50代は経済的負担の大きな時期!生命保険を見直して負担を軽くするには?
50代は「教育費・住宅費・老後資金」の三大支出が重なり、人生の中でも特に家計への負担が大きくなる時期といえます。
そんな中、子どもの進学や住宅ローンの返済が続くなかで、将来に備える余裕がないと日々感じている50代の方も多いのではないでしょうか。
そんな時こそ、毎月の固定費である生命保険を見直すことが負担軽減の鍵となります。この記事では、50代にとって必要な保障を確保しつつ、保険料を抑えるための生命保険の見直しポイントをわかりやすく解説します。
この記事のポイント
- 50代は教育費・住宅費・老後資金の支出が重なる年代であるため、保険の見直しで保障とコストのバランスを最適化することが重要である。
- 子どもの独立状況や健康状態に応じて生命保険(死亡保険)の保障を調整すれば、保険料を軽減できる可能性がある。
- 50代は成人病やがん、また働けなくなるリスクへの備えを保険で検討しつつ、あわせて老後資金の確保を優先するのがおすすめ。
保障は手厚く保険料は安い、コスパ重視の選び方とは

50代というのは、一般的にいって人生の中でも、もっとも支出が多い時期ではないでしょうか。
子どもも大学生になり、経済的な負担の大きい時期です。大学の学費だけでも4年間で500万円〜1,000万円かかります。親元を離れて下宿などをしている場合は、さらに負担が増えるでしょう。
住宅ローンもまだ続いていると思います。さらに老後資金の準備を始める時期にもなってきます。つまり「教育費」「住宅費」「老後の生活費」という人生の三大支出が重なってきます。
とはいえ、この時期を乗り切ると、あとが楽になります。この支出の大きいときに、保険の見直しをすると家計に余裕が出ます。しかし、子どもが独立するまでは、保障を減らすことはできません。見直しで必要なポイントは、保障は手厚く、しかし保険料は安くコスパのいい保険です。では、どんな保険が必要なのか具体的に見ていきましょう。
生命保険(死亡保険)は見直すことで負担を軽くできる
50代は、経済的な負担がもっとも多い年代です。にもかかわらず一般的に、50代の後半には、役職定年、60代では定年、再雇用と収入が減ってしまうことが多くなります。ここは、保険を見直して家計を安定的なものにしていく必要があるかも知れません。まずは、死亡保険から考えていきましょう。
お子様が、大学を卒業して就職をしたのであれば、大きな保障額を用意する必要はなくなります。保障額を減額することや、保険の解約なども検討してみてはいかがでしょうか。ただし、お子さまがまだ大学生という場合は、まだまだ保険は必要になります。その場合でも、保険を見直すことで保険料を下げることができます。
掛け捨ての定期保険や収入保障保険の場合、最近はリスク細分型の保険が登場して保険料が安くなってきました。非喫煙で健康ならば、見直すことで保険料が安くなることもあります。また最近では、保険料の改定により保険料が安くなった商品もあります。まず一度見積もりを立ててみてはいかがでしょうか。
関連記事:定期保険のリスク細分型とは?健康体割引(優良体保険料率)のしくみと選び方のポイントまで徹底解説
医療保険・がん保険の備えも検討
50代は、血圧やコレステロールなど健康のことが気になる年齢でもあります。
しかし、医療保険というのは優先度の高い保険ではありません。なぜなら健康保険制度や高額療養費制度があるので、自己負担額はそれほど多くはないからです。
50歳で10年後までにがんと診断される確率は、男性で5%、女性で6%です。まだそれほど高くはありませんが、がんの場合は、治療のため仕事を休んだり、やめたりすることがあります。その場合、生活費に大きな影響がでてきます。そのため、がん保険の備えも考えていきたいものです。
■ がんに罹患する確率~累積罹患リスク(2014年データに基づく)
- 男性
現在の年齢 | 10年後 | 20年後 | 30年後 | 40年後 | 50年後 | 60年後 | 70年後 | 80年後 | 生涯 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0歳 | 0.1% | 0.3% | 0.5% | 1% | 2% | 7% | 21% | 41% | 62% |
10歳 | 0.1% | 0.4% | 0.9% | 2% | 7% | 20% | 41% | 62% | |
20歳 | 0.2% | 0.8% | 2% | 7% | 20% | 41% | 62% | ||
30歳 | 0.6% | 2% | 7% | 20% | 41% | 62% | |||
40歳 | 1% | 7% | 20% | 41% | 63% | ||||
50歳 | 5% | 19% | 40% | 63% | |||||
