卵巣がんとはどんながん?卵巣がんの医療費はいくら必要?

現在、国民の半数の人が生涯の間になんらかのがんにかかると言われています。
がんには様々な種類がありますが、卵巣がんは女性特有のがんの中でも再発率が高く、罹患者の死亡率も高いがんの1つです。
この記事では、卵巣がんの死亡率が高い理由や治療法、治療費の目安などをわかりやすく丁寧に解説します。
卵巣がんと治療、そしてお金について正確な知識を身につけて、いざという時のために備えましょう。
この記事のポイント
- 卵巣がんとは、卵巣に発生するがんの総称で、悪性腫瘍と境界悪性腫瘍の2種類が存在する。
- 卵巣がんの罹患率は、乳がん等と比較すると低いが、4割の人は死亡するがんである。
- 卵巣がんの医療費はおよそ20万から60万円ほど。
卵巣について
卵巣は女性の子宮の左右に1つずつある、2〜3センチ程の大きさの臓器です。
女性らしいからだを作りそれを維持するための性ホルモンの分泌を行う機能および、月経開始から閉経までの間、周期的に排卵を行う機能を持っています。

卵巣がんとは
卵巣がんとは、卵巣に発生するがんの総称です。
卵巣に腫瘍ができたからといってその全てががんではなく、良性のものや、比較的悪性度の低い腫瘍も存在します。
その種類は、下記の3種類が卵巣にできる腫瘍の種類です。
- 良性腫瘍
- 悪性腫瘍
- 境界悪性腫瘍
この中で、卵巣がんと呼ばれるのは悪性腫瘍と境界悪性腫瘍です。
がんが進行すると、腹膜播種(はしゅ)といって、大腸や小腸、脾臓などおなかの中の様々な臓器に転移することが多いのも特徴の1つです。
卵巣がんの発生要因
親族が卵巣がんにかかってしまい、いつか自分もがんになるのではないかと不安な人もいるのではないでしょうか。
卵巣がんの遺伝的要素は、10%の確率であるといわれています。
また、排卵の回数が多い方が発生率が高いと考えられています。
妊娠や出産の経験がない人や、月経開始年齢が早く閉経が遅い人ほど、卵巣がんを発症する危険性があることが指摘されています。
他にも、食事や肥満など複数の要因が関係しているのが卵巣がん癌の特徴といえます。
卵巣がんの症状
卵巣がんが怖いのは、初期症状がほとんどないためがんの発見が遅れやすく、受診時には進行してしまっていることが多い点です。
西洋の医学書では『サイレントキラー』とも呼ばれており、女性の体の最深部で静かに大きくなって死亡率を上昇させる恐ろしいがんなのです。
卵巣がんの代表的な症状がこちらです。
- 下腹部のしこり
- お腹の張り
- 頻尿
症状としてはお腹の張り、下腹部にしこりを感じる、頻尿や食欲の低下などがあげられます。
一方で、これらの自覚症状が現れた時はすでに、がんが進行している可能性がありますので、早急に受診しなければなりません。
女性にはこういった症状は珍しくないため、病院に行くことをためらう人が多いのが現状です。
早めの受診が大切ですので、異変を感じたら迷わずに病院に行くことをおすすめします。
組織型分類
がん細胞はその組織の状態によっていくつかの種類に分類されます。
卵巣の腫瘍も例外ではありません。主に下記のように分けられています。
- 胚細胞性腫瘍(はいさいぼうせい)
- 上皮性腫瘍(じょうひせい)
- 性索間質性腫瘍(せいさくかんしつせい)
- その他
胚細胞性腫瘍は10~20代にのみ見られるがんですが、発生率はかなり低いとされています。
卵巣癌の90%は上皮性腫瘍です。
これは卵巣を覆う上皮にできる腫瘍で、40~60代に多く発生します。
関連する疾患
卵巣がんの要因は様々ですが、子宮や卵巣の疾患が、卵巣がんの原因になることもわかっています。
中でも多くの方が注意しなければならないのが、女性特有の疾患として有名な「子宮内膜症」です。
子宮内膜症は、月経のある女性の約10%に発症する可能性があります。
友人や近親者でかかったことがある、もしくは自分自身に発症経験があるという人も多いのではないでしょうか。
この子宮内膜症が原因で、卵巣がんになるケースがあることも報告されています。
また、子宮内膜症の中でも「卵巣チョコレート嚢胞」と呼ばれる腫瘤のうち、7%が卵巣がんを併発する可能性があるといわれています。
統計から見る発生率
高い死亡率を持つ卵巣がんですが、実際にどのくらいの割合で発症するのでしょうか。
全がん罹患数は女性432,607例で、その内最も多いのは乳がんです。
乳がんは女性のがん罹患数のうち、20%を占めています。
一方で、卵巣がんは約13,000例で、女性のがん罹患数の3%となります。
そのため、乳がんに比べれば、卵巣がんの発症率は低いといえるかもしれません。
