医療保険とは?公的医療保険制度との仕組みの違いをわかりやすく解説
医療保険は、病気やケガで医療を受けた際の負担を軽くするための心強い備えです。
日本には公的医療保険制度がありますが、入院時の差額ベッド代や食事代、収入の減少など、自己負担になる費用は少なくありません。こうした負担に備える役割を果たすのが民間の医療保険です。
この記事では、公的医療保険との違い、民間医療保険の仕組み、主な特約、種類の違い、必要性、選び方まで詳しく解説します。
この記事のポイント
- 民間の医療保険は公的医療保険では補えない自己負担分をカバーすることができる。
- 民間の医療保険は「主契約」と「特約」で構成され、入院・手術への備えを中心に、三大疾病・先進医療など個々のニーズに応じて保障を拡張できる。
- 医療保険は保険期間や貯蓄性の有無(掛け捨て型・貯蓄型)などのタイプがあり、それぞれ特徴が異なる。
医療保険とは

医療保険とは、病気やケガなどにより医療機関への受診をした際に発生する医療費を、一部または全額負担してくれる仕組みの保険のことです。
医療保険について考えるときまず私たちが思い描くのは、民間の生命保険会社が販売している「入院したら〇万円」「手術をしたら〇万円」という民間医療保険ではないでしょうか。
しかし医療保険には、民間医療保険だけではなく下記のような公的医療保険があります。
- 国民健康保険
- 健康保険
- 船員保険
- 共済組合
まずは、この2つの医療保険の違いについて見てみましょう。
公的医療保険制度と民間医療保険の違い
公的医療保険制度とは、社会保険制度の一つです。
日本には国民皆保険制度(こくみんかいほけんせいど)があり、病気や事故にあって高額な医療費がかかったときでも経済的な負担を軽減するために、原則すべての国民がいずれかの公的医療保険に加入する義務があります。
ただし、”国民皆保険”とはいえ、医療費が高額になってしまったときの経済的な負担を全てカバーできるわけではありません。
対して民間医療保険とは、民間の生命保険会社が販売している医療保険です。
民間医療保険に加入義務はありませんが、公的医療保険制度ではカバーできない医療費の負担に備えることができることに加えて、加入者一人ひとりの必要な金額・必要な保障内容を選ぶことができ、自由に申込ができるのが大きな特徴です。
公的医療保険と民間の医療保険では、その目的が異なるという点が大きな違いなんですね。
関連記事:医療保険と生命保険の違いについて|おすすめはどちら?
民間医療保険の主契約と付加できる主な特約
民間医療保険の仕組みは、基本となる保障である「主契約」と、自分が心配なリスクに備えられる「特約」から成り立ちます。

医療保険の主契約(基本となる保障)は?
一般的に医療保険の主契約(基本保障)は、入院と手術に対する次の2つの給付金です。
- 入院給付金
- 手術給付金
医療保険の基本保障① 入院給付金
入院給付金とは
病気やケガで入院したときに受け取ることができる給付金のこと。種類は主に、災害入院給付金や疾病入院給付金。
入院給付金額は、入院した日数に応じて「入院日数×入院1日につきの給付金額」を受け取ることができるのが一般的です。
たとえば、入院給付金額1万円の医療保険に加入していて10日間入院した場合、受け取ることができる給付金は「10日間×1万円」で10万円ということになります。
そのほか、下記のようなさまざまな形の入院給付金があります。
- 入院日数は関係なく「一時金」として受け取れるもの
- 一時金と入院日数分の給付金を受け取れるもの
また、最近では、入院給付金の日額を最低3,000円からにしている保険会社が増えてきています。
ただし、どんな入院でも給付金の支払対象になるかというと、そうではありません。
たとえば、検査目的の入院の場合は、入院給付金の支払い対象外です。
しかし検査入院をした結果、医師が入院による治療が必要と判断した場合には、検査入院までさかのぼって入院給付金の支払対象とされるケースもあります。
医療保険の基本保障② 手術給付金
手術給付金とは
保険会社所定の手術をしたときに受け取ることができる給付金のこと。
手術給付金は、実際に手術でかかった費用によって金額が決まるわけではありません。
手術する身体の場所や手術方法によって、入院給付金額に保険商品所定の倍率をかけて給付金を受け取ることができるのが一般的です。
手術給付金の支払い対象となる手術は、保険会社や保険商品によってあらかじめ決められていますが、主に下記の3つに分類されます。
- 公的医療保険対象の手術を保障するタイプ
- 所定の88種類の手術を保障するタイプ
- 上2つの給付範囲を組み合わせたタイプ
なお、手術給付金の給付範囲は、公的医療保険制度と重なるものが多いのが特徴です。
具体的には、「公的医療保険制度により、医療診療報酬点数表に手術料の算定対象と定められている手術が対象」などとされています。
ただし、公的医療保険制度と連動していても、手術給付金の支払対象外の手術もありますので、必ず保険会社に確認をしておきましょう。
医療保険の主な特約の種類
では医療保険には、どのような特約を付加できるのでしょうか。主な特約は下記の通りです。
医療保険に付加できる主な特約
- 先進医療特約
- 三大疾病特約
- 女性疾病特約
- がん特約 など
医療保険では入院・手術のための基本保障に特約を付加することで、自分が気になるリスクに手厚く備えることができます。
しかし、付加できる特約の種類は保険会社や保険商品によって異なるので、あらかじめ注意しましょう。

