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保険プラットフォーム「ソリシター君」について|InsurTech最新動向
InsurTech Interview

保険プラットフォーム「ソリシター君」について|InsurTech最新動向

「テクノロジーを活用し、50兆円保険産業の礎となる」をミッションに事業を展開しているSEIMEI株式会社の津崎桂一CEOに保険プラットフォーム「ソリシター君」についてお話を伺いました。

SEIMEIは「テクノロジーを活用し、50兆円保険産業の礎となる」をミッションに掲げるインシュアテック企業

コのほけん!編集部

SEIMEI株式会社(以下、SEIMEI)という会社について教えて頂けますでしょうか。

津崎CEO
弊社は「テクノロジーを活用し、50兆円保険産業の礎となる」をミッションに掲げる企業です。

私自身が保険セールスに携わる中で、保険産業はマーケットサイズが50兆円と巨大であるにも関わらず、「テクノロジー」も「礎」も足りないと感じ、2017年にSEIMEIを創業するに至りました。

SEIMEIでは保険プラットフォーム「ソリシター君」事業を展開しています。
2021年にJAFCOより3億円の資金調達を完了し、急成長を目指しています。

コのほけん!編集部
MDRT•TOT会員2回という素晴らしいご実績ですね。保険セールスで成功された上でさらに、SEIMEI事業も資金調達を終えて拡大中なのですね。

参考

※1927年に発足したMillion Dollar Round Table(MDRT)は、卓越した生命保険・金融プロフェッショナルの組織。
※TOT会員とは、MDRTの6倍の基準を満たした称号で、国内生命保険募集人123万人中、2021年度TOT会員は169人という少なさ。

津崎CEO
私はSEIMEIの事業成長にコミットしているものの、現場感覚を忘れないために今でもたまに自分自身が保険セールスを行うようにしています。

保険プラットフォーム「ソリシター君」は保険会社⇔保険代理店間の情報プラットフォーム

コのほけん!編集部

貴社の事業であります、保険プラットフォーム「ソリシター君」は具体的にどのようなサービスなのでしょうか。

津崎CEO

ソリシター君では、保険募集人が無料で医的引受目安などの業務情報検索ができます。一方で、保険会社は保険募集人の検索データを取得できます。保険会社はソリシター君を通じて、保険募集人向けに研修管理や広告配信もすることができます。

用語解説

  • 保険募集人とは、保険会社や保険代理店で保険販売をする人
  • 乗合保険代理店とは、保険代理店であり、かつ、取扱保険会社の数が2社以上ある保険代理店のこと。
  • 医的引受目安とは、保険加入の可否における被保険者健康面の判断基準として、保険会社が保険代理店に対して目安として提供している業務情報。
  • ソリシターとは、保険会社に所属し、保険代理店に営業を行う営業社員のこと。

コのほけん!編集部
ソリシター、医的引受目安、乗合保険代理店など難しい言葉がありますが、簡単にいうとどのようなビジネスモデルなのでしょうか。

津崎CEO
保険業界のエムスリー」を目指しています。

エムスリードットコム及びMR君は製薬会社とドクターを結ぶ医療プラットフォームで、ドクターの9割が登録しているサイトです。製薬会社からドクターへ営業を行うMRと呼ばれる営業社員の業務フローをオンライン化したサービスです。

エムスリーは製薬業界で大成功している会社ですが、保険業界も同じ業界構造であることに気づき、ソリシター君では保険会社と保険代理店及び保険募集人を結ぶプラットフォームを構築しています。

 

保険会社から保険代理店へ営業を行うソリシターは全国に3万人程います。ソリシターは、各保険代理店に実際に足を運び、照会対応や保険商品説明を行っています。
この図の通り、どうでしょうか。MRとソリシター、製薬会社と保険会社、ドクターと保険代理店・保険募集人の立場はどことなく似てはいないでしょうか。

ソリシター君はソリシター営業をオンライン化する保険プラットフォームなのです。

現在、SBI損保様、はなさく生命様、イオン・アリアンツ生命様、なないろ生命様の保険会社4社に導入頂いており、他保険会社様からも順次お問合せを頂いています。

「ソリシター君」は保険募集人への営業最適化を行い、保険会社の課題を解決する

コのほけん!編集部

貴社が提供している保険プラットフォーム「ソリシター君」は、保険会社・保険代理店のどのような課題を解決するサービスなのでしょうか。

津崎CEO

 

 

  • 保険会社の課題
    保険募集人に最適にアプローチできない
  • 保険代理店の課題
    複数保険会社を横断した業務情報一括検索ができない

保険会社は「この病気に対していくら給付金を払った」というデータを膨大に持っています。しかし、その保険契約が申込に至る前の比較検索データは保険会社では取れません。そもそも、自社に申込があった保険契約以外の情報は得ることができませんし、申込前に保険募集人がどういった病名を検索して比較検討しているかというデータを取ることもできません。

