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生命保険(死亡保険)

生命保険は終身(貯蓄型)・定期(掛け捨て)どちらがおすすめ?違いを比較

生命保険(死亡保険)は、保障期間によって「定期保険」と「終身保険」に区分されます。

この記事では、この2種類の保険の

  • 特徴
  • メリット・デメリット
  • おすすめな人

をそれぞれ紹介していきますので、違いをよく理解し、自分にはどちらの保険の方が向いているのか確かめてみましょう。

そもそも生命保険とは?

生命保険とは被保険者が死亡したとき、残された家族が死亡保険金を受け取れる保険です。

また、被保険者が保険会社所定の高度障害になった場合も、保険金を受け取ることができます。

たとえば預貯金であれば、積み立てはじめてすぐに死亡しても積み立てた分しか戻ってきませんよね。

ココがポイント

しかし生命保険なら、契約後すぐに死亡した場合でも多額な保険金を遺族が受け取ることができるのがメリットです。

受け取った保険金は、

  • 葬儀費用
  • お墓の購入費用
  • 残された家族の生活費
  • 子どもの教育費 など

に充てることができます。

生命保険は死亡保険と生存保険に分けられる

生命保険には、死亡保険と生存保険があります。

「生存保険」とは被保険者が保険の満期まで生存していた場合に、契約時に定められた保険金を満期金として受け取ることができる保険のことです。死亡保険と生存保険がセットになった「生死混合保険」という種類もあります。

生命保険の種類

  • 死亡保険
    定期保険、終身保険、定期保険特約付終身保険 など
  • 生存保険
    個人年金保険(確定年金、終身年金など)
  • 生死混合保険
    養老保険

今回見ていく定期保険終身保険は、死亡保険に分類されます。では死亡保険には、他にどんな保険があるのでしょうか?

定期保険と終身保険の違いを先に読む

関連ページ:生命保険は4種類に分類できる!特徴を図・一覧でわかりやすく解説

死亡保険(生命保険)の種類は?

死亡保険には多くの種類があり、その商品ごとに保障内容が異なります。

中でも「死亡保険の定番」と言われているのが、今回紹介する定期保険終身保険です。

死亡保険の種類

1. 定期保険

保障期間(保険期間)を決めて、その一定期間に死亡したら死亡保険金を受け取れる保険。

2.収入保障保険

保障期間(保険期間)を決めて、その間に死亡したら毎月の給料のように遺族が保険金を受け取れる保険。

死亡のタイミングが保障期間の後半になればなるほど受取総額は少なくなるので、保険金が一定の定期保険よりも保険料が抑えられる。定期保険のひとつ。

3. 終身保険

保障期間(保険期間)を一生涯に設定し、死亡したら死亡保険金を受け取れる保険。

4. 養老保険

保障期間(保険期間)を決めて、その間に死亡したら死亡保険金を受け取り、何事もなければ保障期間満了時に死亡保険金と同額の満期保険金を受け取れる保険。預貯金代わりに用いられることが多い。

このように、同じ死亡保険でも特徴が異なることから、いつ何を選ぶかしっかりと比較検討することが大切です。

定期保険と終身保険の違いを比較

では、定期保険と終身保険の違いについて、詳しく見てみましょう。

定期保険

終身保険

保障期間

一定期間

一生涯

解約返戻金

なし
またはあってもごくわずか

ある
払込期間満了後には払込保険料総額を上回ることも

保険料

割安

割高

加入目的

必要な死亡保障を必要な期間だけ、保険料を抑えて確保する

一生涯にわたり死亡保障を確保し、かつ貯蓄性も備える

上記4つのポイントは、どちらの保険に自分は入るべきか見極める際のポイントにもなります。

死亡保障を定期保険で準備するか、それとも終身保険で準備するか、あなたの加入目的に合ったものを選びましょう。

関連ページ:終身医療保険とはどんな保険?定期型との違いをわかりやすく比較

 

定期保険のメリット・デメリット

次に、定期保険と終身保険それぞれのメリット・デメリットについて解説していきます。

終身保険のメリットを先に読む

定期保険のメリット

定期保険のメリットは、次の3つです。

  • 保障が必要な期間だけ、保険を掛けることができる
  • 解約返戻金がないので無駄な保険料を抑えることができる
  • 10年満了など年満了のものなら、保険期間満了後に健康状態関係なく自動更新ができる

