ペット保険の『MOFFME』について|Insurtech最新動向

ペット保険の『MOFFME』について|Insurtech最新動向

「ソフトウェアの力で、すべての人のお金にまつわる意思決定をサポートする」をミッションに事業を展開する株式会社WizleapのWeb Director森下さんに「MOFFME」についてお話をお伺いしました。

ペット保険の市場規模は年々拡大しており、今後、2000億円規模に

コのほけん!編集部

現在のペット保険の市場状況について教えて下さい。

森下さん
ペット保険の加入率※1 は近年増えています。2017年頃は約9.1%※2 の加入率でしたが、直近では16.7%と急拡大しています。

それに伴い、2017年に500億円規模だったペット保険の市場規模は、2021年には1,000億円を超えるまでに成長しています。今後はさらに市場が拡大する予測がされており、少なくとも現在の倍である2,000億円規模程度にはなると考えております。

※1 ペット保険加入頭数/ペットの数

※2 株式会社富士経済「2022年 ペット関連市場マーケティング総覧」調査

コのほけん!編集部
一方でペット飼育頭数自体は横ばいか、少なくなっていると聞いたことがあります。その中でもペット保険の加入率が増えているのは、どういった背景があるのでしょうか。

森下さん
ペット保険自体は 実は1990年頃に始まっていたのですが、当時は普及が進んでおりませんでした。

その後、少額短期保険制度※3 ができた頃より徐々に普及が進んでいきますが、急速な普及のきっかけは保険会社がペットショップと提携してペット保険の販売を始めたことと、アニコム損保が”窓口精算制度”の取扱を始めたことだと考えています。

少額短期保険制度とは

少額短期保険制度とは、保険業法上の保険業のうち、一定事業規模の範囲内において、少額かつ短期の保険の引受けのみを行う事業のこと。

コのほけん!編集部
ペット保険は昔からある保険なのですね。ちなみに、「窓口精算制度」について教えて頂けますか。

森下さん
窓口精算制度というのは、簡単にご説明しますと、私たちが病院の窓口で健康保険証を提示すると病院窓口での支払額が3割負担になるといった仕組みが、動物病院でペットが受診した場合に使えるというものになります。この窓口精算制度という仕組みはアニコム損保によって開発され、全国に1万5,000件程ある動物病院のうち、およそ7,000件で利用できるようになっています。普段私たちが使っている健康保険と同じ方法で使える仕組みが便利でユーザーに広く受け入れられたことがペット保険加入拡大を後押ししました。

コのほけん!編集部
ユーザーにとっては便利な仕組みですね。窓口精算制度はアニコム損保だけの仕組みなのでしょうか。

森下さん
現在広く普及しているのは、アニコム損保とアイペット損保の2社ですね。

窓口精算制度の対象ではない病院にて保険金を請求したい場合は、申請書を自分で別途記入して申請する必要があります。

MOFFMEとはオンライン上でペット保険を販売するサービス

コのほけん!編集部

MOFFME(以下、モフミー)とはどのようなサービスなのでしょうか。

森下さん
弊社は今後の成長性という観点からオンラインでのペット保険の比較・販売を中心としてサービスを展開しております。


コのほけん!編集部

モフミ―には保険料の比較やコラム記事など様々な機能・コンテンツがあると思いますが、どのようなところに注力されているのでしょうか。

森下さん
弊社で力をいれている部分は、保険料だけではない比較サイト作りです。というのも、世の中には多種多様なペット保険がありますし、ペットの種類や健康状態も様々です。

そのような中ではペット保険の比較は必ずしも、保険料だけではないと考えており、各々の状況に応じてピッタリな保険商品・保険会社は違うと考えています。

弊社も未熟な部分はありますが、モフミーを通じて飼い主さんとペットに最適な保険を提案できたらよいなと思っています。

コのほけん!編集部
確かに、初めは保険料に目が行きやすいですが、家族のように大事なペットですので、本当に必要な補償かという観点で選びたいですね。
ペット保険は多種多様というお話でしたが、どのくらいの種類があるんでしょうか。

森下さん
ペット保険会社は毎年1社参入するペースで増えており、2022年8月現在、ペット保険を販売する会社は国内に18社あります。

さらに、ペット保険は同じ保険料でも、保険会社によって受けられるサービスが大きく異なります。

お客さまの中にはとりあえず値段の安い保険を選んでしまった結果、後悔される方もいらっしゃいます。

コのほけん!編集部
ペットを飼っていらっしゃる方はペットを家族のように大事にされているので、人それぞれで必要な保険が異なるように、ペット(家族)に必要な保険もそれぞれ違うのかもしれませんね。

森下さん
おっしゃる通りです。

「ペットを家族のように大切にする」という部分、実はサービス名にも大きく関係をしています。

「ペット保険」は損害保険商品・少額短期保険商品の一種という保険商品の側面も持っている一方で、飼い主の方々にとっては「ペット」=「家族」ですので、人間の保険と同じような認識を持たれている方が多いです。

弊社はそうした飼い主の方々の目線に寄り添沿っていきたいと思っています。ほけんROOM (Wizleap運営の保険メディア) の中で、数ある保険カテゴリの1つとしてペット保険を販売するよりも、飼い主とペットのためのサービスとしてペット保険を捉えたいという思いから、約1年半前にモフミーという名称でのサービス提供を開始しました。

