民間の介護保険は必要?それとも不要?特徴や実際の加入率から民間の介護保険の必要性について解説
「もし自分が老後に介護状態になったら、お金ってどれくらい必要になるの?」や「家族に迷惑がかからない?」という心配をしたことはありませんか?
この記事では、民間の介護保険の特徴や必要性、また加入するのに良いタイミングについても具体的にわかりやすく解説します。老後や介護への備えを民間の介護保険で計画したいと考えている方はぜひ参考にしてください。
この記事のポイント
- 民間の介護保険には、公的介護保険制度でカバーできない自己負担分の費用や生活費などの不足をカバーする役割がある。
- 民間の介護保険は介護状態になったときに介護費用の不足や頼れる人の不在で心配がある方におすすめ
- 民間の介護保険に加入を検討するのは60歳前後の人が多い
民間の介護保険は必要?それとも不要?
公的介護保険制度があるのに、そもそも民間の介護保険は必要なのでしょうか?民間の介護保険は公的介護保険制度ではカバーできない部分について保障するもので、民間の生命保険会社が販売している商品です。では、どのような人が民間の介護保険を必要としているのでしょうか。介護保険の特徴と一緒に見てみましょう。
民間の介護保険の特徴
民間の介護保険は、公的介護保険制度でカバーできない費用などをカバーする目的があります。
- 公的介護保険制度で利用した介護サービスの費用1割分
- 介護サービス費用以外でかかるお金
- 65歳未満で介護状態になったときの介護費用[/checkBox]
このような費用をカバーするために、民間の介護保険を利用します。公的介護保険制度で利用した介護サービスの費用は1割負担(所得によって2割3割も)と少なく感じるかもしれませんが、長期間介護状態が続くようなら費用負担は大きく生活を圧迫する恐れがあります。また、直接的な介護費用だけでなく、日常でかかる生活費(水道代や電気代など)や交通費などは全額自己負担ですので、在宅介護となると介護サービスにかかる費用だけでなく諸経費についても考えなければいけません。
公的介護保険制度の対象となるのは65歳以上の第一号被保険者と、40歳〜64歳の第二号被保険者ですが、40歳~64歳までの人(第二号被保険者)は、がんの末期、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの特定疾病が原因で介護状態にならないと介護保険の対象となりません。ですから、65歳未満の人が交通事故などで介護状態になったとしても公的介護保険制度を利用できません。
では、実際どのような人に民間の介護保険が必要になるのでしょうか?
関連記事:公的介護保険制度とは?認知症など要介護状態になった時に公的介護保険で利用できる介護サービスを紹介
いる?いらない?民間の介護保険が必要な人
ここまで民間の介護保険について解説しましたが、実際に「私はいるの?いらないの?」と考えたとき、民間の介護保険が必要な人の特徴というのがわかってきました。
- 65歳以降で介護状態になったときでも安心できるくらいの資産がない
- 介護状態になったときに介護してくれる人がいない
- 65歳未満で介護状態になったときの介護費用に不安がある
- 65歳未満で介護状態になったときに介護してくれる人がいない(家族に頼れない)
介護にはお金も人も必要です。このような不安を感じている人は、民間の介護保険を検討する必要があるかもしれませんね。
関連記事:高齢者に民間の医療保険はいらない?何歳まで必要?公的医療保険制度でまかなえる金額とは
民間の介護保険にはいつ加入すればいい?
公的介護保険制度には40代になったら強制的に加入することになりますが、民間の介護保険にはいつ加入すればいいのでしょうか。実際の加入率や加入年齢とともに検証していきます。
民間の介護保険の加入率と加入年齢
生命保険文化センターの調査によると、平成30年に民間の介護保険に加入している世帯は全体の16.7%となっていて、加入している人の中で一番多いのは60~64歳(21.8%)ということがわかりました。また、加入している民間の介護保険の保険金額の平均は世帯主が月額7.6万円となっていて、1~5万円が18.2%と一番多いこともわかりました。では、これらのデータから民間の介護保険には何歳で加入するのがベストのタイミングだということができるのでしょうか?
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民間の介護保険に加入するタイミング
厳密にいえば、民間の介護保険に加入するタイミングに決まりはありません。しかし、民間の介護保険の保険料は決して安いものではないので、若いうちから加入するにしても、準備したい保障と支払う保険料とのバランスを考える必要があります。
一般的には、民間の介護保険には自分が60歳になる前に加入を検討する人が多い傾向がみられます。また、この年代になると親が介護状態になって実際に大変な思いをしていることを経験する人も増え、あらためて介護保険の必要性を感じる人も多くなるのではないでしょうか。
このように、民間の介護保険に加入するタイミングは人それぞれで、あえていうのであれば自分自身が「必要だ」と感じたときというのが正解なのではないでしょうか。ただし、介護保険も生命保険のひとつですので健康でなければ加入することができません。保険会社の告知や診査などで断られない健康なうちに検討をはじめるといいでしょう。
関連記事:医療保険と介護保険は併用できる?2つの違いと訪問介護での優先順位
まとめ
民間の介護保険は、公的介護保険制度では足りない部分をカバーするためのものです。加入する保険金額やタイミングは自分で決めることができますが、実際に検討し始めるのは60歳前後となっています。
民間の介護保険を販売している保険会社は複数ありますので、保障内容や保険料を比較検討しながら加入すると、あなたにぴったり合う介護保険に加入することができます。
最初から専門家のアドバイスを聞きたいという人には、ファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。独立系のファイナンシャルプランナーであれば特定の保険会社にしばられることもないので無理な勧誘をされることもありません。わからないところがあれば相談してみるといいかもしれませんね。