定期保険の最大のメリットは、その合理的な保険料にあります。

ココがポイント

定期保険は一部のものをのぞき、解約をしても解約返戻金がまったくないかあってもごくわずかな、掛け捨て型が一般的です。そのため保険料を抑えることができます。

安い保険料で十分な保障を得られる定期保険

定期保険のメリットを確認するためにも、同じ保険料で得られる保険金の差を、定期保険と終身保険で比較してみましょう。

生命保険文化センターが公表しているデータを参考に見てみると、たとえば30歳男性が月に1万円の保険料で、とある保険会社の定期保険か終身保険に加入する場合、保険金は以下のとおりになります。

定期保険

終身保険

被保険者の条件

30歳男性

月々の保険料

10,000円

得られる保障

3,225万円

361万円

※参考:生命保険文化センター「ほけんのキホン

月々に支払う保険料は同じでも、定期保険だと終身保険の約9倍もの保障を得ることができるんですね。そのため保険料を抑えて多くの保障を得るには、終身保険よりも定期保険がおすすめと言えます。

保障期間が年満了なら定期保険でも更新できる

また、定期保険には保障期間(保険期間)が、10年や20年などの年数で定められている「年満了」と、60歳や65歳などの年齢で定められている「歳満了」があります。

年満了で契約した定期保険は、保険期間が満了しても更新しない旨を保険会社に告げない限り、契約を自動更新することができます

ココがポイント

自動更新のメリットは、健康告知や診査が不要なため、保険期間中に病気やケガをしていたとしても保障を継続できる点です。

歳満了は更新することができないので、保障期間が終了すれば保険契約も終了に。今後も保障を得たいと考えたら、新規契約が必要です。

定期保険のデメリット

一方、定期保険のデメリットは次の4つです。

  • 解約するとお金が戻ってこない(解約返戻金がない)
  • 貯蓄型ではないので保険料はすべて掛け捨て
  • 保障期間が一定期間のみ
  • 自動更新をすると保険料が高くなる

まず、解約返戻金がないことについてですが、一部の定期保険をのぞき、いつ解約しても解約返戻金がまったくないかあってもごくわずかです。

加えて、無事に満期を迎えた際の保険金もないので、支払った保険料はすべて掛け捨てとなり、戻ってくることはありません。

また、年満了の定期保険を更新する場合、基本的に保険金額は同額で更新されますが、減額して更新するケースもあります。

保障期間(保険期間)は原則同じ期間。しかし保険料は更新時の年齢で再計算され、一般的には契約時よりも高くなります

更新後

保険金

更新前と同額が一般的、中には減額するケースもあり

保障期間

原則同じ期間

保険料

更新時の年齢で再計算される

通常、保険期間満了が近づくと保険会社から自動更新の案内が郵送され、その際に保険会社に更新しない旨を伝えなければ自動更新されてしまいます。

更新は年齢に上限があり、その年齢を過ぎてしまうと保険の更新はできません。定期保険には上記のようなデメリットもあることを、覚えておきましょう。

終身保険のメリット・デメリット

終身保険のメリット

終身保険のメリットは、以下の4点です。

  • 一生涯の死亡保障を確保できる
  • 貯蓄性があるので将来のためにお金を貯めることができる
  • 解約時には経過期間に応じて解約返戻金が戻ってくる
  • 相続税対策になる

