住宅ローンとは?金利の種類や返済方法、今知っておきたいマイナス金利解除の影響もわかりやすく解説!
住宅を購入する際に多くの人が住宅ローンを利用します。しかし、実はよく理解できていないことも多いのではないでしょうか。
この記事では、住宅ローンの基本的な仕組みや金利の種類などについて詳しく解説します。また、2024年3月の日銀のマイナス金利解除が住宅ローンへおよぼす影響についてもあわせて解説します。
住宅ローンとは
住宅ローンとは、その名の通り住宅を購入する際に利用するローンのことです。
住宅の購入金額は、マンションや戸建て関係なく数千万円〜数億円と高額であるため、生涯で最も高い買い物であるといわれています。一般的な年収の方が、数千万円ほどのお金を一括で支払うのは困難です。
そこで、住宅ローンを利用して購入金額を銀行などの金融機関から借り入れて住宅を購入し、毎月ローンを返済していくことで、一般的な収入の方でも住宅を購入できます。
また、住宅ローンの借入期間は、基本的に最大で35年で、居住するための物件の購入や増改築などであればマンションや戸建て問わず利用が可能です。
住宅ローンの返済方法について
住宅ローンの返済方法には、以下の2種類があります。
返済方法 | 内容 | 特徴 |
---|---|---|
元利均等方式 | 返済期間中の元金と利息の合計が一定である返済方法 |
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元金均等方式 | 返済期間中において元金のみが一定である返済方法 |
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もし、借入当初の返済負担を上げたくない方は元利均等方式を、ローンをできるだけ早く完済したい場合は元金均等方式を選ぶと良いでしょう。
住宅ローンの金利について
住宅ローンで借り入れたお金は、利息を上乗せして返済しなければなりません。利息を計算するうえで大切なのが金利です。
住宅ローンにおける金利選びは、毎月の返済や返済総額に大きく関係するため慎重に選ばなければなりません。住宅ローンの返済は30年以上に渡ることもあるため、少しの金利の差で返済額が数百万円も違ってきます。
金利のタイプは以下の3種類から選べます。
- 変動金利
- 固定金利
- 固定期間選択型
変動金利
変動金利とは、住宅ローンの返済期間中に市場や経済状況などに応じて金利が変動するタイプの金利です。変動金利を選ぶと、住宅ローンの返済期間中に返済額が変わる可能性があります。
変動金利で適用される金利は、半年に1回見直されます。そして返済額が見直されるのは5年に1度です。そのため、半年に1度の見直しで金利が変更になった場合は、返済額のうちの元金に充当される額と利息の内訳が変わることとなります。
例えば、半年に一度の見直しで金利が上がった場合は、返済額のうちの元金充当額が減って利息が増えます。また5年に1度見直される返済額の見直しにおいて、金利が上昇していたとしても返済額は見直し前の1.25倍までしか上昇しません。
変動金利は、借入当初の金利が固定金利よりも低いため、返済額も少なくなります。そして完済まで金利が上がらなかった場合は、返済総額も変動金利の方が少なくなります。
固定金利
固定金利とは、借入期間中の金利が固定されている金利のことです。そのため、返済額も返済期間中ずっと変わりません。
ただし借入当初の適用金利は変動金利よりも高く、借入期間中の金利が変動しなかった場合は、返済総額も変動金利より高くなります。
また、固定金利は住宅ローンの審査を通過しにくい自営業の方や勤務期間が短い方でも、比較的審査に通過しやすい点も特徴的です。
固定期間選択型
固定期間選択型とは、借入から5年や10年などの一定期間、金利が固定される金利タイプのことです。固定期間終了後は変動金利に移行します。
固定期間中の金利は、通常の固定金利よりも低く設定されています。そのため、効率的に元金を減らしていける点がメリットです。
一方で固定期間終了後の変動金利は、通常の変動金利と異なり5年に1度の見直し後の返済額に、上限が設けられていません。そのため、場合によっては返済額が急上昇する可能性がある点に注意しましょう。
日銀のマイナス金利解除が住宅ローンの金利に影響する?
