がん保険

30代はがん保険に入ったほうがいい?30代でがん保険を考えるべき理由を男女別に解説!

30代はまだ若く健康な方が多いとはいえ、病気に罹患する確率が高くなっていたり、結婚して所帯を持つ人が増えていたりと20代と比べると状況が大きく異なります。30代でがん保険に入るのはまだ早いと考える方も多いかもしれませんが、がんは30代以降から発症する確率が高い病気のため特に気を付けなくてはいけません。

この記事では30代の方におすすめのがん保険や入り方・選び方について解説していきます。またがん保険のほかに30代で考えておきたい医療保険や死亡保険についてもあわせて解説します。

この記事のポイント

  • 30代のがん罹患リスクは男女ともに確実に上昇傾向にある。早いうちに備えれば、保険料を抑えながら将来の治療費に備えることが可能。
  • 罹患リスクの高いがんは30代の男女で異なる。がんの種類や家族構成などを踏まえた保障内容を検討することが重要。
  • 現代のがん治療は通院中心・短期入院が主流に。「診断給付金タイプ」やがんの再発リスクに備えた「無制限タイプ」、また先進医療特約の追加も視野に入れ検討するとよい。

30代のがん保険の加入率は?

30代のがん保険の加入率は?

実際に30代の方はどのくらいがん保険に加入しているのでしょうか。

生命保険文化センターの調査によると、民間の保険会社などで取扱ってるがん保険やがん特約の加入率は全体で39.1%となりました。なお、性・年齢別でみると30歳代の男性は42.9%、女性は46.4%でした。

このことから、30代では男女ともに半数近くがなんらかのがん保険やがんに関する特約が付帯された保険に加入していることがわかります。

関連記事:がんの治療費と自己負担額は平均でいくら?手術や抗がん剤治療などの治療別に解説 

30代男性のがん保険の選び方

男女別に30代におすすめのがん保険の選び方と入り方について解説します。

まずはじめにここでは30代男性に多いがんのデータなどを踏まえ、がん保険をどう選ぶべきか解説します。

30代男性に多いがんと優先すべき保険3つ

厚生労働省の調査によると、30代男性の死亡原因の第1位は自殺ですが、第2位は悪性新生物(腫瘍)となっています。

上の年代に比べると、30代でがんになる人は少ないものの、死因としては2位にランクインしていることがわかります。

それでは30代男性に多いがんとはどんなものなのでしょうか。国立がん研究センターの調査によると以下のがんは30代男性の発症が多いがん種です。

  • 胚細胞腫瘍・性腺腫瘍
  • 大腸がん 
  • 胃がん など

30代男性のがんの罹患率は30代女性に比べれば低いものの、特にがんは治療の長期化と再発の危険性、また公的医療保険ではカバーできない先進医療を治療に選ぶ可能性もあることから、がんのみに特化したがん保険への加入の必要性は、医療保険加入の必要性以上にあるかもしれません。

また、30代男性の中には結婚して妻や子どもなど扶養家族が増える方もいるでしょう。世帯主として万が一のリスクに備える必要性も増すと、死亡保険への加入も重要となります。

結論として、30代男性が優先すべき保険は

  1. 死亡保険
  2. がん保険
  3. 医療保険

の順番であり、さらに就業不能保険なども合わせて検討しておくことをおすすめします。

30代男性におすすめのがん保険の選び方

がん保険は、がんにかかったときの医療費をはじめとした経済的負担をカバーしてくれる保険です。がん保険が保障してくれる基本的な保障内容は、以下のとおりです。

  • がんと診断されたときに受け取れる「診断給付金(診断一時金)」
  • がんで入院や通院したときに受け取れる「入院給付金」・「通院給付金」
  • がんの手術をしたときに受け取れる「手術給付金」
  • がんで放射線治療や抗がん剤治療
  • ホルモン剤治療などを受けたときに受け取れる「放射線治療(抗がん剤治療、ホルモン剤治療)給付金」 など

なお近年の医療技術の発達により最近のがん治療も変わりつつあり、今は主に以下のような傾向にあります。

  • がんの三大治療は「手術」「化学療法」「放射線療法」であること
  • 入院日数は比較的短期であること
  • 治療は入院ではなく通院がメインであること
  • がんは治せる病気であること
  • がんのリスクは再発・転移であること など

これらを踏まえたがん保険の選び方のポイントについて解説していきます。

診断給付金タイプか入院給付金タイプを選ぶ

まず、診断給付金をメインにした「診断給付金タイプ」にするか、入院給付金をメインにした「入院給付金タイプ」にするか検討するとよいでしょう。

近年のがん治療は、従来のような入院メインではなく通院がメインで入院日数は比較的短期です。おすすめなのは、がんと診断された際に使途を問わない給付金が受け取れる、診断給付金タイプです。

