40代は働き盛りで収入も安定してくる一方、がんや心疾患・生活習慣病などにかかるリスクが高くなってくる年代でもあります。
そのため「病気に伴う経済的リスクへの備え」は、しっかり用意しておく必要があります。

この記事では、保険料を含めた40代の平均的な医療保険の契約内容や40代の方におすすめな医療保険の選び方などについて、詳しく解説します。
目次
40代に医療保険がおすすめな理由
医療保険とは
被保険者が病気やケガで入院をしたり手術を受けたりした場合に、保険金が給付される保険のこと。
医療保険の保障内容は「入院給付金」と「手術給付金」が基本となっており、これに
- 入院一時金特約
- 通院特約
- がん特約
- 女性疾病特約 など
を付加することで、より手厚い保障を受けられる仕組みです。
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医療保険に入ってない40代は注意が必要
「いつかは加入しなければと思いながら時間が経ってしまった」「若い頃は加入していたものの、今は加入していない」といった理由から、医療保険に未加入の方は少なくありません。
ただ、40代で医療保険に未加入という方は注意が必要です。
ココに注意
というのも40代は、がんや生活習慣病など様々な病気のリスクが高くなってくる年代なのです。
40代の死因1位は「がん」
厚生労働省の調査によると、40代の死因順位は以下のようになっています。
第1位 | 悪性新生物(腫瘍) |
第2位 | 自殺 |
第3位 | 心疾患 |
第4位 | 脳血管疾患 |
第5位 | 不慮の事故(40~44歳)、肝疾患(45~49歳) |
※出典:厚生労働省『令和元年人口動態統計月報年計の概況』
40代になると生活習慣病のリスクも増える
また健康組合連合会による調査によると、40歳以降、生活習慣関連10疾病の有病者数が激増していることもわかっています。
40代以降に有病者数が増える10疾病
- 糖尿病
- 脳血管障害
- 虚血性心疾患
- 動脈閉塞
- 高血圧症
- 高尿酸血症
- 高脂血症
- 肝機能障害
- 高血圧性腎臓障害
- 人工透析
※出典:健康組合連合会『平成29年度生活習慣関連10疾患の動向に関する調査』
上記の10疾病について35~39歳の有病者数と比較すると、40~44歳の有病者数は約2倍、45~49歳の方は約3倍もいるのです。
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医療保険に既に入っている40代は見直しがおすすめ
「医療保険には加入しているものの、若い頃に加入したまま放置している」という方は、保障内容の見直しをしましょう。
ココがポイント
医療事情は時代とともに変化しており、何年も前に加入した医療保険では十分な保障を得られない可能性があるのです。
ここからは、40代の方が医療保険の見直しをする際にチェックすべき2つのポイントをご紹介します。
チェックポイント①40代の平均入院日数
生命保険文化センターの調査によると、40代の入院日数の平均は12.3日で、入院日数ごとの分布は以下のようになっています。
入院日数 | 40代の割合 |
5日未満 | 25.0% |
5~7日 | 32.1% |
8~14日 | 24.1% |
15~30日 | 12.5% |
31~60日 | 4.5% |
61日以上 | 1.8% |
※出典:生命保険文化センター『令和元年度生活保障に関する調査』
5~7日の方が32.1%と最も多く、5日未満の方が25.0%であることがわかります。
ココがポイント
つまり、入院日数が1週間以内という方が全体の半数以上を占めているのです。
入院日数の短縮化に対応できる医療保険選びを
また近年は通院治療が増加していることもあり、入院日数が短縮化傾向にあります。
厚生労働省が実施した調査によると、平成20年には35.6日だった平均入院日数が、平成26年には31.9日、平成29年には29.3日まで短くなっています。
※出典:厚生労働省『平成29年度患者調査』
かつての医療保険は、
入院〇日目から保険金を給付
といった内容のものが少なくありませんでした。しかし入院日数の短縮化が進む現在、このような医療保険では十分な保障を得られない可能性があります。
ココがポイント
そこでまずは、現在加入している医療保険が「入院1日目から入院給付金が支払われるものかどうか」を確認してみましょう。
そのうえで、短期入院でも十分な保障を得られるよう「入院一時金特約」などの付加を検討してみることをおすすめします。
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チェックポイント②40代が入院する際にかかる平均自己負担額
生命保険文化センターの調査によると、入院する際にかかる自己負担額の平均は下記のとおりです(18歳~60代までの平均)。
入院する際にかかる自己負担額の平均 | |
女性 | 22.3万円 |
これに対して40代の方が入院する際にかかる自己負担額の平均は、以下のようになっています。
40代が入院する際にかかる自己負担額の平均 | |
女性 | 25.1万円 |
つまり40代は他の年代に比べて、入院する際にかかる自己負担額が大きいのです。
※出典:生命保険文化センター『平成28年度生活保障に関する調査』
1入院支払限度日数についても見直しを
近年は入院日数が短縮化しているものの、疾病によっては入院が長期化する場合もあります。
40代は入院時の自己負担額が他の年代に比べて大きいことを考慮すると、長期入院に伴う医療費負担の増加リスクにもしっかり備えておきたいところです。
そこで見直したいのが「1入院支払限度日数」です。
1入院支払限度日数とは
また特約を付加することで、三大疾病など特定の病気で入院した場合に、1入院支払限度日数を長くしたり、無制限にできる商品もあります。