しかし一方で、卵巣がんは罹患者の40%ほどが亡くなってしまう、大変死亡率の高いがんでもあるのです。
また、卵巣がんは1年間で10万人あたり14人が発症する計算になっています。
年齢別に見ると40代から発症しはじめ、50代から60代をピークに、その後は減少していく傾向にあります。
治療方法
もし卵巣がんにかかってしまった時、どういった治療法があるのでしょうか。
卵巣がんはその大きや程度、進行度により様々な治療法が検討されます。
手術
最も多く選択されるのが、手術によるがん細胞の切除です。
がんの進行具合によって片方の卵巣と卵管だけを切除する場合や、両方の卵巣を切除、子宮も全て取り去ることもあります。
発見が遅れた卵巣がんが、卵巣周辺の臓器に転移しているケースもあります。
その際は、大腸や小腸も一緒に切除することも少なくありません。
さらに、後腹膜リンパ節にも転移している場合は、それらのリンパ節も手術で全て取り除くことが一般的です。
化学療法
卵巣がんはほとんどの場合、まず手術により治療し、その後抗がん剤を用いることが一般的です。
なお、手術が難しい状態である場合や、試験開腹により原発巣の摘出が困難であると判断した場合は、化学療法を行ってから手術を行うこともあります。
ステージの若い早期発見のがんの場合でも、再発の可能性が高いため手術と抗がん剤治療が併用して行われます。
また、患者が高齢で体力がない場合などは、先に抗がん剤を用いて、腫瘍を小さくしてから手術をすることもあります。
卵巣がんは、比較的抗がん剤の効果が出やすいがんといわれているため、治療には積極的に抗がん剤が使用されます。
分子標的治療
耳慣れない治療法かもしれませんが、分子標的治療とは抗がん剤と一緒に行われる治療法です。
がんを増殖させる分子を邪魔して、進行を遅らせる治療法です。
放射線治療
手術後の疼痛などを和らげるために、卵巣がんの治療には放射線治療も用いられます。
なお、これはほかの部位のがん治療でもよく使われる治療法です。
このように様々な治療方を多角的に行うのが卵巣がん治療の特徴です。
一方で、そのため入院や通院期間も長くなる傾向があるといえます。
卵巣がんに備えるために必要な保障は?治療費とがん保険でまかなえるとしたらいくらくらいか
今までみてきたように、発症率の低さにくらべ死亡率が高く、複合的な治療がすすめられる卵巣がんですが、気になるのはその治療費です。
ここでは、卵巣がんに罹患した際に、安心して治療を受けるために必要ながん保険の保障額を確認します。
まず、卵巣がんは手術をすることがほとんどです。
程度によってその範囲が違い、手術費用もそれにより変わるので一概にはいえませんが、およそ20万から60万円ほどが一般的です。
それに加えて、抗がん剤治療や放射線治療ももちろん費用がかかります。
抗がん剤は一回の投薬と休養期間をセットにして1クールと呼びますが、腫瘍の程度により数回繰り返し投与すると、数万〜数十万治療費がかかる可能性があります。
なお、これらの医療費は高額療養費制度により、1カ月の自己負担額の上限を超えた場合は払い戻しを受けることができます。
しかし、先進医療のような、公的医療保険の適用対象外となる新しい治療法や治療薬を使った場合は、自己負担をすることになります。
また、個室を希望し入院した場合の差額ベッド代や、入院中の病院食の費用についても公的医療保険の対象外となるため、自己負担となります。
これらの費用に、民間のがん保険などで備えておくのも一つの方法です。
がん保険では、入院した場合の入院給付金や手術給付金、診断時給付金などの保険金額を決めることができます。
例えば個室を希望した場合では、入院給付金は1日15,000円〜20,000円ほどの金額が必要と言われています。
また、がんと診断された時にまとまったお金を受け取れるがん一時金特約も検討するとよいでしょう。
たくさんの種類の中から、何が必要かをよく考えて、自分に合った保険を見つけることがとても大切となります。
まとめ
サイレントキラーと呼ばれる卵巣がんは、遺伝を含む色々な要因が入り混じって発症し、50%に近い死亡率を持つ恐ろしいがんです。
手術を含め様々な治療が行われるので、いざという時の保険もそれに備えたものが必要となります。
もし必要な保障の金額や、加入すべきがん保険の種類がわからないという方は、ファイナンシャルプランナーへの相談もおすすめです。














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