関連記事:がん保険の一時金(診断給付金)はいくら必要?相場を解説

診断給付金の受取回数を選ぶ

また、診断給付金を初回しか受け取れない「初回限定タイプ」にするか、何度でも無制限に受け取れる「無制限タイプ」するかも決めなければなりません。

なお、がんは転移・再発のリスクがあることを踏まえると無制限タイプがおすすめではありますが、その分月々の保険料も割高になることは覚えておきましょう。

特約やプランなどを検討する

がん保険には保障を厚くするための各種特約が付帯できます。例えばがん先進医療特約は全額自己負担となるがんの先進医療の医療費を保障する特約ですが、保険料は月額100円程度であるため、治療の選択肢を広げるためにもあわせて検討するとよいでしょう。

また、がん保険にはタイプも様々なものがあります。悪性新生物と同じように上皮内新生物も保障される「同額保障タイプ」もおすすめです。

なお、医療保険に特約でがんの治療を保障する方法もありますが、基本的にはがんに対する保障は特約で補うのではなく、がん保険でしっかり保障することをおすすめします。

がんの治療は日進月歩です。今後医療の進歩や社会の変革など、常に時代に合ったタイプのがん保険に乗り換えられるよう、単体のがん保険に加入することをおすすめします。

関連記事:がん保険の特約の種類はどんなものがある?特約の選び方を解説

30代男性の医療保険の選び方

次に医療保険の選び方も紹介します。そもそも医療保険とはどういった保険なのかご存知ですか?

医療保険とは被保険者が病気やケガをした場合の医療費などの経済的負担について、公的医療保険制度や高額療養費制度でカバーできない部分について備える保険です。

たとえば、病気やケガで入院した場合に公的医療保険が適用される医療費のうち、自己負担となってしまう以下の項目等を医療保険の入院給付金などでカバーすることができます。

  • 差額ベッド代
  • 食事代
  • お見舞い客などの交通費
  • 働けない場合の逸失給与 など

医療保険に加入すると保障してくれる基本的な保障内容は、以下のとおりです。

  • 病気やケガで入院したときに保険金を受け取れる「入院給付金」
  • 手術をしたときに保険金を受け取れる「手術給付金」

入院給付金を決める

まずは入院給付金日額をいくらにするのか決めるとよいでしょう。

入院給付金日額は5,000円や1万円が一般的ですが、より手厚い保障を求めるなら入院給付金日額を1万円にすることをおすすめしますが、過不足がないか定期的に見直すとよいでしょう。

また、入院給付金の支払限度日数も選択しますが、60日タイプで問題ないと言えます。さらに、入院給付金日額が入院初日から受け取れるタイプの医療保険かどうかも確認しましょう。

関連記事:医療保険の入院給付金日額と支払限度日数・通算支払限度日数の決め方

手術給付金のタイプを選ぶ

基本的に入院給付金は日額に連動しています。手術の種類に関わりなく手術給付金が一定の「倍率一律タイプ」と手術の種類によって手術給付金が変動する「倍率変動タイプ」があります。

保険期間や特約も検討する

そのほか、保険期間で「終身タイプ」と「定期タイプ」、保険料の支払方法で「終身払」と「短期払」がありますが、どちらにするかを選択します。

特約も、先進資料特約や三大疾病特約、がん特約などがあるため確認して特約の有無を選択しましょう。

30代男性の死亡保険の選び方

最後に死亡保険の選び方も紹介します。

死亡保険とは世帯主である被保険者が亡くなった場合に、葬儀代・お墓代・身辺整理のための死後整理資金と、残された扶養家族の事後の住居費や生活資金(子どもがいる場合には子どもの教育費や養育費も含みます)に主に備えておくための保険です。

加入にあたっては、公的保障や自身の貯蓄などでカバーできない分を死亡保険で準備するということが基本的な考え方となります。

30代男性が死亡保険を選ぶ場合には、以下の項目を考慮して、まずは必要保障額を試算して決定しましょう。

  • 扶養家族の有無や人数
  • 配偶者の収入の有無
  • 自身の資産やライフプランや資金計画

終身保険か定期保険か選ぶ

死亡保険は必要保障額を決定するだけでなく、保障期間を選ぶ必要性もあります。

まず、保障が同じ保険料で一生涯続く「終身保険」か安い保険料で一定期間の保障を準備できる「定期保険」のどちらにするか選ぶとよいでしょう。

保障期間は月々支払っていく保険料にも大きく影響する要素です。

貯蓄型か掛け捨てか選ぶ

また、資金計画との兼ね合いで、保険料は割高になりますが貯蓄性がある保険にするのか、保険料が割安になる保険料の掛け捨ての保険にするのかなども選びましょう。

貯蓄性のある保険とは、生命保険を途中解約した際に”解約返戻金”としてお金が戻ってくる保険などをいいます。

関連記事:生命保険は終身(貯蓄型)・定期(掛け捨て)どちらがおすすめ?違いを比較!