先進医療特約
先進医療特約とは、治療費が数百万円にもなる場合がある高度な医療技術のうち、厚生労働省が定めた特別な医療行為(先進医療)に対して備える特約です。

三大疾病特約
三大疾病特約とは、国内で患者数が多い「がん・急性心筋梗塞・脳卒中」の三大疾病に備える特約です。
三大疾病特約には三大疾病のいずれかと診断されたのち、下記のような
- 保険会社所定の要件を満たしている場合に、一時金が支払われる「一時金特約」
- 入院給付金の給付期間が無期限となる「入院日数無制限特約」
- それ以降の保険料の払込が免除される「保険料払込免除特約」
関連記事:医療保険の特約とは?知っておきたい9つの特約を詳しく解説!
女性疾病特約
一般的な医療保険には、女性特有の病気への保障を手厚くできる女性疾病特約を付加できることもあります。
女性疾病特約は、女性特有の病気で入院・手術をした場合に、上乗せした入院給付金や手術給付金を受け取れるものです。
がん特約
がん特約とは、がんと診断された場合に一時金(診断給付金)を受け取ることができたり、がんで入院したときに給付金(がん入院給付金)が受け取れたりする特約です。
保障範囲ががんだけに特化されているがん保険と比較すると、保険料を抑えてがんの治療費や生活費に備えることができるメリットがあります。

関連記事:がんの治療費と自己負担額は平均でいくら?手術や抗がん剤治療などの治療別に解説
民間医療保険の種類とは?
民間医療保険の種類は、大きく次の3つに分けることができます。
- 保険期間別:定期型と終身型
- 貯蓄性別:掛け捨て型と貯蓄型
- 保障別
医療保険の保険期間別:定期型と終身型
定期型医療保険
定期型医療保険には、保障期間(保険期間)が5年や10年と決まっている「年満了」タイプと、60歳や65歳までと決まっている「歳満了」タイプがあります。
保障期間が短いほど保険料は安くなる傾向にあるため、定期型医療保険は必要な期間だけ医療保障を手厚くしたい方におすすめです。
また「年満了」タイプの医療保険の場合、保障期間が終了すると保険会社所定の年齢まで契約を自動更新できます。
しかし、更新時にはその時の年齢などで保険料が再計算され、保険料が上がってしまうため注意が必要です。
終身型医療保険
終身型医療保険は、保障期間(保険期間)が一生涯続く医療保険です。
保険料の支払い方法は「終身払タイプ」と「短期払(有期払)タイプ」の2種類があります。