60歳 | 15% | 38% | 63% | ||||||
70歳 | 29% | 60% | |||||||
80歳 | 53% |
- 女性
現在の年齢 | 10年後 | 20年後 | 30年後 | 40年後 | 50年後 | 60年後 | 70年後 | 80年後 | 生涯 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0歳 | 0.1% | 0.2% | 0.6% | 2% | 5% | 11% | 18% | 29% | 47% |
10歳 | 0.1% | 0.5% | 2% | 5% | 11% | 18% | 29% | 47% | |
20歳 | 0.3% | 2% | 5% | 10% | 18% | 29% | 47% | ||
30歳 | 1% | 5% | 10% | 18% | 29% | 47% | |||
40歳 | 3% | 9% | 17% | 28% | 46% | ||||
50歳 | 6% | 14% | 25% | 44% | |||||
60歳 | 9% | 21% | 41% | ||||||
70歳 | 14% | 36% | |||||||
80歳 | 28% |
成人病のリスクに対応した保険もチェック
50代では「メタボ」を気にしている方も多いのではないでしょうか。「メタボ」とはメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)のことで、生活習慣病の発症前の段階です。
生活習慣病は、成人病ともいわれ、高年齢に多く見られる疾病です。食生活などの生活習慣がその原因となります。がん、糖尿病、急性心筋梗塞、脳卒中、高血圧症などです。
こうした病気に対応している保険は、特定疾病(三大疾病)、七大疾病などの保険や特約があります。保障内容はいくつかの種類があり、一時金が出るものや、保険料の免除タイプなどがあります。
保険の支払要件は、保険会社によって違いがあります。おおむねがんの場合は、診断されると保険金が支払われます。一方で、その他の急性心筋梗塞(心疾患)や、脳卒中(脳血管疾患)の場合は、所定の状態になると保険金が出るものや、手術が支払い要件になっているものもあります。終身保険の終身払いの医療保険に入っている方は保険料免除タイプの特約を付けておくと安心です。
関連記事:生活習慣病に備える保険は本当に必要?メリットやデメリットについて解説
就業不能保険はフリーランスや住宅ローンを払っている方におすすめ
住宅ローンがまだ残っている方は、もし病気やケガで働けなくなった時、収入減のリスクが大きいといえます。
会社員や公務員の方は、傷病手当金が受け取れることもあり、給料(標準月額)の3分の2の額が保障されるのである程度は安心ですが、それでも住宅ローンの支払いは厳しくなります。
また、フリーランスや自営業の方は、傷病手当金もありませんから、就業不能保険の必要度は高まります。なお、就業不能保険は、働けなくなったときのリスクを補う保険なので、60歳、70歳ぐらいまでしか契約できません(※契約可能年齢は保険会社によって異なります)。
関連記事:フリーランス(個人事業主)の生命保険の必要性と選び方|保険料はいくらが適切?
介護保険よりも老後資金を貯めることが重要

50代は、親の介護も心配になってくる年代です。親の介護を考えると自分の介護も心配になってくる方も多いのではないでしょうか。介護保険は、現在さまざまなタイプが発売されており、要介護状態になると一時金や年金で保険金を受け取るものが一般的です。
たしかに介護は心配ですが、50代は支出も多いときです。まずは老後資金を貯めることを優先してはいかがでしょうか?老後資金を貯めればそれを介護資金に使うこともできるのです。要介護状態にならなければ、そのまま老後資金としても使えるのでムダがなくなります。
それでも不安だということであれば、民間の生命保険会社の介護保険に加入するというのもひとつの手段として良いのではないでしょうか。
関連記事:民間の介護保険は必要?それとも不要?特徴や実際の加入率から民間の介護保険の必要性について解説
まとめ
50代は「教育費」「住宅ローン」「老後資金」といった三大支出が重なる、もっとも家計への負担が大きい時期です。
しかし一方で、子どもの独立や住宅ローンの完済が見えてくるなど、これまで必要だった大きな保障が不要になりつつある時期ともいえます。こうした変化に合わせて生命保険を見直すことで、無駄な保険料を減らし、老後資金など将来に向けた準備に回す余裕が生まれます。
50代は、60代以降の暮らしを安心して迎えるための重要な分岐点です。今一度、自分や家族にとって本当に必要な保障を見極め、ライフステージに合った保険へと見直しを進めていくのがおすすめです。