
民間の介護保険は、病気やケガ、加齢によって介護が必要な状態になったときに、まとまった一時金や毎月の給付金を受け取ることができる保険です。介護にかかる経済的な負担を減らす目的で加入します。
国の公的介護保険は、介護サービスの「利用料」の自己負担を1~3割に減らしてくれる制度です。一方、民間の介護保険は、サービス利用料以外の出費(おむつ代、リフォーム代、施設入居の一時金など)を補うために現金を受け取れる保険です。
公的制度を利用しても、施設への入居費用(数十万〜数百万)や、自宅のバリアフリー改修費、毎月の生活費・おむつ代など、全額自己負担となる費用が多く発生するため、その不足分を備えるために民間介護保険の必要性が高まっています。
民間の介護保険の給付基準には、主に2つの基準があります。1つは「公的介護保険制度の要介護認定(要介護2以上など)に連動して支払われるタイプ」、もう1つは「保険会社が独自に定める状態(歩行や入浴が一人でできない等)になったら支払われるタイプ」です。
国が定める介護の必要度合いを示す基準で、最も軽い「要支援1」から最も重い「要介護5」までの7段階に分かれています。民間の介護保険では、「要介護2以上」や「要介護3以上」を支払い条件としている商品が多くあります。
介護保険の給付金の受け取り方には、まとまったお金を1回で受け取る「一時金タイプ」と、毎月または毎年一定額を継続して受け取る「年金タイプ」、そしてその両方を組み合わせた「一時金+年金タイプ」があります。
介護保険選びにおいて、自宅のバリアフリー改修や有料老人ホームの入居費用など、初期費用(まとまったお金)に備えたい場合は「一時金タイプ」、毎月の施設利用料やおむつ代など、継続的な費用に備えたい場合は「年金タイプ」がおすすめです。
介護保険の年金タイプには、生きている限り一生涯もらい続けられる「終身年金」タイプと、「5年間」や「10年間」など期間が決められている「有期年金」タイプがあります。
民間の介護保険は、一般的な生命保険と同様に20歳などの若いうちから入れるものもあれば、介護のリスクが高まる40歳以降を対象とした商品(少額短期保険など)もあります。
はい。介護保険は年齢が上がるほど保険料が高くなるため、若いうちに加入すれば毎月の保険料を安く抑えることができます。また、若年性認知症など、若くして介護が必要になるリスクにも備えられます。
介護保険の保険期間は、一生涯保障が続く「終身型」を選ぶのが一般的です。介護が必要になるのは主に高齢になってから(特に80代以降)のためです。一方で、保険料を安く抑えたい場合は、1年更新や10年更新などの「定期型」もあります。
健康状態の告知が必要ですが、介護保険専用に告知項目を少なくした(3項目程度)入りやすい保険や、引受基準緩和型の商品もあるため、持病があっても加入できる可能性は十分にあります。
はい。認知症が原因で「要介護状態(要介護2以上など)」に認定された場合や、保険会社の定める認知症の基準を満たした場合は、介護保険の給付対象となります。(※認知症に特化した「認知症保険」という別の商品もあります)
可能です。民間の介護保険では、契約者(保険料を払う人)を子供、被保険者(保険の対象者)を親として契約することで、将来親の介護費用を子供が負担するリスクに備えることができます。
「終身型」の介護保険は、途中で解約した場合に解約返戻金が戻ってくる貯蓄性のある商品が多くあります。「定期型」や「少額短期保険」の場合は、基本的に掛け捨てで解約返戻金はありません。
はい。介護保険の商品によっては、所定の要介護状態に認定された場合、その後の保険料の支払いが「免除」され、保障だけが一生涯続くという特約がついています。
介護保険の一時金タイプの場合は、保険金を受け取った時点で保障が終了となりますが、年金タイプの場合、要介護状態から回復すると、その後の年金の支払いがストップする商品もあるため、加入前に条件を確認することが重要です。
介護保険の商品によっては、介護状態にならずに亡くなった場合に「死亡保険金」が支払われるものや、解約して「解約返戻金」を受け取れるものがあり、無駄にならない仕組みを選べる商品もあります。
はい。生命保険会社が販売する介護保険の保険料は、年末調整や確定申告の際「介護医療保険料控除」の対象となり、所得税や住民税の負担を軽くすることができます。(※少額短期保険は控除対象外です)
介護保険を選ぶ際は、ご自身が「どんな状態になったら支払われるか(支払い基準)」をしっかり確認することが最大のポイントです。公的制度に連動するタイプか独自基準か、要介護1から出るか要介護2・3から出るかによって、いざという時の受け取りやすさが大きく変わります。