「終身払タイプ」は毎月の保険料を安く抑えることができますが、長生きすればするほど総支払保険料が高くなるのが特徴です。
一方で「短期払タイプ」は、毎月支払う保険料は終身払タイプよりも高くなります。
ただし、60歳や65歳、10年や15年など期間を決めて保険料を払い終えてしまうため、老後に保険料支払の不安を残さないという特徴があります。
よって、終身型は医療費に対する不安を一生涯カバーしたい方におすすめです。
医療保険は定期型と終身型のどちらが安い?
同じ医療保険を比較した場合、加入時の保険料は保険料が変わらない終身型より、更新のたびに変動する定期型の方が安くなります。
しかし、定期型医療保険の更新を繰り返すと、総支払保険料は終身型医療保険より高くなる可能性があります。
医療保険の加入の際には「総額でいくら保険料を支払うのか」を確認しておくといいでしょう。
関連記事:終身医療保険とはどんな保険?定期型との違いをわかりやすく比較
医療保険の貯蓄性別:掛け捨て型と貯蓄型
医療保険を貯蓄性別で見ると、掛け捨て型と貯蓄型に分けることができます。
掛け捨て型は、貯蓄型に比べて保険料を安く抑えることができる分、保障期間満了時や解約時に解約返戻金が戻ってこないのが主流です。
一方で、貯蓄型はお祝い金や保障期間満了時の満期金・解約時の解約返戻金が受け取れることもあるタイプです。
よって、貯蓄型医療保険に加入している人は、解約返戻金を原資にして新たな医療保険に安く加入できる可能性もあります。
ただし貯蓄型の医療保険は、掛け捨て型と比較して保険料が高くなる傾向にあるため「なるべく安く医療保険に加入したい」という方には、掛け捨て型の医療保険をおすすめします。
関連記事:貯蓄型・掛け捨て型の医療保険はどっちが人気でおすすめ?その違いとは
医療保険の保障別:ニーズに合った医療保険
民間医療保険は、加入する人のニーズ(希望)に沿って選ぶこともできます。ここでは下記について見ていきましょう。
- 女性向け医療保険
- 子ども向け医療保険
- 引受基準緩和型医療保険・無選択型医療保険
- がん保険・三大疾病保険(特定疾病保険)
女性向け医療保険
女性向け医療保険とは、乳がんや子宮がん・子宮筋腫や帝王切開など、女性特有の病気に対する備えに特化した医療保険のことです。
主に、女性特有の病気で入院・手術をしたときの入院給付金や手術給付金が保障の内容となります。
女性に人気のある保険商品のひとつですが、公的医療保険との兼ね合いや通常の医療保険でもカバーできる範囲の保障も多いことから、通常の医療保険にプラスアルファで加入を検討する人が多いようです。
関連記事:女性保険のメリットとは?年代別の必要性やおすすめな選び方を紹介
子ども向け医療保険
子ども向け医療保険といっても、通常大人が加入する医療保険の保障内容とほとんど差はありませんが、中には下記のような保障とセットになっている保険商品もあります。
- 将来の教育費の積み立て保障
- 他人のものを壊してしまった場合やケガをさせてしまったときの補償(賠償責任補償)
子どもの医療費については「医療費助成制度などの公的な保障があるから、医療保険はいらない」と考えている方もいるかもしれません。
しかしもしも子供が病気や怪我で入院をする場合、親が付き添いのために仕事を休まなければいけないこともあります。その場合、医療保険は”休業補償”としても活用できます。
関連記事:子どもの医療保険はいつから入るべき?加入率・メリットから見る必要性について
引受基準緩和型医療保険・無選択型医療保険
通常、民間医療保険に加入するためには、加入時に健康告知や診査が必要になります。
健康状態によっては保険会社から加入を断られる場合もあります。その際におすすめなのが引受基準緩和型医療保険や無選択型医療保険です。
引受基準緩和型医療保険とは
加入時の告知を簡単にし、告知項目を限定することで、持病や健康に不安がある人でも加入しやすい医療保険。
ただし引受基準緩和型医療保険は、通常の医療保険と比較して保険料が割高なのが特徴のひとつです。
また、加入から1年は保障内容が半分になる「免責期間」があるなど、注意すべきポイントもあります。
無選択型医療保険とは
原則として告知や診査が不要で、保険料が割高なかわりに誰でも加入することができる医療保険。
ただし保険会社によっては、加入できる年齢の範囲が決まっているものもありますので注意をしましょう。
引受基準緩和型医療保険・無選択型医療保険ともに「加入しやすい」という点ではメリットがありますが、しっかりと告知をすれば通常の医療保険にも加入できる場合もあります。
まずは、通常の医療保険に加入できるかどうか確認してみましょう。
関連記事:保険に入れない病気一覧とは?持病で保険に入れない場合の対処法
がん保険・三大疾病保険(特定疾病保険)
がん保険や三大疾病保険(特定疾病保険)は、がんや「がん・急性心筋梗塞・脳卒中」の三大疾病にかかった場合の保障が、主契約として用意されているニーズ特化型の医療保険です。
これら特定の疾病に対して、入院給付金・通院給付金・一時金などの給付金が支払われます。
なお、がんや三大疾病には、医療保険の主契約に「がん特約」や「三大疾病特約」などを付加することで備えることも可能です。
しかし、年々罹患数が増加する三大疾病にはより手厚い保障で備えたいというニーズが高まり、がん保険や三大疾病保険(特定疾病保険)が誕生しました。
関連記事:医療保険の保障対象になる三大疾病って何?普通の三大疾病とは違う?注意したいことを解説!
医療保険が必要な理由とは?
冒頭で「民間医療保険には公的医療保険とは違った目的がある」とお伝えしましたが、そもそも民間医療保険は本当に必要なのでしょうか?
「医療保険はいらない?」と迷っている人に、ここでは下記についてわかりやすく紹介していきます。
- 公的医療保険制度の概要とその他の公的制度
- 入院時に自己負担が必要な費用
- 民間医療保険の加入率
公的医療保険制度の概要とその他の公的制度
公的医療保険制度において私たちが負担する医療費は、現役で働く世代であれば勤め先の健康保険に加入しているため、自己負担額は実際にかかる医療費の3割で済みます。

