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生命保険(死亡保険)

定年退職後に保険は不要?社会保険だけで備えは十分?定年退職後の保険選び・見直し方を解説

数あるライフイベントの中でも、「定年退職」は特に大きいものといえます。長年勤めてきた職場を離れるにあたり、感慨深いものがある方も多いのではないでしょうか。

同時に、定年退職の前後では社会保険をはじめ、取り巻く環境が大きく変わります。

生命保険をはじめとした民間保険は、公的保険である社会保険等の保障の不足分を補う役割も担うため、加入中の保険について見直しを行う、もしくは新たな保険への加入を検討するのに定年退職は非常に良い機会といえます。

この記事では定年退職後の社会保険についてまとめ、そのうえで生命保険等の民間保険をどのように選び、見直せばいいかポイントについて解説します。

この記事のポイント

  • 定年退職後、職に就かない場合は国民健康保険の被保険者となり、再就職する場合は健康保険(共済組合)の被保険者となる
  • 定年退職後にどの程度働くかによって、各種社会保険からの支給額が変わる可能性がある
  • 定年退職後にやりたいことや重視したいことの優先順位を考えて、保険の見直しを検討するとよい

定年退職後、社会保険のあつかいはどうなるのか

定年退職後に加入する保険選びや、既に加入している保険の見直しをする際には、定年退職後の社会保険のあつかいについてまず知っておきましょう。

ここでは一般的な定年退職後の社会保険等について解説します。

関連記事:社会保障制度とはどんなもの?社会保険との関わりや民間保険との関係は?

定年退職後の公的医療保険

定年退職後、職に就かない場合は国民健康保険の被保険者となり、再就職する場合は健康保険(共済組合)の被保険者となります。

後期高齢者医療制度の対象年齢である75歳に達するまでは、国民健康保険か健康保険(共済組合)のいずれかに加入することになります。

また医療費の自己負担割合は70歳まで3割、70歳から75歳までは原則2割(現役並み所得者は3割)となります。さらに後期高齢者医療制度では、原則1割(現役並み所得者は3割)となります。

※参考:医療費の自己負担割合

定年退職後の介護保険

介護保険は、65歳以降は第1号被保険者となり、要介護・要支援状態になると介護保険サービスを受けることができます。

ただし健康状態にかかわらず保険料は引き続き負担しなければなりません。なお公的介護保険の自己負担割合は、原則1割です。

定年退職後の介護保険

介護保険は、65歳以降は第1号被保険者となり、要介護・要支援状態になると介護保険サービスを受けることができます。

ただし健康状態にかかわらず保険料は引き続き負担しなければなりません。なお公的介護保険の自己負担割合は、原則1割です。

定年退職後の雇用保険

雇用保険の被保険者であれば、所定の要件を満たすことで、高年齢求職者給付や高年齢雇用継続給付の対象となります。

定年退職後の国民年金・厚生年金

参考情報として、定年退職後の国民年金と厚生年金のあつかいについても触れておきます。

第1号被保険者に該当するのは60歳未満の人のため、自営業者や定年退職者でも任意被保険者に加入するなどの例外を除き、基本的には保険料の負担はありません。なお定年退職後、再就職する場合は厚生年金の被保険者(第2号被保険者)になるなどの例外もあります。

また多くの場合、65歳から年金受給者となります。それまでの保険料の支払い状況により、受け取れる年金額が変わります。

なお定年退職後や勇退後にも働き続け、年金を受け取りながら収入を得る場合年金額と収入額によっては年金受給額の調整が行われます。

定年退職後のプランニングの必要性

前述の社会保険の項目で触れたように、定年退職後にどの程度働くかによって、各種社会保険からの支給額が変わる可能性があります。

ぜひ在職時から会社員・公務員の方は定年退職後のプラン、自営業の方場合は勇退時期や勇退後のプランを考えておきましょう。

働くかどうかはもちろん、引越しなどで住環境を変えるか、時間を何に使いたいかなど、できるだけ具体的なプランを立てておくと、限られた資金も有効に活用することができます。

定年退職後こそ民間保険の活用を!

プランニングにより定年退職後の収支状況がある程度明確になれば、以降のリスクに対して民間保険が役に立つかどうかの判断がしやすくなります。

緊急用資金として一定の貯蓄額を確保しつつ、金銭的負担が大きくなりそうなものに対しては民間保険で備えるとよいでしょう。

プランニングの参考にしたい平均寿命と健康寿命のデータ

定年退職後のプランを考える際、平均寿命と健康寿命のデータを参考にするとよいでしょう。

健康寿命とは?

