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オンラインで保険に申込む時に必要なこと|インタビュー編(第一回)
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オンラインで保険に申込む時に必要なこと|インタビュー編(第一回)

東京大学の柳川範之教授に、「オンラインで保険に申込む時に必要なこと」についてお話をうかがいました。

オンラインで保険に加入する時に必要な情報とは?

コのほけん!編集部

スマートフォン・PCなどのオンラインで気軽に契約できる保険も増えてきました。対面契約ではない保険契約で、比較・検討するために事前にどのような情報を収集すべきでしょうか?

柳川教授
保険を考える時には、自分の現在の状況や将来に関する情報、そして各保険会社の契約内容などを収集することが重要です。

自分のことは自分が一番知っていると思いがちですが、例えばがんなどの病気になった時のことを具体的に考える機会は少ないため、事前に考え、必要な知識を収集しておかないと、保険加入時に自分に必要な保障が何かがすぐにわからない可能性があります。

対面で保険に入る場合も同じで、担当者が今後のライフプランや不安事項についてヒアリングをすることで、自分自身が考えるきっかけになります。

オンラインで保険に加入する場合は、2つの点に注意する必要があります。

1つ目は、自分の現在の状況や将来について考えるきっかけが少ないため、将来の不安やリスクに関する情報を事前に集めて整理しておくことが重要です。

2つ目は、保険の内容に関する話です。専門用語が難しいことが多いため、保険の内容や専門用語についてある程度の知識を持っておくことで、より的確な比較や選択ができるため、重要だと思います。現在はスマートフォンなどでその場で調べることも可能ですが、事前に知識を持っておくことが有利です。

コのほけん!編集部
情報収集のためのコツはありますか?

柳川教授
簡単に言うと、想像力です。

自分自身について考える機会が少ないため、将来のリスクについて想像力を働かせることが重要です。新型コロナなどの病気に罹患した場合、軽症か重症かで働けなくなるリスクが異なります。他の病気やけがでも同様です。想像力を働かせることで、自分に必要な情報や判断するべき事柄が明確になります。

保険に関して言えば、保険に加入した経験がある人は専門用語の理解は難しくないかもしれませんが、保険について知らない人や加入経験がない人は、専門用語を理解することが難しいでしょう。そのため、専門用語を調べる、詳しい人に聞く、あるいはホームページなどの情報を調べることが重要です。

保険料の安さだけで保険を選ぶことは避け、保障内容をできるだけ理解するように努力が必要です。また、自分で納得するということが大事です。事業者の方には専門用語ではなく、一般の人にとってわかりやすい用語で、契約内容を説明してほしいと思います。

オンライン化が進むことで消費者が独学で保険を選ぶことが主流になる?

コのほけん!編集部

現在は保険の販売チャネルが保険職員やFPなどの対面営業のスタイルが主流ですが、消費者が保険を独学で選ぶことが主流になった場合、この変化は保険会社にどのような影響をもたらすでしょうか?また社会全体にも影響を与えますか?

柳川教授
私の偏った見方かもしれませんが、対面営業の場合は、どちらかというと、その営業(セールス)の人の人柄を信頼し、おすすめするものを選ぶ傾向にあるように思います。


保険に限らず、営業の人から「これがおすすめです」と言われたら、その言葉とその人の人間性、
あるいは、その説明力に納得をして、その商品を購入するというパターンが結構多いと思います。

対面販売において、購入者は商品に対する理解を重視せず、「おすすめです」と販売者である第三者の提案を信頼して、「あなたがそう言うなら、おすすめの商品を買います」という決定が行われる傾向があると思います。

ところが、オンラインでは、第三者を信頼し、その提案に委ねることができないので、自分で商品の選択・決定する必要があります。

保険会社は営業(セールス)の信頼性を確保し商品を整備していくスタイルから、消費者に正しく理解してもらって選ぶ、消費者がきちんと情報を得て納得して選択してもらうというスタイルに変えていかざるを得ないと思います。

営業職員の知識等研修に力を入れるのではなく、消費者が判断・選択に必要な情報をいかに提供していくかということに特化せざるを得ないと思います。

一方で、保険会社がコストをかけて情報提供をしても売上に繋がらない事例が考えられます。

例えば、ある保険会社がコストをかけて情報提供したところ、消費者は保険について理解を深めた上で、 情報提供をしたその保険会社の保険に加入せずに、別の保険会社で安い保険に加入する、ということはよくあるのではないでしょうか。

そのため、知識や情報を消費者に伝えていく取り組みについては、生命保険会社単体でというよりは、保険業界全体としてやっていく必要があると思います。保険業界へのインパクトはあると思います。

社会全体への影響を考えると、情報を伝えることで、競争が激化するかどうかは不明です。どちらの方向性もありうるでしょうが、これまでも対面営業を通じた競争は当たり前でした。社会全体から見ると、消費者にとってより望ましい形での保険サービスが結果として現れる可能性が高まります。

社会全体への影響を考えると、情報を伝えることで、競争が激化するかどうかは不明です。どちらの方向性もありうるでしょうが、これまでも対面営業を通じた競争は当たり前でした。社会全体から見ると、消費者にとってより望ましい形での保険サービスが結果として現れる可能性が高まります。

ただし、対面販売の場合、消費者に100個のおすすめを提案し、その中から選んでもらうのでは、おすすめの意味がなくなってしまいます。一方で、オンラインの場合、消費者に選択肢が直接提示されるため、選択肢が多いという意味で、保険の選択肢が増え、消費者が一番良いと思うものを選ぶことができるでしょう。

しかし、消費者が独力で選択することがすべてであるとは考えにくいです。おすすめ機能や第三者によるアドバイスが必要な場面もあるでしょう。

対面とオンラインという視点で、対面がおすすめで、オンラインが自分で選ぶという話をあえて強調しましたが、オンラインでも、第三者の視点でおすすめすることは必要であり、仲介機能を果たします。特に、保険のように複雑で選択肢が多い商品の場合は、その機能があったほうが望ましいでしょう。

また、対面とオンラインは、二者対立の話ではなく、二者が協調して、消費者にとって最適な形でサービスを提供することが重要です。保険の販売においては、オンラインが参入したことによって、営業側も、「とにかく私を信頼してください」というスタイルではなく、きちんと情報を提供し、消費者が納得した上で加入するという流れが生まれてきています。対面営業でも情報提供することの重要性が高まっていると考えられます。

まとめ(編集部後記)

東京大学の柳川範之教授にお話をうかがい、オンラインでの保険選びにおいても、消費者が納得できる情報提供が重要であることがわかりました。対面やオンラインに限らず、保険の入り方に関わらず、消費者が納得できる情報提供が必要だということです。

生命保険会社と消費者の関係は徐々に変化しつつあり、保険会社や保険代理店が消費者に対してどの程度の情報を提供するのかも変わってきていると考えられます。オンライン化が進むことで、どの程度情報を提供するのかが変わってくるのではないかという印象を持ちました。

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