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40代の平均的な医療保険の契約内容
ここまで、40代の方にとっての医療保険の必要性を見てきました。では実際、どのくらいの割合の40代が医療保険に加入しているのでしょうか?
また、40代が支払う保険料の平均はいくらくらいなのでしょうか?

40代の医療保険の加入率は?
生命保険文化センターの発表によると、民保加入世帯(かんぽ生命を除く)においての40代の医療保険の加入率は、以下のようになっています。
世帯主年齢 | 医療保険・医療特約 の加入率 |
40~44歳 | 94.3% |
45~49歳 | 91.8% |
※出典:生命保険文化センター『平成30年度生命保険に関する全国実態調査』
40代の9割以上が、医療保険に加入しているのです。
40代は保険料に平均いくら払ってる?
また同じく生命保険文化センターの調査によると、平成30年の世帯年間払込保険料(全生保)は次のとおりでした。
世帯主年齢 | 世帯の平均年間 払込保険料 |
30~34歳 | 29.8万円 |
35~39歳 | 38.0万円 |
40~44歳 | 34.5万円 |
45~49歳 | 42.7万円 |
50~54歳 | 48.3万円 |
55~59歳 | 45.3万円 |
60~64歳 | 43.9万円 |
65~69歳 | 33.8万円 |
保険料負担は30代後半から増え始め、50代前半をピークに少しずつ減少しています。
また、加入世帯における年間払込保険料の世帯年収に占める割合は、下記のようになっています。
40代は、世帯年収の約5~6%を保険料に充てていることがわかります。
※出典:生命保険文化センター『平成30年度生命保険に関する全国実態調査』
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【40代女性向け】おすすめな医療保険の選び方
40代の医療保険は、この年代の人が抱える病気のリスクについて考慮しつつ、現代の医療事情に対応できる保障内容にする必要があります。
ここまでで40代は病気のリスクが増える上、入院時の自己負担額も他の年代に比べて高い傾向にあることが分かりましたね。

40代女性におすすめな医療保険の「保障内容」
医療保険選びをする上でまず決めなければならないのが、基本保障である「入院給付金日額」です。
ココがポイント
医療保険の中には「入院給付金日額の〇倍」という形で手術給付金額が決まる商品が少なくないため、この金額をいくらにするのか慎重に検討する必要があります。
上述のように40代の入院時の自己負担額の平均、また1日あたりの自己負担額は、以下のようになっています。
40代が入院する際にかかる自己負担額の平均 | |
女性 | 25.1万円 |
入院1日あたりの自己負担額の平均 | |
女性 | 19,623円 |
※出典:生命保険文化センター『平成28年度生命保険に関する全国実態調査』
以上のデータを踏まえると、医療保険の基本保障である「入院給付金」は、40代女性の入院時の自己負担額を考慮するとやはり、日額1万円前後にすることをおすすめします。
そのうえで必要な特約を付加し、入院給付金や手術給付金だけでは賄いきれないリスクに備えるといいでしょう。
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40代女性におすすめな医療保険の「特約」とは
近年は、入院日数の短縮化と通院治療の増加が進んでいます。そこで医療保険選びをする際は、
- 入院した場合にまとまった一時金が給付される「入院一時金特約」
- 退院後の通院治療についても保障を受けられる「通院給付金特約」
の検討をおすすめします。
また40代になると、がんや心疾患・脳血管疾患といった、いわゆる「三大疾病」への罹患リスクが高くなります。
さらに、糖尿病や高血圧症・高脂血症といった「生活習慣病」のリスクも高まります。