健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できるまでの期間のことで、一般的には平均寿命よりも短くなります。

令和4年の厚生労働省の発表によると、日本の男性の平均寿命は81.05歳、女性の平均寿命は87.09歳でした。

一方で男性の健康寿命は72.68歳、女性は75.38歳と発表されています。

平均寿命と健康寿命の差は日常生活が制限される期間となります。その時点の体の状態によっては、介護保険や他の社会保険では保障が十分ではない可能性があるため、民間保険で備えることも検討しましょう。

死亡保険の選び方・見直し方のポイント

定年退職後の死亡保険選びや見直しでおさえておきたいポイントは、以下の3点です。

  • 原則、自分自身の葬儀費用のため、低解約返戻金型終身保険などを検討する
  • 相続対策を除き、一般的には高額な死亡保障は不要
  • 新規に保険加入を検討する際は、貯蓄額やほかの保険とのバランスを考える

定年退職後の死亡保険は相続対策を除き、一般的にはご自身の葬儀費用などの資金準備用と考えるのがよいでしょう。よって高額な死亡保障の付加は必要ありません。

もし、終身保険に加入していない場合は、終身保険や低解約返戻金型終身保険への加入を検討するとよいでしょう。ただし定年退職後の終身保険への新規加入は、年齢を理由として保険料が割高となります。

ほかの保険とのバランスを考えながら、葬儀費用分は貯蓄で準備することも選択肢の一つとして検討しましょう。

医療・がん保険の選び方・見直し方のポイント

定年退職後の医療・がん保険選びや見直しで押さえておきたいポイントは、以下の3点です。

  • 高齢になるほど医療保険やがん保険の利用頻度が高まる
  • 三大疾病や生活習慣病に対する保障を充実させる手段として民間保険を使う
  • 医療費の自己負担割合は現役時代と比べると低下していく

医療費の自己負担割合は現役時代と比べると下がりますが、高齢になるほど病気やケガが長引く可能性が高くなります。

また定年退職により、職場で加入していた保険が利用できなくなる場合もあります。またこれまで特に健康に問題がなかった人は、特に医療保険やがん保険を重視していない場合もあるでしょう。

定年退職を機に、医療保険やがん保険に新規加入したり、保障を手厚くしたりすることを検討するとよいでしょう。

関連記事:自分にがん保険は必要?不要論のワケ・必要性が高い人を知る

介護・認知症保険の選び方・見直しのポイント

定年退職後の介護・認知症保険選びや見直しで押さえておきたいポイントは、以下の2点です。

  • 民間の介護保険に加入済みの場合は、そのまま継続するか保障を手厚くする
  • 民間の介護保険に加入していない場合は、医療保険での対応を検討する

介護に備える保険は、若い年齢で加入して保険料をコツコツ支払い、万一に備えるタイプが多いため、定年退職後の新規加入が難しい傾向にあります。

そのためほかの手段として、医療保険の保障を特約などで手厚くすることで、介護にかかる金銭的負担を軽減することも可能です。

最近では所定の認知症に対応した医療保険も販売されていますので、新規加入も含めて医療保険・がん保険の見直しの際に検討するとよいでしょう。

個人年金保険の選び方・見直しのポイント

定年退職後の個人年金保険選びや見直しで押さえておきたいポイントは、以下の3点です。

  • 個人年金保険に加入済みの場合は、年金額を確認する
  • 資金計画を立て、支出をおさえられないか検討する
  • 可能であれば個人年金保険からの受け取り時期を遅らせて、受取額を増やす

個人年金保険に加入済みの場合は、あらためて年金額を確認し、資金計画を立てましょう。

一方、個人年金保険に加入していない場合は、定年退職後の資金計画を立てた上で、資金が不足しているなら、収支の見直しを図ります。

毎月一定額を支出する固定費の見直しにより、家計の収支を改善できる可能性があります。年金受給額に見合う支出になるように調整するとよいでしょう。

まとめ

定年退職後の保険の選びや見直しのポイントを保険の種類別に紹介しました。

保険選びには正解はなく、家計の状況によるところが大きいため、定年退職後にやりたいことや重視したいことの優先順位を考えて、検討するとよいでしょう。

見直しの結果、保険が不要であれば解約の手続きが必要となります。新しい保険に乗り換える場合には、新しい保険の契約が成立してから古い契約を解約するようにしましょう。

関連記事:生命保険の解約にはどんな書類が必要?解約の手続きの流れと一緒に徹底解説

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