ソリシター君では、各保険募集人が比較検索したデータを蓄積することで、各保険募集人がどういった保険商品販売に強みを持っているか等のパーソナルデータを取る事ができます。そのデータを用いて、保険会社は各保険募集人へ最適な保険商品の間接営業ができます。

ある保険会社ユーザーにソリシター君で収集されたデータをお見せする機会があったのですが、病名検索ランキングにとても感動されていました。

毎月プレスリリースで公開している病名検索ランキングは紙面の都合上15位までですが、ソリシター君では1,500位まで抽出し、保険会社ユーザーへお渡ししています。保険会社に所属するソリシターの方々は各種データを元に、保険募集人に対して最適できめ細やかなアプローチができるようになります。つまり、「保険募集人への営業最適化」を提供できる点がソリシター君の提供価値であると言えます。

一方で保険代理店ユーザーに対しては「一括検索」というシンプルな価値を提供しています。世の中には一括ログイン機能等を提供されている他システム会社もありますが、医的引受目安の一括検索はこれまで誰も手を付けてこなかった領域で、保険代理店に対するソリシター君の提供価値だと思ってます。

コの保険編集部
確かに今までそのようなデータはなかったと思うので、保険会社にとっても、保険募集人にとっても非常に価値のあるサービスですね。

保険プラットフォーム「ソリシター君」の開発エピソード

コのほけん!編集部

このサービスを立ち上げるにあたって、苦労したことや裏話などはありますか?

津崎CEO
色々ありますが、利便性だけでは導入されず、いわゆる大義名分が必要な点は非常に苦労しています。例えば、現在のソリシター君では保険会社4社の医的引受目安がまだ閲覧できないのですが、そのために保険代理店の導入が進まないケースもあります。

ただ自分の中ではあまり重荷に感じてはおらず、正しい方向に進んでいるからこその苦労だと思っています。弊社サービスが代替の効かない業務インフラであるがゆえに、ユーザーから高いレベルのサービスを要求されるのでしょう。

ユーザーの声を聞きながら、より信頼できるサービスに昇華させていきます。

コのほけん!編集部
広告費も一切かけていらっしゃらないとのことでしたので、本当に良いものとして口コミ等で広まっているのですね。

津崎CEO
そうですね。保険業界にはモメンタムが足りないと思っていて、トレンドのない保険業界に我々がテクノロジーの力でモメンタムを起こしていきたいですね。

「ソリシター君」のサービスとしてのこだわり

コのほけん!編集部

ソリシター君のサービスとしてのこだわりなどがあれば教えてください。

津崎CEO
私自身が全ての時間を使って、ソリシター君のプロダクト開発にコミットしていることです。創業者としての私の責任は、プロダクトに全てのリソースを注ぎ、磨き続けることだと思っています。

大成功している起業家、例えばFacebookのザッカーバーグやテスラのイーロンマスクも、常にプロダクトを見ているんですよね。それが一番成功するパターンです。

私は常に業務フローのインフラになれる部分を探しています。弊社ではこれを「業務フローにロックインする」という言い方をしています。

「医的引受目安検索」は、保険募集におけるごく一部のプロセスではありますが、保険募集人が必ず行う業務フローなんです。ここへの着眼が、事業が伸びている理由ではないでしょうか。

コのほけん編集部
津崎さんのこだわりがプロダクトの細部に反映されているということですね。

津崎CEO
そうですね、サービス内のレイアウトやUXを、全て自身が保険セールス現場で実際に使いながら確認することに極限までこだわっています。

コのほけん
そのようなプロダクトが、保険募集人は無料で使えるという点がやはり強みだと感じました。使う側にとっては嬉しいサービスですよね。

津崎CEO
そうなんです。ソリシター君を導入している保険代理店の方々から感謝のお言葉をいただくことがあります。たまにTwitter等で「ソリシター君を使って、業務効率が劇的に上がった」などと投稿してくれるユーザーもいて、やりがいを感じています。

今後の展開は?

コのほけん!編集部

今後、本事業を通じて実現したいことや将来像をお教えてください。

津崎CEO
今後は研修履修管理などの機能を追加し、ソリシター君を保険業界における必須の業務インフラに成長させます。

今後も多くの開発アップデートを行っていきますので、ご期待ください!

まとめ(編集後記)

「医的引受目安の検索」という保険営業に欠かせないプロセスは、日頃一般の方々の目には触れることのない世界ですが、そこには大きな業務効率化の可能性がありました。

津崎桂一 プロフィール

「テクノロジーを活用し、50兆円保険産業の礎となる」というミッションを掲げて、SEIMEI社では保険プラットフォーム「ソリシター君」を開発運営する。

◇略歴:1983年 兵庫県生まれ、2008年 東京大学法学部卒、2008年 ジブラルタ生命保険株式会社入社、2017年 SEIMEI株式会社創業

◇実績・資格:MDRT・TOT会員登録2回、行政書士

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