万が一、病気やケガで医療費や生活費の負担が重くなってしまうことがあっても、公的医療保険制度によって一定の範囲は保障されます。
しかし、入院時の食費・差額ベッド代などは公的医療保険制度の対象外となります。カバーするには、貯蓄や民間の医療保険で備える必要があります。
高額療養費制度
3割負担の方で、仮に医療費が100万円などと高額になった場合でも、一般的な収入(年収約370万~770万円)であれば高額療養費制度を利用することが可能です。
すると医療費の自己負担額は、9万円ほどになります。

関連記事:高額療養費制度は医療費がいくら以上から使える?自己負担額が引き上げられる可能性は?さらに医療費の負担を軽くする制度も紹介!
傷病手当金制度
会社員の方であれば、業務以外での病気やケガで会社を一定期間休むことになった場合、傷病手当金制度を利用することが可能です。
要件を満たせば、1年6ヵ月にわたり収入の2/3(直近の12カ月の標準報酬月額の平均)が健康保険より支給されます。
関連記事:傷病手当金とは?退職したらもらえない!?退職後の支給条件や計算・申請方法を解説
出産手当金
そのほか、会社員などの健康保険加入者である女性が出産のために会社を休み、給与の支払が受けられなかった場合には、健康保険から出産手当金が支給されます。
出産日の42日前(多胎妊娠の場合98日前)から出産の翌日以降56日目までの範囲内で、標準報酬日額の3分の2の金額に欠勤日数を乗じた金額が支給額です。
育児休業給付金
これとは別に、雇用保険の加入者である父親・母親が育児休業を取得し、給与の支払が受けられなかった場合には、国から育児休業給付金を受け取れます。
この給付金は非課税で、受給中の社会保険料も免除されます。
育児休業給付金を受け取れる期間は、産後休業期間(産後8週間以内)の終了後、その翌日から子どもが1歳となる前日までとなります。
しかし、一定の要件を満たせば、最大子どもが2歳になるまで延長することが可能です。
育児休業給付金の額は、育児休業開始から180日までは、休業開始時賃金日額に支給日数を乗じた額の67%相当額となります。
育児休業開始から181日以降は、休業開始時賃金日額に支給日数を乗じた額の50%相当額となります。
ただし、育児休業給付金は原則、育児休業終了後に職場復帰することを前提とした制度です。育児休業取得時点で退職予定である場合は、支給対象とはならないので注意が必要です。
関連記事:産休や育休時の給料はどうなる?給付金・手当金の計算方法や申請方法をわかりやすく解説
公的介護保険制度
さらに、介護や看護が必要になった人向けの国の制度として、公的介護保険制度があります。
40歳以上の人を被保険者として、介護保険料を納めます。
介護が必要との認定を受ければ、介護を受ける人の状態に応じて、自宅や施設で訪問介護や訪問看護・通所や入所の各種介護サービスを受けることができます。
ただし、費用の一部(原則1割)は負担する必要があります。
入院時に自己負担が必要な費用
では、実際に病気やケガで入院した場合、いくらくらいお金がかかるのでしょうか?
入院中はマイナス分(支出)として、入院にかかる費用・入院中に働けないことによる給与の減少分などが挙げられます。
対してプラス分(収入)は、高額療養費制度で戻ってくるお金・休業補償給付や傷病手当金として受け取れるお金(会社員の場合)です。