特約や支払方法を検討する

そのほか、医療保険特約や収入保障特約などを付けるか、保険料の支払方法は「終身払」か「有期払」にするかなども選ぶ必要があります。

死亡保険の保障内容や条件を決定する場合には、各項目にメリット・デメリットがありますので、しっかりと確認することが大切です。

選ぶのが不安な際にはファイナンシャルプランナーなどの保険のプロに相談するのもおすすめです。

30代女性のがん保険の選び方

30代の女性は男性よりもがんになる割合が多いため、がん保険で万が一に備えておく必要性は高いといえます。

ここでは30代女性ががん保険を検討するにあたり、意識しておくとよい3つのポイントを紹介します。

30代女性は女性特有の病気への保障を最優先に

30代女性は、女性特有の病気に対する保障を最優先に確保しましょう。女性特有の病気とは主に以下のものを指します。

  • 子宮筋腫
  • 子宮内膜症
  • 乳がん
  • 子宮がん など

特に女性は30代を迎えると、がんに罹患する確率が男性よりも高くなります。

年齢階級別罹患率

たとえば、30歳の女性が10年後までにがんに罹患する確率は1%。つまり、100人に1人は30代でがんにかかるということです。

一方で30歳の男性の罹患率は0.6%ですので、女性の約半分。30代は女性の方が男性よりもがんに対する対策を意識する必要がありますね。

関連記事:女性保険のメリットとは?年代別の必要性やおすすめな選び方を紹介

自分が入院した場合や亡くなった時の影響を考えよう

自分に保険が必要か迷ったら、例えば自分ががんなどの大きな病気にかかり長期間入院した場合やその病気が原因で亡くなった場合、家族や周りにどんな影響があるのか一度シミュレーションしてみるとよいでしょう。

もしあなたに子どもがいる場合、万一のことがあると配偶者が子供の面倒を見ることになるでしょう。そうすると子育てのための人手が不足し、以下のような影響が出ることが考えられます。

  • ベビーシッターを雇うことによる出費の増加
  • 配偶者が時短勤務を利用することで収入が減少

一方で、もしあなたが独身の場合は、病気やケガで休職することで収入が減少し、生活が苦しくなる可能性があるでしょう。

会社員の場合は、病気や怪我で働けなくなった場合は、傷病手当金が受給できる可能性がありますが、支給される額は最大で収入の2/3程度で、受給できる期間も最大で1年半までです。

傷病手当金シミュレーション

傷病手当金とは、病気や怪我で働けなくなり会社を休んだ際に、事業主から十分な報酬が受けられない場合に手当金が受け取れる制度です。

傷病手当金などの公的医療保険制度を利用しても、もしも貯金がない場合は治療費が払えない可能性があり、家族や周りの人にお金を借りたりする必要があるかもしれません。

関連記事:傷病手当金とは?退職したらもらえない!?退職後の支給条件や計算・申請方法を解説

またひと月の医療費が高くなった場合は、高額療養費制度の対象となる可能性もあります。

高額療養費制度とは自己負担の金額が年収によって定められた上限を超えてしまった場合に、超えた部分が払い戻される制度です。これらの社会保障制度も踏まえ、民間の保険の要・不要を判断するとよいでしょう。

関連記事:高額療養費制度は医療費がいくら以上から使える?自己負担額の引き上げ決定で今後どうなる?さらに医療費の負担を軽くする制度も紹介!

30代女性のがん保険の選び方

それでは実際に、30代女性はどんなポイントをおさえがん保険を選べばよいのでしょうか。

上で紹介したデータなどを踏まえ、解説します。

30代女性が優先すべき保険3つ

死亡保険・医療保険・がん保険のうち、30代女性の方が加入すべき保険の優先順位は、以下のとおりです。

  1. がん保険
  2. 医療保険
  3. 死亡保険

上で説明したように、30代の方は20代に比べてがんにかかるリスクが高くなるため、がん保険の優先順位も高くなります。また女性は30代から急増する女性特有のがんへの備えは最優先するとよいでしょう。

なお、貯金がいくらかあり保険料の負担を最小限に抑えたいのであれば、がん保険のみに加入するのも1つの方法です。

また、自分自身の保障をできるだけ手厚くしたい場合は、がん保険に加えて医療保険も加入することで、幅広い病気やケガをカバーできます。女性特有の病気の保障に特化した女性医療保険も検討するとよいでしょう。

なお、子どもがいる場合は、死亡保険の加入も検討するとよいでしょう。特に世帯主であったり収入の柱であったりする場合は、手厚い死亡保障が必要でしょう。

30代女性におすすめのがん保険の選び方

まず、30代女性ががん保険を選ぶ際に留意しておくべき注意点として、がん保険で保険金や給付金を受け取るには、基本的に生まれて初めての悪性新生物と診断されなければならないことがあげられます。

