最新のがん保険の加入率は?性別、年齢、独身/既婚、年収別に調査
がんになったとき、保険金や給付金を受け取ることができるがん保険。その加入率はどれくらいなのでしょうか?
この記事では、がん保険における最近の加入率の推移や、男女別・年代別・ライフステージ別などでの加入率を見ていきます。がん保険にはいつから加入すべきなのか、一緒にチェックしてみましょう。
がん保険・がん特約の加入率の推移
がんに備える方法とは?
まず保険でがんに備える方法は、次の4つがあります。
保険でがんに備える方法
- がん保険
- 医療保険のがん特約
- 特定疾病保障保険
- 女性疾病保障保険
がん保険とは、がん治療で入院したときに受け取ることができる「がん入院給付金」、がんと診断されたときに一時金を受け取ることができる「がん診断一時金(診断給付金)」などの保障がある保険です。
がん特約とは、医療保険の特約としてがん保障がついているものを言います。
特定疾病保障保険では、特定疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中など)で所定の状態になったときに保険金を受け取ることが可能。
女性疾病保障保険では、乳がんや子宮がんなど女性特有のがんになったときに、保険金を受け取ることができます。がんに備える方法として主流なのは「がん保険」。次から、がん保険の加入率について見ていきましょう。
関連記事:女性保険のメリットとは?年代別の必要性やおすすめな選び方を紹介
2001年〜2019年のがん保険の加入率の推移
生命保険文化センターの調査によると、民間の生命保険会社やJA、県民共済・生協などで販売しているがん保険やがん特約の加入率は、2019年で42.6%です。
ココがポイント
加入率の推移を2001年から見てみると、年々上昇しています。
※出典:生命保険文化センター 令和元年度「生活保障に関する調査」
性別・年齢別のがん保険の加入率
次に、同調査での性別・年齢別のがん保険の加入率を見ていきましょう。
【女性】20代〜40代のがん保険の加入率
女性のがん保険の加入率は、42.2%です。
年齢別で見ると20代が28.9%と一番少なく、30代は46.5%、40代が一番多く49.2%となっています。
※出典:生命保険文化センター 令和元年度「生活保障に関する調査」
女性がかかりやすいがんとは?
国立がん研究センターの調査によると、女性がかかりやすいがんの部位には、乳房・大腸・肺・子宮などがあります。
さらに詳しく
がん保険の加入率が最も高い40代では、乳がん・子宮がん・卵巣がんの罹患が多く占めていることがわかっています。
※出典:生命保険文化センター 令和元年度「生活保障に関する調査」
関連記事:女性向けがん保険って必要?20代〜50代の必要性と選び方を比較
【男性】20代〜40代のがん保険の加入率
対して男性全体のがん保険の加入率は、43.2%です。
年齢別で見ると20代が22.0%と一番少なく、30代は46.3%、40代が一番多く52.8%となっています。
男性がかかりやすいがんの部位には、前立腺・胃・大腸・肺などがあり、がん保険の加入率が最も高い40代では、胃・大腸・肝臓などの消化器系のがんが多く占めます。
しかし70歳以上になると、前立腺がんと肺がんの割合が増加することがわかりますね。
※出典:生命保険文化センター 令和元年度「生活保障に関する調査」、国立がん研究センター 最新がん統計
がん保険には何歳から加入すべき?
では、がん保険には何歳から加入すればいいのでしょうか?
