がん保険をやめたい人必見!やめなければよかったと後悔する前に確認すべき事
がん保険は『がん』しか保障しないのに入る意味はあるのでしょうか?
医療保険に入っていればがん保険は必要ないのでは?と疑問を持つ方に向け、本記事では、がん保険の重要性やがん保険に入っていない場合に想定されること、そしてがん保険に入らないと決心してしまう前にぜひ確認しておきたいことを解説します。
本記事のポイント
- 男性より女性のがんの罹患率が高いのは20代から50代まで、男性は60代以降から高くなる
- がん保険は性別・年齢に応じて必要度が変わる
- がん家系やがんになるかもと不安を抱えている人にがん保険はおすすめ
がん保険の特徴
がん保険とは、がん(悪性新生物)による入院・治療に保障を特化した保険です。民間の医療保険と異なり、がん保険はがん以外の病気については保障しません。逆に、民間の医療保険は、がんを含め病気・けが全般の入院・手術について保障をします。
がん保険の保障の範囲
また、ひとくちにがん保険と言っても、保険会社および商品によって保障の範囲が異なりますが、一般的には以下ががん保険の保障対象となります。
- 悪性新生物のみ
- 悪性新生物+上皮内新生物
- 悪性新生物は給付金満額、上皮新生物は給付金の半額
がん保険の保険期間(保障期間)
がん保険の保険期間(保障期間)は、生命保険や医療保険と同様に、
- 終身がん保険:一生涯、生きている限り続く保障
- がん定期保険:契約時に決めた一定の期間だけ保障
の2種類があります。
ただし、がんという病気の性質上、契約してすぐにがんの保障が開始するわけではなく、免責期間(待機期間)が3ヶ月もしくは90日間あることが一般的です。
がんという病気について
生涯でがんに罹患する確率は、男性65.5%(2人に1人)、女性51.2%(2人に1人)となっています(2019年データに基づく)。
かなり高い確率と感じられますが、性別と年齢によって大きく異なります。
以下のグラフは性別・年齢別のがん罹患者数(2019年データに基づく)のグラフです。
グラフを見ると、50代までは男性よりも女性のがんの罹患率が高いものの、60代以降は男性のがん罹患率が高くなっていく傾向にあります。
がん保険はがんの療養による収入減に備えることができます。そのため、女性は20代から50代までの間、男性であれば60代以降の年代を目安として、がん保険に加入しておくとよいかもしれません。
関連記事:がん保険|がんの発症率(罹患率)と生存率
がんの治療方法
がんの治療は一般的にがん三大治療と言われ、具体的には下記の通りです。
- 外科手術
- 放射線
- 抗がん剤
上のがん三大治療以外にも治療法はあります。
「第四の治療法」と呼ばれ期待されている先進医療や、ノーベル医学生理学賞受賞の免疫治療薬を含む免疫療法などが挙げられます。
この先進医療や自由診療を選んだ場合に、原則治療費は全額自己負担であり高額となる傾向のため、その部分をカバーするためにがん保険は有効です。
医療技術の進歩により、がんの治療は入院せずに、通院で治療できるようになってきました。しかしながら、通院で治療できるようになったことと、がん罹患前、がん治療開始前と同様に仕事を続けられるかどうかはまた別の問題になります。
そして、がんは再発・転移がある病気であり、がん治療のため仕事を継続できなかった場合はがんの治療費どころか、生活費などにも困る可能性が出てきます。
関連記事:がんの治療法を知りたい!それぞれのメリット・デメリットや民間保険での備え方も解説
がん保険に入っていない場合やがん保険をやめるとどうなる?
万が一、がん保険に入っていない状態でがんに罹患した場合、十分な預貯金、もしくは、仕事が続けられない等で継続的に得られる収入がなければ、経済的困難を抱える可能性が高いです。
仕事を続けられるかは実際にがんの治療を開始してみないとわからないため、仕事が続けられない際には、がんの治療費とそれ以外の生活費確保の問題が出てきます。
そして、がんが「転移・再発」した場合、がんの治療費の自己負担額がかさんでいくため、さらに負担になる可能性が高いといえます。
すでにがん保険に加入していた人が契約を解約した後にがんに罹患した場合は、がん保険の再加入が困難になります。
また、がんにならなくても、がん保険に再び入ろうとすると、免責期間(待機期間)3ヶ月もしくは90日間が発生し、かつ、被保険者の年齢が高くなるため、以前のがん保険よりも保険料が高くなる可能性もあります。
がん治療は保険がきく?
がんは公的医療保険の対象であるため、現役世代であれば自己負担は3割となり、高額療養費制度や医療費控除などの制度の利用が可能です。
また、民間の医療保険でも入院・手術はカバーされるため、がん保険しか使えないということはありません。民間の医療保険でもがんによる入院・手術について保障されます。
ただし、保険会社・保険商品ごとに異なりますが、民間の医療保険は1入院ごとの入院日数の上限と通算の入院日数上限があることが一般的です。
従来型の入院給付金が支払われるタイプのがん保険であれば、一般的には入院日数が無制限となっています。また一時金型のがん保険であれば、保険会社所定の条件を満たした上で、がんと診断された時点でがん診断一時金(給付金)が受け取れる等の特徴があります。
関連記事:がん保険は不要?医療保険でいい?
がん保険の必要があまりない人とは?
がん保険の必要度は性別・年齢に応じて変わります。がん保険の必要があまりないのは、以下のような人と考えられます。
- 身内にがんになった人がいないなど、がんに対する不安がない人
- 十分な預貯金がある人
- 仕事が続けられなくても何らかの定期的収入が確保できる人
がん保険の必要がある人とは?
一方で、がん保険に加入し備えておく必要があると考えられるのは、以下のような人です。
- 身内にがんになった人がいるがん家系や、がんになるかもと不安がある人
- 仕事が続けられなくなった場合に収入が無くなる人
- 預貯金をためる余裕があまりない人
関連記事:自分にがん保険は必要?不要論のワケ・必要性が高い人を知る
いくら貯金があればがん保険はいらない?
がんになった時に必要となるのは、がんの治療費+生活費です。
独身で一人暮らしの方であれば、がんの治療費(入院・手術・通院・その他雑費)と本人の食費や住居費・光熱費等の固定費を含めた生活費が必要です。
家族のいる方であれば、がんの治療費(入院・手術・通院・その他雑費)と本人+家族の食費や住居費・光熱費等固定費を含めた生活費が必要となります。
また、備えとして必要な生活費は仕事が継続できるかどうか(収入の確保)でも異なってきます。仕事を継続できる場合も、治療により収入が減り、生活費を一部賄えなくなることがあるかもしれません。がん治療費と合わせて3ヶ月程度の生活費の備えが目安となります。
なお、がんの種類によって必要になる治療費は異なり、再発・転移までを考慮すると目安となる預貯金額はありませんが、がんの治療費として使っても差し支えないおおよそ200万円程度の預貯金があればよいでしょう。
まとめ
がん保険の必要性はその人個人の考え・価値観の影響が高いといえます。
一般に、がんの治療費と生活費をまかなえるだけの十分な預貯金がある、もしくは仕事が続けられなくても定期的な収入が確保できるようであればがん保険の必要性は低いといえますが、病気の性質上、「転移・再発」までを考えるとなかなか厳しいといえます。
がん保険と預貯金とをうまく組み合わせて、万が一の時に備えましょう。FP(ファイナンシャル・プランナー)に相談することもおすすめです。