過去にがんになったことがある場合はがん保険に加入できず、がんであったことを隠して加入した場合、保険金は給付されません。

では、実際にがん保険に入る時は、主契約と特約をどのように選べば良いのでしょうか?順番に確認していきましょう。

主契約を選ぶ

がん保険の主契約は、販売している保険会社によって大きく異なります。

主契約が、がんと診断された場合にまとまったお金を一括で受け取れる「診断給付金」の場合は、診断給付金が複数回受け取れるかどうかを確認しましょう。

古いタイプのがん保険は、診断給付金が1度しか給付されないため、再発した場合には保険金を受け取ることができません。

また、がんの中でも比較的初期のがんである上皮内がんで給付が受け取れるかどうかも確認が必要です。女性特有の病気である子宮頸がんは上皮内がんであるケースも多いため、もし保障の対象外だと女性特有の病気をカバーできません。

関連記事:女性向けがん保険って必要?20代〜50代の必要性と選び方を比較

特約を選ぶ

がん保険の特約では、女性特有のがんになった場合のその後の治療を保障してくれるものがあります。

たとえば、以下のような場合です。

  •  乳がんで乳房を全摘出した後の乳房の再建手術を手術にかかる費用
  •  抗がん剤によって髪の毛が抜けをしてしまったときに利用するウイッグを作成する費用

また、先進医療特約を付加することによって、陽子線治療や粒子線治療などの高額な先進医療も保障の対象にできます。

先進医療特約とは、治療を受けた時点で厚生労働大臣が認める先進医療に該当している場合、その先進医療に係る費用と同額の給付金が支払われる特約です。先進医療の治療費は全て自己負担のため、数百万円単位の出費をカバーできます。

一方で、がん保険の先進医療特約は、基本的にがんに関する先進医療のみが保障の対象となるため注意しましょう。

30代女性の医療保険の選び方

次に、30代女性の医療保険の選び方です。医療保険を選ぶ際は、女性専用の疾患をカバーするものを選ぶと安心です。

主契約を選ぶ

入院給付金日額は10,000円が理想ですが、5000円でも問題ありません。なお女性疾病がカバーされている医療保険に加入していれば、女性特有の病気で入院した場合は、入院給付金日額が倍額になるため、検討してみるとよいでしょう。

また、1入院あたりの給付限度日数は、重い病気によって入院期間が長期化した場合に備えるために120日がおすすめです。

もし限度日数が60日のものを選ぶときは、三大疾病(がん・心筋梗塞・脳卒中)に罹患した場合に限度日数が無制限になるものを選ぶと良いでしょう。

特約を選ぶ

医療保険の特約は、がんになった場合にまとまった金額の保険金を受け取れるがん保障があると安心です。

また、三大疾病(がん・心筋梗塞・脳卒中)の場合にも、一時金で給付金を受け取れる特約もあり、手厚い保障を準備したい場合は付加すると良いでしょう。

なお、重い疾病があったときの保障を手厚くする重度疾病特約をつけることによって、医療保険1つでがんも含めた治療費が高額になる重い病気の保障をまとめて準備できます。

ただし、医療保険を解約すると、がん特約や重度疾病特約も解約となるため注意しましょう。

関連記事:30代女性におすすめな医療保険の選び方 独身・既婚ライフスタイル別に解説

30代女性の死亡保険の選び方

最後に、30代女性におすすめの死亡保険の選び方です。専業主婦(夫)で子どもがいる場合は、500万〜1,000万円までの死亡保障に加入すると良いでしょう。

また、あなたが世帯主や夫婦で共働きなど家族の収入を支えている場合は、収入保障保険もおすすめです。収入保障保険とは残された家族に対して、毎月一定額の保険金が決まった年数分受け取れる保険です。

収入保障保険の仕組み

なお公的な保障として遺族年金もありますが、この遺族年金と収入保障保険を合わせれば、家族の生活費をしっかり準備することができます。

関連記事:遺族年金とは?いくらもらえる?遺族年金計算方法や受給条件について解説

まとめ

今回は30代の男性・女性のがん保険の選び方と、他に加入すべき保険の優先順位について解説しました。

30代は病気に罹患する確率や女性においてはがん罹患率が上昇するだけでなく、家庭環境生活に大きな変化が生じる年代でもあるため、必要な保障は個人によって大きく変わります。

もしご自身でどのような保険に加入したらいいかわからない場合は、ファイナンシャルプランナーなど保険についてよく知るプロに相談してみるとよいでしょう。

関連記事:30代が知っておくべきがん保険の基礎知識 | 選び方と注意点

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