【対談】「日本人は保険に入り過ぎている?」経済評論家 塚崎公義氏×宮脇信介 vol.1
日本人は保険に入り過ぎ!?保険の優先順位を整理すべし
保険は基本的に損な取引。それでも、入る必要がある保険は?
宮脇
塚崎先生は「保険に厳しい大学教授」として知られていました(笑)。保険について不要な保険、必要な保険は何か?
賢い入り方についてお話しいただけますか。
塚崎先生
日本人は保険が大好きで、保険に入り過ぎている人が多いという認識です。
保険に入るとなんとなく安心だということで、あまり深く考えずに入ってしまうという傾向があると思います。
家計のお金の使い方を見ると、家を買うことの次にお金をたくさん使っているものが保険であることが多い。ところが、家を買うときや車を買う時は一生懸命調べて買うのに、保険に入るときはあまり調べずなんとなく安心そうだからということで入る方がいらっしゃるようです。
保険は、基本的に損な取引だという認識です。
お客さんが払った保険料とお客さんが受け取る保険金を比べれば、当然、保険料のほうが多いわけです。
保険会社で働く社員などのコストがかかっているので、保険に入っている人全員で平均すると損しているわけです。保険には、全体として見れば損することを理解したうえで、どうしても必要な場合に入るのであって、必要ない保険に入るというのは馬鹿げているというのが基本認識です。
期待値という言葉があります。「確率から考えると」という意味の言葉ですけれども、期待値という言葉でいうと期待値はマイナスです。
期待値がマイナスだとしても入るべき保険があるわけで、「入らなくてはいけない(入る必要性がある)保険・入らなくていい保険」を区別するということが大事です。
まず、「入らなくてはいけない(入る必要性がある)保険」というのは、保険に入っておかなければものすごく酷い目にあう可能性がある場合です。
例えば、最も優先して入る必要がある保険は自動車保険ですね。人をはねた場合に損害賠償で何億円と支払う可能性があります。
これは運転する人全員が入る必要がありますね。100億円持っている人は必要ないでしょうけど(笑)。
火災保険も家が焼けて住まいがなくなってしまうと困るので、基本的には入る必要があると思います。これも、家を何軒も持っている人は必要ないですけどね。
ポイント
- 保険は、基本的に損な取引だが、損だとわかっていても「入らなくてはいけない(入る必要がある)保険」がある
- 「入らなくてはいけない(入る必要がある)保険」とは、保険に入っておかなければものすごく酷い目にある可能性がある場合
- 「入らなくてはいけない(入る必要がある)保険」は「自動車保険」や「火災保険」など
それでは、入る必要がない保険とは?
塚崎先生
入る必要のない保険の例としてわかりやすいのは、「退職金を受け取った高齢者が配偶者のために加入している生命保険(死亡保険)」ではないでしょうか。
高齢者が亡くなった場合、配偶者は悲しむことがあっても、退職金を受け取っているので金銭的には困らないのではないでしょうか。だとすると、その高齢者は保険会社の社員の給料を払うために保険に入っていることになりますのでやめたほうがいい。
新入社員に対して「社会人になったのだから、1人前の社会人として保険に入らないといけません」というセールストークをたまに聞きますが、別に1人前のサラリーマンだからといって、独身の新入社員が生命保険(死亡保険)に入る必要はないです。彼(女)が亡くなって悲しむ人がいるということと彼(女)が亡くなって金銭的に困る人がいるということは別の話です。
独身の新入社員が一人前の社会人となるために生命保険(死亡保険)に入る必要性はありません。
宮脇
塚崎先生が書かれた『退職金貧乏』(祥伝社新書)という著書にも書かれているように、一般的には、老齢期になって勤めを終えたシニアは生命保険(死亡保険)に入る必要はないだろう。また、独身の方についても一緒に暮らす人がいない限りは、社会的通過儀礼のひとつとして生命保険(死亡保険)に入る必要はないということですね。
塚崎先生
特殊な事情がある場合、例えば、貧しい親を新入社員が初任給で養っているなどという場合は別です。ごく普通の新入社員は生命保険(死亡保険)に入る必要はないという考え方です。