たとえば以下のような方が1ヶ月間入院して、医療費が100万円だった場合の自己負担額を見ていきましょう。
年齢 | 35歳 |
|---|---|
職業 | 会社員 |
年収 | 約370万~770万円 |
医療費は自己負担の上限額が決まっている
まず、窓口で支払う医療費は、3割の30万円となります(3割負担)。
さらに、高額療養費制度によって、ひと月の医療費の上限額を超えた分が戻ってきます。
69歳以下で、年収約370万~770万円の方のひと月の医療費の自己負担上限額は、下記計算により約9万円となります。
8万100円+(100万円 - 26万7,000円)× 1%= 8万7,430円
よって、窓口で30万円を支払ったとしても、後に差額の21万2,570円が戻ってきます。
そのためこの方の場合、最終的な医療費の自己負担額は8万7,430円ですが、入院中には医療費以外にも下記のような費用が掛かります。
- 差額ベッド代
- 食事代
- 先進医療費
- 生活費
- お見舞いにかかる費用 など
またこれらの費用は公的医療保険制度でカバーされませんので、全額自己負担となります。
関連記事:差額ベッド代をわかりやすく解説!医療費控除や高額療養費は適用される?
民間医療保険の加入率は?
現在、民間の医療保険に加入している人はどれくらいいるのでしょうか?
生命保険文化センターの調査によると、民間の生命保険会社や郵便局・共済等が取り扱う生命保険のうち、72.1%が疾病入院給付金が支払われる生命保険に加入しています。
対象を民間の生命保険および個人年金保険加入者に限定すると、その加入率は86.5%と多くの人が加入していることがわかります。

また生命保険協会の調査によれば、個人保険の種類別新契約件数(平成30年度)において、医療保険の新契約件数は最も多い345万件と、全体の約22.1%を占めています。
個人保険の種類別保有契約件数(平成30年度)でも、医療保険は3,850万件と、全体の約21.2%を占めています。
これらのデータから、医療保険は他の保険よりも人気が高いことがわかりますね。
また、生命保険文化センターによれば、平成25年以降に民間生命保険に加入した人の目的は「医療費や入院費のため」と回答した人が1番多く、57.1%にのぼります。
なお、生命保険の本来の目的である「万一のときの家族の生活保障のため」が2位で49.5%です。
このようにニーズが高い医療保険ですが、国内には40社以上の保険会社があります。
その中から自分にぴったりの医療保険を選ぶにはどうすればいいのか、おすすめの選び方について紹介したいと思います。
医療保険のおすすめの選び方
医療保険を選ぶとき、覚えておきたいチェックポイントは次の5つです。
- 入院日額を決める
- 1入院の限度日数を決める
- 手術給付金のタイプを決める
- 保障期間と保険料の払込期間を決める
まず、ご自身の公的医療保険でどこまで病気やケガの際のカバーができるかを考え、不足する部分を入院給付金日額で設定します。
そして、1回の入院で受け取ることができる入院日額を設定します。
30日型・60日型・120日型・360日型などがありますが、長期入院をカバーしたい希望がある人は入院日数が多いタイプを選ぶといいでしょう。

手術給付金については、下記のタイプがあります。
- 手術の種類に関係なく、入院給付金の一定倍率受け取ることができるタイプ
- 手術の種類に応じて、入院給付金の10倍・20倍・40倍と受け取る金額が変わるタイプ
最後に、保険期間を定期型にするか終身型にするか決めます。保険料の払込期間や払込方法についてよく検討するとよいでしょう。
医療保険と就業不能保険の併用もおすすめ
就業不能保険は、病気やケガで働けなくなり、収入が減少するときに備える保険です。
保険約款に予め定めた原因(入院など)により就業不能の状態となった場合に、給料の代わりに毎月給付金が受け取ることができます。

医療保険と就業不能保険のどちらにも加入すると、公的医療保険制度の保障対象外である短期的な出費は医療保険でカバーできます。
また、病気やケガなどにより長期的に働けなくなった場合の逸失収入のリスクは、就業不能保険でカバーできます。
また、下記の方には特に医療保険と就業不能保険の組み合わせをおすすめします。
- 受け取れる手当てが少ない自営業者の方
- 生活費が心配な方
- 収入が大きく減少する可能性がある方
まとめ
医療保険は、公的医療保険ではカバーしきれない入院時の自己負担や、働けなくなった場合の収入減に備える大切な保険です。
民間の医療保険は、入院・手術を中心とした基本保障に加えて、先進医療や三大疾病などの特約を自由に組み合わせることができます。
また、定期型・終身型、掛け捨て型・貯蓄型といった保険のタイプによって保険料や保障の特徴が大きく異なるため、自分のライフプランに合わせて選ぶことが重要です。
不安がある場合は、ファイナンシャルプランナーなど、保険の専門家への相談も有効です。医療費の不安を減らし、安心して暮らせる備えを整えましょう。
さらに、社会保障制度について知りたい場合は、【しっかり保険、ちゃんと節約。】社会保障制度とは?4つの柱と5つの機能(年金/医療/雇用/労災/介護)をわかりやすく解説も参考になります。



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