場合があります

運用リスクはありますが、長期分散投資で元本割れリスクを軽減しながら、より高いリターンを目指すことが可能です。

さらに、現在の家計に余裕がない方も注意が必要です。

毎月の保険料の支払いが家計を圧迫し、途中解約に追い込まれると損失が発生します

まずは生活防衛資金(生活費の3〜6か月分)を確保してから、個人年金保険の加入を検討することをおすすめします。

一方で、計画的にお金を貯めることが苦手な方や、投資リスクを避けたい方、着実に資産を増やしたい方にとっては、個人年金保険は有効な選択肢といえます

ご自身の性格や資産状況、老後のライフプランを踏まえて、最適な方法を選びましょう。

個人年金保険でいくらもらえる?払込額別のシミュレーション

個人年金保険でいくらもらえる?払込額別のシミュレーション

個人年金保険で将来いくらもらえるかは、加入年齢・払込期間・受取期間・保険会社の商品設計によって異なります。

ここでは、シミュレーションの前提条件を明確にしたうえで、払込額ごとの受取額の目安をご紹介します。

■シミュレーション条件

  • 契約者:30歳男性
  • 払込期間:30年間(60歳払込満了)
  • 年金受取開始:60歳
  • 年金受取期間:10年確定年金
  • 返戻率:105%
  • 保険種類:円建て・定額型個人年金保険

上記の前提条件をもとに、月々の保険料別に払込総額と受取総額を試算すると、以下のようになります。

月払保険料

年間保険料

払込総額

受取総額

7,000円

84,000円

252万円

264.6万円

10,000円

120,000円

360万円

378万円

15,000円

180,000円

540万円

567万円

20,000円

240,000円

720万円

756万円

月7,000円のケースに注目すると、年間保険料が84,000円となり、個人年金保険料控除の上限(年間80,000円以上で控除額40,000円)を満たしつつ、大きく超過しない金額です。

控除による税金の軽減効果(所得税率10%の方で年間約6,800円、20%の方で約8,000円)も加味すると、30年間の税負担軽減の累計額は約20万〜24万円にのぼります

実質的なリターンは、返戻率105%という数字以上になるといえるでしょう。

一方、月20,000円のケースでは増加分が約36万円と大きくなりますが、年間保険料80,000円を超える部分に対しては追加の控除が得られません。

控除枠を超えた分の資金をiDeCoやNISAに振り分けることで、より効率的に老後資金を準備できる可能性があります。

なお、実際の受取額は保険会社や商品の予定利率によって大きく異なります。

また、外貨建てや変額型の個人年金保険は、運用実績や為替相場によって受取額が変動するため、円建ての確定年金とは異なる点に注意が必要です。

複数の保険会社の商品を比較したい場合は、ファイナンシャル・プランナーに相談するのもよいでしょう。

老後資金準備に向けてより応用を利かせる活用法

会社員であれば年金の3階建て部分、自営業であれば年金の2階建て部分を、さまざまな方法で準備することが可能です。

公的年金3階建て

個人年金保険以外の方法をみていきましょう。

(1)個人型確定拠出年金(iDeCo)

個人型確定拠出年金(iDeCo)(こじんがたかくていきょしゅつねんきん・いでこ)とは

年金受取の際に1年間に受け取れる年金の金額のこと。

加入は任意で、加入者本人が掛金を拠出し、自ら運用することで、掛金とその運用益の合計をもとに60歳以降に老齢給付金を受け取ることができる私的年金制度です。

iDeCo

掛金、運用益そして年金受給時に、税制上の優遇措置が講じられています。

国民年金や厚生年金と組み合わせることで、より豊かな老後生活を送るための資産形成方法のひとつです。

20歳以上60歳未満の人が利用できますが、以下の場合は対象外となります。

  • 勤務先が、企業型年金規約で個人型年金を利用できるとしていない場合
  • 国民年金保険料の免除を受けている場合

加入者区分

具体例

掛金限度額

第1号被保険者

自営業者とその世帯の専業主婦

月額6.8万円 (年額81.6万円)

第2号被保険者

会社に企業年金がない会社員

月額2.3万円 (年額27.6万円)

企業型確定拠出年金加入の会社員

月額2.0万円 (年額24.0万円)