宮脇
逆に、今の話でもありましたように、自動車保険や火災保険は必要性が高いということです。また、結婚して子供が生まれて、世帯を養うような立場になった人にとっては、保険に入る意義はあるということも言えるでしょう。
塚崎先生
まさにそうです。要は「自分が死亡したら配偶者とこどもが路頭に迷う」ということは非常に困った事態なので、確率的には低いけれども、もし起きたら非常に困ったことになるという場合は保険に入りましょうということです。
宮脇
今、塚崎さんが言われたように、確率的に、期待値としてはプラスにならないし、起こらないかもしれないけれども、極めて大きな経済的インパクトを有するリスクに対しては、リスクを少なくしておくという意味において保険の意義というのは一つ確実にあるだろうということですね。
ポイント
- 「入る必要がない保険」とは、例えば、退職金を受け取った高齢者が配偶者のために加入している生命保険(死亡保険)や、死亡した時に経済的に困る家族などがいないの新入社員の生命保険(死亡保険)など
そもそも、保険とは?
塚崎先生
そもそも論になりますが、保険というのはみんなでお金を出し合って、とても困ったことになった人を助けようという仕組みです。
みんなでお金を出し合って、数少ない、かつ、とても運が悪い人で、とても困っている人を助けるという意味では、自動車事故を起こした人とか、こどものいる若者が亡くなるという普通はない、滅多に起きないことが起きて、惨めな思いをしているこどもに生命保険が支払われるというのが生命保険の本質であるといえます。
逆に言うと、誰にでも必ず起きるようなことは保険の必要はないわけです。
例えば、風邪にかかったら保険金がおりますということがあったとして、おそらく、日本人のほぼ全員が保険金を受け取る事になるでしょう。
確率的にものすごく高い事象です。その場合、さきほどの議論にあったように、保険にはコストがかかるので、払った保険料よりも受け取る保険金が少なくなるわけです。みんなに必ず起きる様な事象に関する保険は損するようにできているわけです。その様な保険があったとしても、入る必要はないでしょう。
例えば、昔はがんにかかる人が少なかったので、がん保険に入る意味はあったかもしれないけれど、最近はがんにかかる人がすごく増えてきています。
保険会社のセールストークとしては、「最近、がんにかかる人が増えているので、あなたもがんにかかるかもしれないリスクが高まっていますよ。だから、がん保険に入りましょう」と言います。
もしも、 日本人の9割ががんにかかるとすると、自分の払った保険料が自分に戻ってくるだけの話になります。
差額の部分で、保険料から保険会社の社員の給料を抜かれているだけになってしまうので、だったら、自分で貯金していけばいいですよね。
保険で気をつけなければいけないのは、「みんなががんにかかる時代だから、がん保険に入りましょう」というのは、間違いだということです。
宮脇
理論的には、ですね。
保険の本質、あるいは経済的合理性という観点からお話を伺ってきました。
保険の加入はリスクに対する不安感を和らげる効果も
宮脇
少し別の視点となるのですが、近年、「精神的安定性がパフォーマンスを高める」という検証が多く出てきました。
スポーツの世界でも同様のことが言われるようになりました。引退後の生活が保証されるなど将来の生活の安定性が増すと、今のスポーツのパフォーマンスが増すという論文を先日読んだところです。
そういう意味では、確かに期待値としてはプラスではないかもしれないのですが、将来の経済的な安定性、ブレ幅を抑えるという意味では安定性が生じるということによって不安感が低減する。心理的な安定性が改善したことによって、例えば、家庭の雰囲気がより円満になるとか、仕事のパフォーマンスが良くなるなど、今現在によい影響を与えるといった可能性があるかもしれません。
そういった点を考えると、期待値(平均値)ではなく、数学的な確率の分散の幅を狭めることによる効用といったものも、人間ですのであるのかもしれないと思うのですが、そこはいかがでしょうか?