コのほけん!編集部
そうした背景もあり、ほけんROOMから独立したサービスとして始めたのですね。

MOFFMEの名前の由来はペットに寄り添う気持ちから

コのほけん!編集部

モフミ―の名前の由来はなんですか。

森下さん
ペット保険は損害保険という側面があるので、補償の対象である「ペット」という名前のついたサービスや保険商品をよく目にするかと思います。また、アニマル等も使われていますよね。

弊社は、飼い主さん、そして家族であるペットに寄り添うことを目指していましたし、「ペット」や「アニマル」といった直接的な表現ではない部分でペットらしさを表現できないか、差別化できないかと考えていました。

例えばペットに触れあった時の、「モフモフ」といった言葉などです。

「ハグ」も「ペットを連想する言葉」だと考えました。ハグミー(Hug me)という英語は「私を抱きしめて」という意味ですが、それとペットらしい語感である「モフモフ」を掛け合わせることで、「モフミ―(MOFFME)」という言葉を創りました。

語感のかわいらしさや響きからか、メンバーの評判も良かったので最終的にサービス名として採用するに至りました。個人的には結構気に入っていて、いい名前をつけられたと思っています。

コのほけん!編集部
かわいらしい名前で素敵ですね。デザインも柔らかいサイトになっていますね。

サービスの特徴はきめ細やかな相談サービス

コのほけん!編集部

そんなモフミ―の 1番の推しポイントは何でしょうか。

森下さん
一押しはペット保険の相談サービスです。ペット保険で悩んだ時には是非とも使ってほしいですね。

ペット保険の相談サービスというのは今までほとんど提供されてきませんでした。

弊社はこれまでモフミ―を通じて様々なお客さまに寄り添ってきましたので、ペット保険には詳しい自信があります。ニッチなお悩みの相談にも乗れるかと思い、本サービスを開始いたしました。ペット保険の取扱い商品数も多いため、ニーズにあったご提案ができるかと思います。

ペット保険で迷ったら、まずはモフミ―で相談していただければと思います。

コのほけん!編集部
ペットを飼ったら是非相談してみたいですね。相談サービスはどのように利用するのでしょうか。

森下さん
LINEから相談することができます。ペット保険選びは自分1人だけでは難しい部分もありますので、LINEから気軽に相談できるようにしています。

その中ではチャットボットでの提案に加えて、「人に質問したい」「チャットボットでの提案の中からおすすめを教えてほしい」というお客さまのご要望に応えるために、個別に人の温かみを感じられる対応を心掛けています。

今後の展望は?

コのほけん!編集部

最後になりますが、今後やっていきたいことや実現したい世界観について教えてください。

森下さん
実現したいことは、

 

  • 動物病院との情報連携強化によるアフターロスの防止
  • 健康増進型保険でペットの健康と保険を両立すること

です。

ペットが病気であるにも関わらず、あるいは病気に気付かずペット保険に加入してしまうケースがあります。

ペットの体調は、弊社や保険会社が直接見ることはできません。そのため、ペットの病歴、その他情報を保険会社・弊社・動物病院の間で共有できれば、加入審査が強化でき、アフターロス※3 を防ぐことに繋がると考えています。また、保険会社間の情報連携も強化できると、平等性という観点からもお客さまへのメリットが大きいのではないかと思います。

※3 アフターロスとは、保険事故が発生した後に締結される保険契約のこと

コのほけん!編集部
加入できる、できないの境界をしっかり決めていくということですね。

森下さん
一方で、ペット保険は加入条件のハードルが高いという一面もあります。病歴のあるペットや風邪をひきやすいペットには保険料を高めに設定して加入してもらうなど、加入できるペットの幅が広がるような保険があればいいなと考えています。年齢的な観点では7〜8歳以上になると病気に罹るリスクが高くなるため、保険会社が加入対象にしてないケースもあります。

ペット保険に加入できる対象を広げることができれば、ペットにとっても飼い主にとっても、より安心できるのではないかと思います。

2つ目が健康増進型保険でペットの健康と保険を両立することです。

人の保険にもあるように、ペットの世界にも健康増進型の保険があってもいいのではないかと思っています。

定期的に健康診断を受け、病気の早期発見ができた場合、治療にかかるお金は少なく、ペットも早期に回復する傾向にあります。

しかし、健康診断を受けなかった場合は、病気の発見が遅れてしまうことで症状の悪化を招き、治療費がかさみ、結果として保険会社が支払う保険金も高額になる傾向にあります。

そのため、ペットの健康診断を行えば保険料が割引される等の仕組みの保険を創り、ペット保険への加入がペットの健康に繋がるような、ペットと飼い主、保険会社の「三方よし」な世界が実現すればよいなと思っています。

コのほけん!編集部
確かに、保険会社としては支払う保険金を低減していけますし、ペットを持つご家族はペットの健康寿命を延ばし、さらに保険料も抑えられるというのはとてもいいですね。

お話をお伺いし、モフミ―の取り組みを通じて、ペット業界全体がより良くなっていくのではないかと感じました。

森下浩志 プロフィール

2018年に早稲田大学基幹理工学部に入学。同年、保険×テックの領域で保険業界をイノベーションをしていく姿勢に共感し、株式会社Wizleapに入社。

同社にてペット保険相談サービス「MOFFME(モフミー)」を立ち上げる。2019年にファイナンシャルプランナー、損害保険募集人資格を取得。

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