確定給付企業年金だけ、もしくは確定給付企業年金と企業型確定拠出年金加入の会社員、公務員

月額1.2万円 (年額14.4万円)

第3号被保険者

第2号被保険者の扶養配偶者(専業主婦)

月額2.3万円 (年額27.6万円)

iDeCoのメリット

  • 第3号被保険者(専業主婦等)、企業年金加入者、公務員等共済加入者もiDeCoに加入できる
  • 運用結果が良ければ将来の年金額を増やすことができる
  • iDeCoから確定給付企業年金への個人別管理資産の移換が可能
  • 掛金が全額所得控除の対象
  • 運用結果の収益は非課税で再投資(課税の繰り延べ)ができる
  • 年金として受け取る場合は「公的年金等控除」、一時金の場合は「退職所得控除」の対象

iDeCoのデメリット

  • 加入者の被保険者区分ごとに掛金の限度額が異なる
  • 中途脱退ができないため原則60歳になるまで解約できない
  • 運用を指図する必要がある
  • 運用リスクは自己責任となるため、元本割れリスクを常に伴う
  • 加入するには、任意の運営管理機関と契約する必要がある
  • 運営管理機関ごとで運用商品、サービス、口座管理手数料などが異なる

関連記事:iDeCoの特徴と3つの節税ポイント、NISA、個人年金保険の活用方法を解説

(2)財形年金貯蓄

財形年金貯蓄(ざいけいねんきんちょちく)とは

財形貯蓄制度のひとつで、勤労者が計画的に財産形成できるよう設けられた制度。老後の生活安定を主な目的としている。

以下を要件として、元本550万円までの利子等について所得税を非課税とする制度です。

  • 1人1契約であること
  • 契約締結時に55歳未満の勤労者であること
  • 事業主を通して、給与から天引きして預入れすること
  • 積立期間は5年以上であること
  • 年金の支払い開始までに据置期間を置く場合は、その期間が5年以内であること
  • 年金給付は60歳以降、5年以上にわたり定期的に受け取ること

財形年金貯蓄で利用できる金融商品は、会社提携の金融機関や、運用金融商品に限定されます。

金利情勢によっては、一般の定期預金よりも有利な金利が適用される場合があります。

年金受取を目的とする払い出し以外については、5年間さかのぼって、利息の20%が課税され全額払出・解約となります

ただし、年金受取開始日後5年を経過した場合は、その時点から生じる利息についてのみ課税扱いになります。

また、2013年1月1日~2037年12月31日に目的以外の払い出しをした場合には、復興特別所得税が上乗せされ、20.315%となります。

(3)国民年金基金

国民年金基金(こくみんねんきんききん)とは

国民年金加入者の第1号被保険者のための上乗せ年金。地域型(同一の都道府県にすむ被保険者から構成されるもの)と職能型(同じ業種に従事する被保険者から構成されるもの)の2種類がある。

地域型と職能型の2つ以上の基金に同時加入はできず、途中でやめることもできません

もしも途中で会社員になるなど第1号被保険者でなくなった場合は、今までの積立分の運用だけが継続されて将来年金として支払われ、途中の脱退一時金などはありません。

(4)付加保険料

国民年金第1号被保険者ならびに任意加入被保険者は、定額保険料に付加保険料400円を上乗せして納めることで、受給する年金年額を「200円×付加保険料納付月数」分だけ増やせます。

国民年金基金加入の場合は、付加することができません

関連記事:学資保険や個人年金保険やNISAを活用!教育資金や老後資金の準備方法

まとめ

個人年金保険は、公的年金だけでは不足しがちな老後資金を計画的に準備するための心強い手段です。

世帯平均の受取額や保険料の相場、税制上の優遇措置などを知ることで、ご自身のライフプランに合わせた具体的な備えをイメージすることができます。

一方で、途中解約のリスクやインフレへの懸念といった注意点もありますが、投資リスクを避けつつ着実に資産を増やしたい方には最適な選択肢の一つです。

まずは現在の家計状況や将来必要な費用をしっかりと確認し、iDeCoなどの他制度とも比較しながら、安心できるセカンドライフに向けた第一歩を踏み出してみましょう。