塚崎先生
パフォーマンスの話もそうですが、精神的な安定はとても大事なことです。ストレスの低減につながります。
要は、明日、全財産が2倍になるか、0(ゼロ)になるかの確率がそれぞれ5割だと言われたら、期待値としては「不変」なわけですが、とても不安で夜が眠れないので、全財産が増えもしなければ減りもしないと保証してくれる人がいたら、その人にお礼を払ってもいい、安心料みたいな感じで、保険会社がその役割を果たしてくれているのであれば、期待値としては損なんだろうけれど、大損したらどうしようと不安でしょうがない人が安心して眠るための睡眠薬を買う費用と思えば安いものだという考え方です。
特に、日本人は不安を感じる人が多いですからね。
例えば、新型コロナではアメリカ人はみんなマスクをしないで歩いていますが、日本人はみんなマスクをして歩いています。
コロナにかからないためにいくらまで払いますか?と言われたら、多分日本人は高くても払うんではないでしょうか。
そういうことを考えると、日本人が保険にたくさん入るのは、リスクに対する不安感が強いからで、不安を和らげてくれるためならたくさん保険料を払う、という事かもしれませんね。
日本人は保険が好きでたくさん入っているというのは、保険会社に口車に乗せられているというだけではなく、日本人が心配性だからということもあるんだと思っていて、そうだとすれば、それはある程度合理的なのかなと。
いくらコロナといっても確率的にはまず死なないんだからそんなに心配することはないと、もし、医者がそう言っていても、それが医学的には真実だとしても、不安な気持ちというのは別物です。
不安は不安として、不安を和らげてくれる一助として薬を飲むことは合理的なことです。
投資の世界も同様で、アメリカ人は銀行に預金するのは馬鹿らしいので株などに投資する人が多く、日本人は投資すると株が暴落するかもしれないから銀行に預金するという人が多いです。
そうであれば、日本人に対して株価暴落保険というのを売り出すというのも1つあり得るかもしれません。アメリカ人はそんな保険は必要ないと思うかもしれないけど、日本人は株価暴落保険というものがあれば加入するかもしれません。
宮脇
保険の効用としては、経済的な期待値などの確率のお話しとして、ひとつには非常に大きな経済的なリスクを低減させるための保険の役割ももちろんあるのですが、もうひとつ、心理的な安全性からみた寄与、貢献というのが認められるというのはご指摘の通りだと思います。
自分を取り巻くリスクを正しくとらえることができるようになることがベスト
塚崎先生
1番いいのはちゃんと勉強して、本当に怖がるべきことと、そうではないことの区別がつくようになることです。
ただ、幅広いあらゆるリスクに対して勉強して正しく対応する方法を理解しようというのも難しいので、だったら、漠然と感じている不安を取り除いてくれる手段があるなら、それにある程度のコストがかかるのもある意味合理的なのかもしれません。
ベストはちゃんと勉強すれば、そんなに怖がる必要はないんだということが分かるかもしれない。
ただ、私自身もできていないので、偉そうな事は言えないですね。私も自分の専門分野に関してはよくわかっているつもりだけれど、医療の分野などは全然わからないので、がんになったらどうしようと思って保険に入りたくなったりするわけですから。
宮脇
これまでのお話しにありましたように、賢く入るというか、その人のライフスタイルに合わせて、必要なものを見極めて入るべきということですね。
「コのほけん!」を運営するSasuke Financilal Lab 株式会社としても、「自分にあった保険を、自分で選ぶ世界へ」というmissionを掲げています。
今まではライフステージだからなんとなく入りましょうという、社会慣習として、保険に入りすぎてしまう人たちも多かったと思います。
結果的に、保険料が万単位になってしまって、生活苦になってしまうというマイナスの面が今目立ってきていますので、そうではなく、ライフスタンスと自分のライフステージに合わせて賢く選んでいくということが重要だと思います。
老後破綻をどうやって防ぐのか?
