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生命保険(死亡保険)

フリーランス(個人事業主)の生命保険の必要性と選び方|保険料はいくらが適切?

フリーランス(個人事業主)の生命保険の必要性と選び方|保険料はいくらが適切?

保険が必要だとわかっていても具体的に用意するべき保障が分からない方や、保障が不足する場合に起こりうるリスクがわからないなど、保険選びで迷っているという方も多いのではないでしょうか。

とりわけ、フリーランス・個人事業主・自営業の方は、企業勤務の会社員以上に保険での備えが重要といわれています。

その理由は、もしもの事態が起こった際、公的保障でカバーできない範囲が大きく、あらゆる保障を自分で準備しなければいけないためです。

今回はフリーランス・個人事業主に向けて、公的保障の内容と保険の必要性をふまえ、おすすめの保険をご紹介します。

そもそもフリーランス・個人事業主・自営業とは?

フリーランスとは、組織に所属しないで個人で仕事を請け負う働き方の総称です。

個人事業主(個人事業者)とは?

個人事業主(個人事業者)とは、合同会社・株式会社などの法人を設立しないで、個人で事業を営む人のことです。

開業届「個人事業の開業・廃業等届出書」を税務署に申告している、法人成りをせず事業を営む個人のことを主に指します。

自営業とは?

自営業とは、個人事業主(個人事業者)と法人事業主(法人事業者)の両方を指します。

フリーランスとは?

フリーランスには、幅広い意味があります。

会社員との違いは?

会社員とは、法人などの組織に雇われて働く人のことで、「労働者」「被用者」「被雇用者」などと表現されることがあります。

会社員とフリーランス・個人事業主、自営業との違いは、社会保険制度などが大きく異なります。

万が一の際の公的年金制度

冒頭でご紹介した通り、会社員以上に保険での自助努力が重要になるのがフリーランス・個人事業主です。

公的保障が異なることがその理由ですが、どんな違いがあるのか、今回は公的年金制度と、働けなくなった場合の公的保障に絞ってみていきましょう。

国民年金と厚生年金の違い

  • 国民年金・・・第1号被保険者(フリーランス・個人事業主・農作業を行う人・フリーター・学生など)・第3号被保険者(第2号被保険者の被扶養配偶者)
  • 厚生年金・・・第2号被保険者(会社員・公務員など)

フリーランス・個人事業主は第1号被保険者にあたり、加入しているのは国民年金です。

公的年金制度は、国民全員が加入を義務付けられています。

職業により、加入しなくてはいけない年金の種類がわかれています。

被保険者が65歳以上になると受け取れる「老齢基礎年金」のほか、死亡時や障害が残った場合に支給される「遺族年金」「傷害年金」が設けられています。

公的年金のしくみ

被保険者が死亡時の遺族への保障

遺族基礎年金(令和5年4月分から)

国民年金・厚生年金が該当し、被保険者が会社員、フリーランス・個人事業主のどちらの遺族でも受け取ることができます。

■ 受給対象者

18歳未満の子をもつ妻または夫・両親のいない18歳未満の子
※子どものいない妻は受け取れない。
※老齢基礎年金の受給者・受給資格を持つ人が亡くなった場合も適用される。

■ 子のある配偶者の支給額

  • 昭和31年4月2日以後生まれ:年額795,000円 + 子の加算額
  • 昭和31年4月1日以前生まれ:792,600円 + 子の加算額

■ 子の支給額

次の金額を子の数で割った額=1人あたりの額
・795,000円+2人目以降の子の加算額
※1人目および2人目の子の加算額:各228,700円、3人目以降の子の加算額:各76,200円

遺族厚生年金

厚生年金が該当し、被保険者が会社員の遺族が受け取れることができます。

ただし、フリーランス・個人事業主は受け取れません。

  • 受給対象者:会社員などの厚生年金加入者の遺族(1.妻・夫・子ども、2.父母、3.孫、4.祖父母)※子どものいない妻も受け取れる。
    ※妻も子がいない30歳未満だと5年間のみ受給。
    ※老齢基礎年金の受給者・受給資格を持つ人が亡くなった場合も適用される。
  • 支給額:下記の計算式にもとづいて算出
    (1)報酬比例部分の年金額(本来水準){ [ 平均標準報酬月額 ※1 × 7.125 / 1,000×平成15年3月までの加入月数 ] + [ 平均標準報酬額 ※2 × 5.481 / 1,000 × 平成15年4月以降の加入月数 ] }  × 3 / 4