上記データと、国立がん研究センターが公表している「がん罹患率〜年齢による変化」をもとに、性別・年齢別のがん保険の必要性に見ていきましょう。まず20代ですが、男女ともに罹患率が低いことから、急いでがん保険に加入する必要はないでしょう。しかし30代になると、徐々に女性のがん罹患率が上がってきます。
ココがポイント
特に女性は40代をピークに乳がん、40代〜50代をピークに子宮がんの罹患率が上がってきますので、30代のうちにがん保険への加入を検討しておくと良いでしょう。
女性はその後、90代まで膵臓がんや肺がんの罹患率が上がってきますので、早めに加入を検討しておきましょう。
男性は若い頃にがん保険への加入を検討することは不要と考えますが、50代から急激にがんの罹患率が上がり始めます。特に気をつけたいのが、胃がん・前立腺がん・肺がんです。
ココがポイント
なので男性は、40代のうちにがん保険への加入を検討すると良いでしょう。
その後90代まで、がんの中でも肺がんや前立腺がんに罹患する割合が高いです。それらの部位に不安を感じる方は、早めにがん保険の加入を検討しておきましょう。
※出典:国立がん研究センター 「最新がん統計」
世帯年収別のがん保険の加入率
株式会社justInCaseの「がん保険に関する調査」によると、がん保険の加入率は年収によって変わることがわかりました。
がん保険の加入率 | |
年収400万円未満 | 29.2% |
年収400万円以上 | 42.0% |
年収400万円未満の方と、年収400万円以上の方のがん保険の加入率の差は12.8%もあり、年収が高い人ほどがん保険に加入する傾向にあります。
ココがポイント
しかし、現実を考えれば預貯金などの資産が少ない人ほど、がんの罹患など万が一のときの備えをする必要があります。
年収が低いとがん保険の保険料負担に余裕がないということもありますが、掛け捨てのがん保険や少額短期保険などの選択肢もありますので、手軽に選べるがん保険を早めに検討しておくことをおすすめします。
※出典:justInCase「“がん保険加入率”と“年収”の関係が明らかに 加入者の半数が「保険料が高い」と感じる結果も」
関連記事:掛け捨て型がん保険はもったいない?貯蓄型との違いや掛け捨て型がおすすめの人を解説
ライフステージ別のがん保険の加入率
生命保険文化センターによると、ライフステージ別のがん保険の加入率は未婚が28.9%と一番低く(男性29.0%・女性28.8%)、また子供がいる人は50%前後と高くなっています。
子供がいる人の中でも、子供が小学生の人の加入率が52.0%と一番高く、子供が卒業するとがん保険の加入率は43.5%まで下がります。
また住宅種類別で見ると、借家よりも持家の人の方ががん保険・がん特約への加入率が高いです。
借家 | 持家 | |
住宅種類 | 37.4% | 43.9% |
住宅ローンあり | – | 48.8% |
住宅ローンなし | – | 43.4% |
持家の中でも住宅ローンを抱えていると、抱えていない人よりもがん保険に加入する確率が高いこともわかりました。
※出典:生命保険文化センター 令和元年度「生活保障に関する調査」、ガン保険・ガン特約、特定疾病保障保険・特定疾病保障特約の加入率
関連記事:がん保険の一時金(診断給付金)はいくら必要?相場や所得税を解説します
がん保険のメリットと加入がおすすめな人
このように、多くの方ががん保険に加入していますが、みなさんががん保険に加入する理由とは何なのでしょうか?
がん保険ならがんに特化した保障が受けられる
がん保険に加入するメリットは、すべての病気やケガに対応する医療保険と違い、がんに特化した保障を受けられる点です。
また保障範囲を”がんだけ”に限定しているので、一般的な医療保険よりも保険料を抑えて加入することができるのもメリットです。掛け捨て型のがん保険を選べば、さらに保険料を抑えてがんに備えることができますよ。
今では、日本人が生涯でがんに罹患する確率は、2人に1人。がん保険に加入していれば、がんを患ってしまったときに経済的な心配をすることなく、治療に集中することができるでしょう。
※出典:国立がん研究センター 最新がん統計
加えてがん保険は、保障内容や保障期間などの組み合わせによって、様々なリスクに備えることができます。
たとえば「がん診断一時金」が保障内容に含まれている商品ならば、がんと診断された際にまとまった額の一時金を受け取ることが可能。
その他にも「終身タイプ」のがん保険を選べば、長期間のがんの医療費や生活費に備えることができます。
がん保険への加入がおすすめな人とは?
では、がん保険がおすすめな人とはどのような人なのでしょうか?以下のような方は、がん保険への加入を検討することをおすすめします。
- がん家系の方
- 喫煙者
- がんに不安がある方
- がん治療にかかるお金をすぐに準備できない方
- 仕事を休職したり退職したときに収入が極端に落ちる方
関連記事:がん保険の選び方・見直し方についてファイナンシャルプランナーが徹底的に解説!
まとめ
がん保険の加入率は、40代から50代がピークとされています。男女でかかるがんの種類や年齢は異なりますが、概ね30代で加入の検討をはじめると良いでしょう。
また、40代は結婚や子育て・住宅購入などが重なるタイミングでもありますので、ライフステージの変化とともに加入を検討するのもひとつです。
どのがん保険に加入すればいいのか、もし自分で選びきれない場合は、保険のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談してみましょう。FPであれば、複数の保険会社を取り扱っていますので、自分にぴったりのがん保険を選ぶことができます。