検討したい医療保険の特約
- 三大疾病一時金特約
- 三大疾病支払い日数無制限特約
- がん診断給付金特約
- 生活習慣病追加給付特約
- がん外来治療給付特約
- 抗がん剤治療給付特約
そして、40代女性は、がんや脳血管疾患・心疾患のリスクが高い傾向にあります。
また40代女性のがん罹患状況を部位別にみると、
- 乳がん
- 子宮頸がん
- 子宮体がん
といった「女性特有のがん」罹患者数の割合が非常に高くなっています。
※出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」
ココがポイント
そこで医療保険選びをする際は、女性特有の病気について手厚い保障を受けられる「女性疾病特約」の検討をおすすめします。
もちろん、
- 現代の医療事情に即した保障内容にする必要がある点
- 三大疾病のリスクに備える必要がある点
についても、上述した特約についても検討してみるといいでしょう。
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- 保障期間(保険期間)が決められている「定期型」
- 生涯にわたり保障が続く「終身型」
の2種類に大別されます。
これらのうち定期型の医療保険には「更新」があり、40代以降は更新後の保険料がかなり高くなることも少なくありません。
もちろん、保障内容を下げることで保険料負担を抑えることは可能ですが、病気のリスクが高くなるこの時期に保障を薄くすることは、あまりおすすめできません。
40代女性の医療保険選びの際の保障期間(保険期間)について、終身型医療保険をおすすめします。
ココがポイント
終身型の医療保険ならば保障が生涯にわたり続きますし、保険料も加入時のまま変わらないからです。
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ココに注意
しかし、医療保険に加入するには生命保険会社による審査に通る必要があり、健康状態によっては引受けを断られてしまう可能性があるのです。
40代はあらゆる病気のリスクが高くなる時期ですので、何らかの病気になってしまう前に終身型の医療保険に加入して、生涯のベースとなる保障を用意しておいてはいかがでしょうか。
40代が既存の医療保険の見直しをするなら
「医療保険には加入しているものの、若い頃に加入したまま放置している」という方は、保障内容の見直しをしましょう。
ココがポイント
医療事情は時代とともに変化しており、何年も前に加入した医療保険では十分な保障を得られない可能性があるのです。
ここからは、40代の方が医療保険の見直しをする際にチェックすべきポイントをご紹介します。
医療保険の見直しポイント
- 加入済みの保険の内容を確認する
- 今後のライフプランと調整・整理
最初に着手することは、現在、ご自身が加入している保険商品の内容をしっかりと確認することです。
その際にチェックするポイントは、保険期間(保障期間)、保障内容、保険料の3点です。
次に、現在の保険商品の内容を把握したら、ご自身の現在のライフステージの状況と今後の収入計画を織り込んだライフプランと照らし合わせて、必要な保障と内容とが合っているかを考察します。
保険期間(保障期間)について
保険期間(保障期間)がいつまでかを確認しましょう。
ご自身が加入している保険が終身型であれば、保障が一生涯継続するので問題ありません。
しかし、定期型の場合には、保障される期間が定まっているので、確認が必要です。
ココに注意
また、定期型の更新時には、保険料が上がることと、持病がある場合には更新できない場合があるので注意をしましょう。
保障内容について
たとえば以下の項目のように、ご自身が現在必要としている保障内容に合致しているかという観点でチェックをしましょう。
- 入院給付日額
- 手術給付金の金額
- 入院何日目から保障されるのか
- 1回の入院での支払限度日数 など
さらに、以下に挙げるような各種特約を付加する必要があるかどうかも検討しましょう。
- 入院一時金
- 通院給付金
- がん診断給付金が受け取れる特約
- 先進医療特約
- 三大疾病特約 など
医療保険に付加できる特約については以下のリンクをご覧ください。
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現在ご自身が加入している保険が、ご自身が必要としている保障内容と合っているか、合っていない場合には、保険料を支払いすぎていないかを確認します。
逆に、より保障を手厚くする必要がある場合には、そのぶん保険料が高くなるので、ご自身の現状の資産状況や資金計画に照らして、妥当かどうかもチェックする必要があります。
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まとめ
40代・女性にとって、がん・心疾患・脳血管疾患といったいわゆる「三大疾病」や、糖尿病・高血圧症・高脂血症といった「生活習慣病」のリスクが高くなる年代です。
その中でも特に、女性特有のがんについては注意したいところです。
また、入院した場合の自己負担額が高額になりがちです。
そのため40代・女性の保険選びでは、こういった病気になった場合にも十分な保障を得られるよう、
- 入院給付金を十分な金額にする
- 女性特有の疾病(乳がんなど)に対する備えをあつくする特約の付加を検討する
- 三大疾病や生活習慣病のリスクに備えられる特約の付加を検討する
必要があります。