    (2)報酬比例部分の年金額(従前額保障 ※3 )
    { [ 平均標準報酬月額 × 7.5 / 1,000 × 平成15年3月までの被保険者期間の月数 ] + [ 平均標準報酬額 × 5.769 / 1,000 × 平成15年4月以後の被保険者期間の月数 ] } × 1.000 × 3 / 4

※1…平均標準報酬月額:平成15年3月までの被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額の総額を、平成15年3月までの被保険者期間の月数で割って計算した額
※2…平均標準報酬額:平成15年4月以後の被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、平成15年4月以後の被保険者期間の月数で割って計算した額(賞与を含めた平均月収)
※3…従前額保障:平成6年の水準で標準報酬を再評価し、年金額を計算したもの

中高齢寡婦加算(令和5年4月分から)

厚生年金が該当し、被保険者が会社員の遺族が受け取れる。

なお、フリーランス・個人事業主は受け取れません。

  • 受給対象者:
    ・夫が亡くなったとき、40歳以上65歳未満で生計を同じくしている子がいない妻
    ・40歳時、遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子のある妻が、子が18歳(傷害の状態にある場合は20歳)到達年度の末日に達したため、遺族基礎年金を受給できなくなったとき
  • 支給額:年額596,300円

すべてに共通する注意点

中高齢寡婦加算以外は受給条件が設けられており、すべて「保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が加入すべき期間の3分の2以上あること」になっています。

今回は会社員とフリーランス・個人事業主の比較のため、公務員については言及してませんが、公務員とその配偶者も会社員同様、厚生年金の対象となります。

上記の通り、公的年金制度の死亡保障は会社員とフリーランス・個人事業主で大きく異なります。

会社員は「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」「中高齢寡婦加算」が対象になります。

一方で、フリーランス・個人事業主は「遺族基礎年金」のみです。

このため、公的保障の不足分を補う形で、定期保険・終身保険などで大きな保障を用意する必要があります。

働けなくなった場合の公的保障

続いて、働けなくなったときの公的保障についてです。

傷病手当金

もしも病気やケガで働けなくなった場合、会社員であれば加入している健康保険から保障が受けられます。

まず所定の条件に沿って、休業前の収入の3分の2程度の「傷病手当金」が毎月支給され、最長で1年6ヶ月保障されています。

1年6ヶ月が経過した時点で治らない場合は、「傷病補償年金」に移行します。

ただしこの公的保障は会社員のみが受けられます。

フリーランス・個人事業主が加入する国民健康保険には「傷病手当金」がありません。

つまり、事業内容によっては働けなくなるとすぐに収入が途絶えることになります。

このため、フリーランス・個人事業主は働けなくなった際のリスク対策も重要です。

フリーランス・個人事業主におすすめの保険

前項でご紹介した公的保障と保険の必要性をふまえたうえで、フリーランス・個人事業主が加入しておいたほうがいい保険をご紹介します。

フリーランス協会の保険

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が一般会員になったフリーランスの人向けに、福利厚生的な意味合いで民間の保険会社の各種保険の保障の提供を行なっています。

医療保険

病気やケガを負った際の出費をカバーするための医療保険は、まず最初に考えておくべき保険です。

主に入院・手術をしたときに給付金を受け取ることができるため、独身者、夫婦・DINKS、子どものいるファミリーを問わず必要な医療保障は保険で準備しておきましょう。

医療現場の進化にあわせた開発・改良が繰り返されていることが特徴で、昨今の医療事情から日帰り入院・手術や外来手術に対応した商品が多く取り揃えられています。

もしものときの入院・手術・通院にかかる出費に備えるため、先進医療特約や通院特約、一時金特約、保険料払込免除特約など、特約を付加しながら十分な保障を用意しましょう。