日銀は2024年3月19日の金融政策決定会合において、約8年間にわたり続けていたマイナス金利を解除し、同年3月21日より、金利を0.1%に引き上げることを決定しました。
マイナス金利政策(まいなすきんりせいさく)とは
デフレからの脱却を目的に、日銀が2016年1月に実施した大規模な金融緩和政策。金融機関の当座預金の金利をマイナス0.1%にすることで、企業や個人への積極的な融資を通じた経済活性化を狙いとした。
この政策と密接に関係しているのが住宅ローンの変動金利です。今まではマイナス金利政策により、住宅ローンを非常に低金利で借りることができましたが、今回のマイナス金利解除で「金利のある世界」が戻った結果、住宅ローンの変動金利が大きく上がるのでは、という懸念の声が多くあがっています。
しかし、現状では、住宅ローンの金利と連動する最優遇金利である短期プライムレートを、各金融期間ですぐには上げない可能性が高いと考えられています。短期プライムレートの変更が行われたのが直近で2009年であることから、各金融機関も引き上げには慎重な見通しです。
よって、ただちに住宅ローンの変動金利が上昇することはない、という見解を多くの専門家が示しているため、現時点でマイナス金利解除が住宅ローンの変動金利に与える影響については、必要以上に心配しなくてもよいといえます。
住宅ローンを利用するには審査に通過しなければならない
住宅ローンを借り入れるためには、審査に通過しなければなりません。審査を行う理由は、ローンを借りる人が、お金をきちんと返せる人かどうかを判断するためです。
住宅ローン審査は、仮審査と本審査に分かれています。
仮審査とは、本審査を行う前の仮の審査です。本審査は住宅の売買契約を結ばなければ行えないため、「本審査をしても通過できる人かどうか」という視点で審査されます。
仮審査では、本人の自己申告により基本的に以下の項目を確認します。
- 職業
- 年収
- 勤続年数
- 他の借入状況(クレジットカードのキャッシングや車のローン)
- ローンの返済履歴
一方で本審査では、個人の返済能力が本格的に調べられるだけでなく、購入する住宅の担保力まで確認されます。住宅の担保力まで確認される理由は、返済が滞り住宅を競売にかけた際に、貸したお金を回収できるか確認するためです。
もし、住宅ローンの返済が滞った場合は住宅が金融機関によって差し押さえられ、競売にかけられます。そこで売却できた金額が優先的に債務の弁済に充てられます。
しかし、住宅ローンを組んで購入する住宅の売買価格が適正でない場合や、住宅が違法建築物であった場合は、競売による債務の回収ができません。そのため、本審査の段階では、借り入れる本人だけでなく、担保となる住宅も審査するのです。
ちなみに、仮審査に通過しても借り入れる本人が申告していない転職や他の借り入れがあった場合などは本審査に通過できない可能性もあるため正直に申告しましょう。
住宅ローンで節税!住宅ローン控除とは
住宅ローン控除とは年末時点での住宅ローン借入残高に応じて、所得税や住民税の負担が軽減される制度です。
令和4年の税制改正により、年末時点での住宅ローン借入残高の0.7%が、最大で13年間にわたり、所得税(一部翌年の住民税)から控除されます。
所得税や住民税の税額が直接減額されるため、高い節税効果が得られます。
※参考:国土交通省「住宅ローン減税」
団体信用生命保険とは?住宅購入は生命保険を見直すチャンス
団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローンの借主が死亡もしくは高度障害状態になった場合、保険会社から支払われる保険金によって住宅ローンの残債がゼロになる保険のことです。
銀行などの金融機関で住宅ローンを組む場合は、基本的に団体信用生命保険の加入が必須となります。なお、加入の際には自分自身の健康状態を告知する必要があり、場合によっては団信に加入できず、住宅ローンも組めない可能性もあります。
関連記事:団信とは?団体信用生命保険の仕組みや加入する際の注意点をわかりやすく解説
また、団信の保障範囲は死亡と高度障害以外にも、特約を付加することで三大疾病(がん・心筋梗塞・脳卒中)や八大疾病まで広げることも可能です。
もし家族がいて、すでに死亡保険に加入している場合、この団信の死亡保障が重複し、両方を合わせた保障額が大きすぎるようであれば、保険の見直しが有効です。
関連記事:住宅購入は保険を見直すタイミング!日銀マイナス金利解除が住宅ローンに及ぼす影響と保険見直しのポイントを解説!
まとめ
住宅ローンの返済は長期間にわたるため、仕組みや特徴の理解は必須といえるでしょう。特に、住宅ローンの返済方法や金利の種類は、さまざまな視点から慎重に考慮する必要があります。
また、住宅購入を機にぜひ保険も見直しましょう。保険についての相談は、ぜひコのほけん!の無料オンライン保険相談をご利用ください。