投資で稼ぐよりも働けるうちは働き、無駄な出費の見直しをする
宮脇
塚崎先生は、『退職金貧乏』(祥伝社新書)という著書を出版されている専門家でいらっしゃいます。老後破綻せずに生き抜く方法という観点から、エッセンスをおうかがいできますか。
塚崎先生
老後破綻を防ぐためにまず投資で稼ぎましょうという人がいるのですが、それは最後の話であって、一番大事なのはたくさん働いて稼ぐということです。
シニアが長生きするということは長生きしたことで老後資金が無くなるというリスクがあるということです。長生きは良いことなのですが、老後資金のことを考える際にはリスクなのです。
もっとも、逆に言うと、シニアが長生きをするということは、元気で働けるシニアが増えたということです。60歳で定年退職して、そこからずっと働かずに過ごすという時代ではないです。
働けるうちは、元気なうちは働きましょう。経済状況としては、少子高齢化で労働力が不足する時代です。
昔はシニアが仕事を探しても、なかなか見つからなかったけれども、これからは高齢者でシニアでも仕事探せば見つかる時代になるわけです。1日3時間しか働けないけど、それでもいいから働いて欲しい、と言われるような時代になります。ぜひシニアも働ける間は働きましょう。
収入ができる以外にボケ防止などいいことがあるので、働ける間は働きましょう、あと、主婦も働きましょうという考えです。
子育てが一段落したらもう働きに出て、ちゃんと年金保険料を払うぐらいの収入を得ましょう。
主婦が働くこと、シニアが働くことはそれ自体保険的な役割があります。
保険会社と契約するだけが保険ではありません。
主婦が働くことは、配偶者との離婚・死別のリスク、配偶者のリストラ、失業のリスクに対する備えになります。
シニアが働くことは、自分が100歳まで長生きして、老後のお金がなくなったら、どうしようという「長生きリスク」に対する保険になります。
保険会社にお金を払わなくても自分が働くことで、自分の万が一に自分で備えるという意味で働きましょう。
あとは無駄な出費を見直しましょう。
無駄な出費の見直しも大事です。それは、ビールを発泡酒にしようというケチケチとした対応をする話ではなく、もっと大きな話です。
例えば、車は本当に必要なのか?ということです。都会に住んでいて車が必要なのか?ということですね。
私は車を持っていません。公共交通機関を使って結構タクシーに乗っています。かなり贅沢にタクシー代を払っても、車を持っていた時の維持費に比べると安いです。
しかも駅まで歩くから健康にもいい。都会に住んでいる人は車の必要性を考えるなど大きな出費をひとつずつ見直してみようということです。
保険が必要かどうかを見直すということもそのひとつです。
郊外の大きな家に家族四人で住んでいたけれど、こどもが独立したあと、都心の小さなマンションに夫婦で引っ越すといろいろと楽になります。
割と大きな出費で当然だと思っていることも見直すと、意外と、もしかしたらこれは必要ないかもしれないというものが出てくるかもしれません。
ポイント
- 投資で稼ぐことは一番最後
- 専業主婦もシニアも働けるうちは働くことがリスクに対する備え(保険)になる
- 無駄な出費を見直す(例えば、車が本当に必要か?など)
資産を全額現金で持っておくのは危険?