死亡保険

会社員が加入している厚生年金に比べて、保障が少ない国民年金加入者のフリーランス・個人事業主は、大きな死亡保障を準備しなければいけません。

独身者は、葬儀代と死後の整理資金程度を備えておくとよいでしょう。

なお、高額な死亡保障は必要ないため、貯蓄性を備えた終身保険がおすすめです。

老後の生活費として活用することもできるので、できたら終身保険で用意しましょう。

夫婦・DINKSで共働きの場合も、葬儀代と死後の整理資金程度を備えておくとよいでしょう。

夫婦のどちらかが専業主夫・主婦で、万一の時は社会復帰するなら、それまでの準備資金として少しまとまった保障額を設定しておくと安心です。

子どもがいるファミリーは、子どもが独立するまでは定期保険等で高額な死亡保障を準備しましょう。

子どもの人数にあわせて保険金額を設定し、遺された家族の生活費や教育費等をカバーできるようにします。

がん保険

がんは治療費が高額になりやすく、そのリスク対策として設計されたのが、がん保険です。

市場には多くの商品が取り揃えられていますが、いずれもがん治療の傾向にあわせた保障内容が充実しています。

放射線や抗がん剤など、がんならではの治療が浸透していることや、通院治療が長くなることもがん治療の特徴です。

これらの特徴に対応できるがん保険に加入しておくことで、金銭的な不安やストレスを和らげられ、治療に専念することができます。

国立がん研究センターの統計データによりますと、日本人の2人に1人が一生のうちにがんと診断されるリスクがあります。

罹患者は年々若年化しているため、若い年代でも安心できません。

がん保険はがんにかかってしまうと新たな加入が難しくなるので、健康なうちに検討すると良いでしょう。

就業不能保険

フリーランス・個人事業主が働けなくなった場合の無収入、あるいは収入大幅減状態をカバーするのに最適なのが就業不能保険です。

がんをはじめ、ここ数年うつ病などの精神疾患がさらに増えており、長期療養のリスクへの対策としてますます注目を集めています。

収入が途絶えたり減ったりしても、生活費は変わらずかかります。

家賃や食費、水道光熱費をはじめ、治療にともなう出費がかさみ、医療保険だけではカバーできなくなるケースもあります。

傷病手当金がないフリーランス・個人事業主は、会社員等よりも多めに備えておいた方がよく、

年代や独身・既婚など問わず、医療保険とともに就業不能保険の加入を検討しておきましょう。

検討および加入の際のポイントは、必ず精神疾患が給付対象になっているかどうかも確認すること。

なお、入院や在宅療養が長期化しがちなこころの病は、ストレス社会で増加傾向にあります。

加入するのであれば、精神疾患まで給付対象になっている商品を選びましょう。

個人年金保険

会社員に比べ公的年金額が少ないフリーランス・個人事業主にとって、老後の生活費確保も重要なポイントです。

老後の生活費を保険商品で備えるなら、個人年金保険で準備するのが適しています。

低金利時代の昨今、どの金融商品も増えづらい状況にありますが、個人年金保険はあまり手間がかからずに備えられ、個人年金保険料控除が使える商品もあります。

ただし、満期前に解約すると元本割れを起こす可能性もあり、いつでも自由に使える貯蓄としては向いていません。

あくまでも老後の生活費にあてるための保険として考えておきましょう。

なお、医療特約を付加することができる商品なら、老後資金の貯蓄を兼ねて入院・手術などに備えることも可能です。

保険をなるべくまとめたいという人は、年金保険に医療特約を付けるプランで検討・加入してみてはいかがでしょうか。

フリーランス・自営業の生命保険の選び方に関するよくある質問

ここでは、フリーランスや自営業の方の生命保険の選び方に関して、Q&A形式でお答えします。

Q.フリーランス・個人事業主が契約する保険の保険料はいくらが適切ですか?

A.フリーランス・個人事業主が契約する保険の保険料の目安はありません。

個人で生命保険に加入するときと同じく、必要な保障を保障内容と保険料のバランスをみて適切かどうかを判断することになります。

Q.フリーランス・個人事業主が契約する生命保険料は経費として取扱いできますか?

A.フリーランス・個人事業主が加入する保険には、保険料を経費として取扱いできる場合もあり、事業を継続するのに必要かどうかという点になります。

経費でおとせる保険料の例

  1. 事業に使っている車の自動車保険料
  2. 事務所として使っている部屋・建物の火災保険料や地震保険料
  3. 従業員の傷害保険料、生命保険料
  4. 従業員が加入している社会保険料など

経費でおとせない保険料の例

  1. 個人事業主自身が被保険者となる生命保険料
  2. 専従者自身が被保険者となる生命保険料
  3. 事業主や専従者の傷害保険料
  4. 事業主や専従者の国民健康保険料や国民年金保険料

個人事業主や専従者が被保険者となる生命保険料や損害保険料(傷害保険等)は、生命保険料控除として申告することができます。

また、国民健康保険料・国民年金保険料は、社会保険料控除として所得税の確定申告で所得控除することができます。

まとめ

今回ご紹介した通り、フリーランス・個人事業主は公的保障が薄いため、あらゆるリスクに備えて保険での自助努力は最低限行うべきこととして考えておきましょう。

家族構成やニーズ、生活スタイルにあわせて選ぶようにすれば、自分に最適な保障を準備することができます。

まずは優先順位を付けて保障を書き出し、自分にとって本当に必要な保障が準備できる保険を比較検討することからはじめましょう。