終身保険はその名の通り、生涯にわたり死亡保障を確保することができる保険です。加入すれば60歳でも100歳でも、死亡した際に保険金を受け取ることができます。

ココがポイント

また、終身保険は貯蓄性を備えているので、保障を確保しながら将来のためにお金を貯めることができます。

一般的に支払った保険料総額より解約返戻金の方が多くなるため「長く契約を継続できれば、それだけ多くのお金を貯めることができる」というメリットがあります。

もし解約をしても、早期解約でなければ一定の解約返戻金を受け取れます。

万が一、保障期間中にお金が必要になったときは、終身保険を解約をすればまとまったお金を受け取ることが可能です。

保険料の払込方法は2種類ある

終身保険の保険料払込方法には、

  1. 一生涯にわたって保険料を支払う「終身払」
  2. 決まった期間内に一生分の保険料を支払ってしまう「有期払」

があります。

「終身払」は、保険料を一生支払い続ける必要がある代わりに、有期払と比較して1回当たりの保険料が安くなるのが特徴です。

ただし、長生きすればするほど払い込む保険料の総額が多くなるので、総額は有期払よりも高くなることがあります(保険商品や契約内容による)。

「有期払」は保険料を一定期間で払い終えるので、保険料払込期間が終われば保険料の負担がなくなりますが、1回当たりの保険料が終身払と比較して高くなるのが特徴です。

有期払の場合、長生きすればするほど払込保険料の総額が終身払と比較して安くなります(保険商品や契約内容による)。

なおどちらの払込方法でも、保険料は契約時からずっと変わりません。

保険会社によっては、契約から最初の10年や15年の保険料を安く抑えて、その後の保険料を高く設定する「ステップ払込方式」などもあります。

終身保険を相続税対策として活用する方法

保障期間(保険期間)が一生涯である終身保険は、相続税対策にもおすすめです。

「遺産相続時に課税される相続税を少しでも少なくして、子どもや孫たちに相続させたい!」というときは、終身保険を活用しましょう。

ココがポイント

生命保険の保険金は「500万円×法定相続人の数」を上限に相続税が非課税になりますので、その範囲内で保険金額を設定すれば、全額非課税で残された家族に保険金を届けることができます。

相続税対策として終身保険を考えるなら、自分に万が一のことが起こったとき、残された家族への相続税の負担を減らすために「生命保険の相続税非課税枠はどのくらいあるか」を確認して、保険金額を設定すると良いでしょう。

終身保険のデメリット

一方、終身保険のデメリットは次の3つです。

  • 定期保険に比べて保険料が高い
  • 早期解約をすると解約返戻金がまったくないか、あってもごくわずか
  • 貯蓄効果をあげるには長い時間がかかる

終身保険は掛け捨て型の定期保険と違い、貯蓄型であることから保険料は定期保険より割高に設定されています。

そのため「保険を掛けるなら損をしない貯蓄型がいい」と思っても、必要な死亡保障額すべてを終身保険で準備しようとすれば、保険料は高額なものになり、毎月の支払が苦しくなります。

ココに注意

いくら貯蓄型の保険であっても、契約から短期間での解約となれば解約返戻金はまったくないか、あってもごくわずかです。

終身保険でお金を貯めるのであれば、長期間にわたり保険を続けることが求められます。

早期解約をすることのないように、余裕をもって支払いを続けられる保険料で契約しましょう。

関連ページ:20~50代の生命保険料の相場・死亡保険金の平均は?毎月いくら払ってる?

終身・定期はどっちがおすすめ?生命保険の選び方

必要保障額はライフステージごとに変わる

ライフステージが変化すると、必要保障額も変わります。

独身時代は最低限の自分の葬儀費用や、お墓の購入費用がカバーできるだけの保険金額で十分ですが、結婚をして自分以外の家族が増えると必要保障額も増加傾向に。

子どもが生まれると生活費や教育費の負担が増すので、必要保障額はさらに増えることになります。ちなみに住宅購入の際に団体信用生命に加入すると、住宅費に関わる必要保障額を減らすことができるようになりますよ。

しかし、子どもが成長して教育費の負担が減ってくると、必要保障額も減っていきます。

そして子どもが自立すると、自分の葬儀費用とお墓の購入費用をカバーできるだけの必要保障額があれば、足りるようになります。

ココがポイント

このように、必要保障額はライフステージの変化とともに増減を繰り返し、最終的には必要最低限の額に戻っていきます。

保険を検討する際には、あらかじめ自分が今どのステージにいるのか確認しておくと良いでしょう。

関連ページ:団体保険とは?種類や加入のメリットを紹介!