塚崎先生
まずは働いて稼ぐ。生活を見直す。
そのあとは、投資で稼ごうというのも、それも悪くないですが、投資は稼ぐためにガツガツやるものではありません。
攻めの姿勢でガツガツ稼ごうとすると大損するリスクがあるので、気をつけるとして、一方で現金はインフレに弱いので、インフレに強い資産に分散しておこう、ひどい目に合わないために株を買っておこう、という守りの発想です。
株はインフレに強い資産です。単純なインフレを想定すると、物価が2倍になると会社の売上も2倍になり、費用も2倍になって、差し引きした利益も2倍になり、株価も2倍になる、というのが基本的な考え方です。
すごく簡単にいうと、そういうものです。
物価が上がらなかったら上がらなかったで株を持っていて配当をもらえば良いので、結果として銀行預金より利回りが高くなるかも知れません。
これから物価が上がっていく可能性を心配するなら、老後資産の一部を株に振り分けておいたほうがむしろ安心かもしれません。
株式投資が危険ということをいいますが、私は全額現金で持っているほうがずっと危険だと思っています。
私が怖いと思っているのはインフレです。
ひとつの要因は少子高齢化で、労働力が不足していると賃金が上がっていくので、賃金が上がっていくと物価も上がっていく、そういう時代がくるかもしれないです。
もう1つは大きな自然災害です。特に怖いのは、南海トラフ大地震です。
日本で多くの家屋が壊れたら、アメリカなど海外から材木等の建設資材を輸入しなくてはいけない。材木を買うために人々が銀行に行ってドルを買うのでドルの値段が上がる。そうすると、材木だけでなくて、アメリカから買ってくる、外国から買ってくるものの値段が全部値上がりします。
そうすると、銀行の預金が何千万円あってもとてもじゃないけど老後資金には足りないという時代がくるかもしれません。
少子高齢化によるインフレリスクと、南海トラフ大地震によるインフレリスクの2つを考えると、私は老後資金を全部現金で持っているということがとても怖いので、特にアメリカの株を持っています。具体的にはアメリカ株の投資信託ですけど。
アメリカの株を持っているとどうなるかというと、日本がインフレになると、ドルが上がるんですね。
ざっくりと言ってしまうと、ドルを持っていれば、日本の物価が2倍になっても、持っているドルの価値も2倍になるので、別にインフレがきても怖くない。
ただ、ドルのお札を持っていると、アメリカがインフレになったら困るので、アメリカの株を持っておけば安泰です。アメリカがインフレになればアメリカの株が上がり、日本がインフレになればドルが上がります。
私は、老後資金の相当多くの部分をアメリカの株で持っています。銀行の預金はそんなに持っていません。インフレと株価暴落のどちらが怖いのか、人によって怖さの感じ方が違うので、それぞれが安心できるような投資比率を考えれば良いのだと思います。私は、長期間でみれば株価暴落よりもインフレの方が怖いのでアメリカ株を多めに持っている、ということです。
宮脇
「老後破綻を防ぐには」というトピックスについて、塚崎先生の話をまとめると、1つ目は所得面から高齢化しても働きましょう、専業主婦の方も働きましょうということですね。
そこには保険的な役割があり重要であることをご指摘いただきました。
それから2つ目は、支出面を今一度チェックをしようというご指摘でした。特に大きな支出項目について、本当に必要かどうかを、ライフサイクルは変わってきているので、今の時点で本当に必要かどうかをチェックしましょう。
3つ目は、インフレリスクへの備え。日本の人口動態や南海トラフ大地震などの大災害のリスクを考えると、米国株式等への投資が保険的役割を果たすということですね。
塚崎先生、本日は有難う御座いました。
今日のお話の中では、長く教授を務めれた久留米大学を辞められたというお話しもうかがいましたが、そのタイミングでこのたび『大学の常識は、世間の非常識』(祥伝社新書)を出版されました。大変面白い著書でした。
これからは経済評論家として、更なるご活躍を期待しております。
ポイント
- 投資はガツガツ稼ぐためにやるものではない
- 現金はインフレに弱いので、インフレに強い資産として株をもつ
- インフレリスクへの備えとして、米国株式等への投資が保険的役割を果たす