終身保険がおすすめな人

終身保険は、自営業者や専業主婦など老後資金に不安がある人におすすめです。

こんな方におすすめ

  • 葬儀費用やお墓の購入費用が必要な人
  • 自分に万が一のことがあったら生活に困る家族などがいる人
  • 子どもの教育費を準備したい人
  • 老後の生活費や介護にかかるお金を準備したい人
  • 相続税対策をしたい人

保険料を抑えたいなら「低解約返戻金型終身保険」がおすすめ

終身保険の中には「低解約返戻金型終身保険」という商品もあります。

低解約返戻金型終身保険とは

保険料払込期間中の解約返戻金を、低く設定する終身保険。その分、一般的な終身保険よりも保険料が安い。

低解約返戻金型終身保険は保険料の支払い満了前に解約してしまうと、通常の終身保険よりも解約返戻金が少なくなります。

貯蓄や学資保険の代わりに利用することも可能ですが、保険料払込期間中に解約をしてしまうと支払った保険料を解約返戻金が下回ってしまうので、注意が必要です。

関連ページ:終身保険の選び方・見直し方

定期保険がおすすめな人

定期保険がおすすめな人は、一定期間だけ保障が必要な人です。

こんな方におすすめ

  • 短期間だけ保障を上乗せしたいと考えている人
  • 子どもが独立するまでの期間だけ保障を上乗せしたい人
  • 脱サラしてフリーランスや自営業となって収入が安定しない人
  • 小さな子どもがいる主婦
  • 子どもが小さく、若くて収入が安定していない一家の大黒柱

外に仕事に出ていない専業主婦であっても、万が一のことがあれば育児などにかかる時間や手間・費用に合った保障が必要です。「子どもが成長するまでの期間だけ保険を掛ける」など、定期保険の特徴を生かしましょう。

なお定期保険には、逓減定期保険や1年定期保険など特徴を持った商品もあります。

関連ページ:生命保険は終身(貯蓄型)・定期(掛け捨て)どちらがおすすめ?違いを比較

必要保障額の減少に対応したいなら「逓減定期保険」がおすすめ

ライフステージと共に変わっていく必要保障額に対応できるのが「逓減(ていげん)定期保険」です。

逓減定期保険とは

契約から保障期間の経過とともに、死亡保険金額が逓減(減少)していく保険。

たとえば子どもが生まれてすぐの場合、将来の教育費として幼稚園から大学までの費用を準備する必要がありますが、子どもの成長とともに今後必要になる費用は少なくなりますよね。

必要保障額は少ないのに保険の保障額が大きいと、無駄な保険料の出費に繋がります。なので今後、必要保障額が減少していきそうな方は、保障額が次第に減少していく逓減定期保険がおすすめです。

特定の期間だけ保障を得たいなら「1年定期保険」がおすすめ

定期保険の中には、保障期間(保険期間)が1年しかない「1年定期保険」という商品もあります。

一般的には1年間の保障期間が終了するごとに保障が自動更新され、保険料も自動計算されて高くなります。

保障期間が通常の定期保険よりも短いので、同じ保険金額であれば1年定期保険のほうが保険料は割安に。また、保障期間が短いゆえに保険の見直しをしやすいのがメリットです。

関連ページ:生命保険は終身(貯蓄型)・定期(掛け捨て)どちらがおすすめ?違いを比較

まとめ

今回は、死亡保険の一種である掛け捨て型の「定期保険」と、貯蓄型の「終身保険」について、それぞれのメリット・デメリットを見てきました。

定期保険

メリット

保険料を抑えて必要な期間だけ死亡保障を確保できる。

デメリット

掛け捨てなので、解約をすると解約返戻金が0円か、あってもごくわずか。自動更新で保険料はアップする。

終身保険

メリット

一生涯の死亡保障を確保できる。貯蓄型なので長期にわたってお金を貯めることができる。解約すると解約返戻金を受け取れる。

デメリット

保険料が定期保険に比べて高い。早期解約では解約返戻金がまったくないか、あってもごくわずか。貯蓄効果をあげるには時間がかかる。

このように、死亡保険に加入する際にはメリット・デメリットをしっかりと比較検討して商品を選ぶことが大切です。

もし自分だけでは商品を選べないときは、保険の専門家であるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談してみましょう。

特に保険会社に属していない独立系FPであれば、無理な保険の勧誘もないので安心して相談することができます。何回相談してもわかるまで丁寧に説明してもらえて相談料金も無料のところも多くありますので、一度気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

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