終身保険は60歳払込満了と終身払いどちらがおすすめ?払込満了後はどうなる?
終身保険は、一生涯にわたる死亡保障を提供する生命保険です。保険料の支払い方法には終身払いと短期払い(有期払い)、一時払いの3種類があります。終身払いは、一回あたりの保険料が安く、短期払い(有期払い)と一時払いは終身払いと比べて一回あたりの保険料の支払額が高くなります。本記事では、終身払いと短期払い(有期払い)の特徴、違い、メリット・デメリットを解説します。
この記事のポイント
- 終身保険は一生涯にわたる死亡保障を提供する生命保険
- 保険料の支払い方法には終身払いと短期払い(有期払い)と一時払いの3種類
- 終身払いは一回あたりの保険料が安く、短期払いは一回あたりの保険料が高くなるが、払込期間が短い
- 終身保険の保険料の払込満了後も、契約を途中解約しない限り、死亡保障は続く
- 保険料払込満了後に解約すると、経過年数に応じた解約返戻金を受け取ることになる
終身保険とは?終身保険の種類
終身保険とは、生きている限り(一生涯)死亡保障が続く生命保険(死亡保険)です。
終身保険の種類は、以下の通りです。
- 終身保険
:一般的な終身保険 - 低解約返戻金型終身保険
:保険料払込期間中の解約返戻率を70%程度に抑え、保険料を安くした終身保険 - 積立利率変動型終身保険
定期的に積立利率が見直され、運用成果により保険金と解約返戻金が変動する終身保険 - 利率変動型積立終身保険
保険料の一部を積立金として積立て、保険料払込満了後に、契約の形を一定の範囲内で変化できる終身保険 - 外貨建終身保険
日本円もしくは外貨で保険料を支払い、積立期間は外貨(主に米ドル・ユーロ・豪ドル)で運用する終身保険 - 変額保険(終身型)
払い込んだ保険料を特別勘定で運用し、運用実績に応じて保険金と解約返戻金が増減する終身保険
それぞれの特徴や詳細をさらに知りたい人は以下の関連記事もおすすめです。
関連記事:終身保険の種類とは?6つの種類の仕組みと特徴を解説
終身保険の60歳払込満了の短期払い・終身払いの特徴とメリット・デメリット
終身保険(死亡保険)の払込方法は、短期払いと終身払いとではどう違うのでしょうか?ここでは、60歳で払込満了となる短期払いで説明します。
60歳払込満了の短期払いの特徴とメリット・デメリット
まず短期払いとは、保険料の払込を一定期間で終える払込方法です。有期払いと意味は同じです。契約時に決めた時期まで保険料を支払い、保険料払込期間終了後は保険料の支払いはありません。
60歳払込満了というのは、契約日から被保険者が60歳になって迎えた契約応当日(契約日と同じ月日)の前日までの期間に保険料を払い込むということです。60歳になって迎えた契約応当日以降については保険料の支払いが発生しません。
なお、保険期間(保障期間)は一生涯ですが、保険料払込期間の関係上、保険会社によっては、60歳払込満了を選ぶ際に、被保険者年齢が制限される可能性があります。
よって60歳払込満了の短期払いを選んだ際のメリット・デメリットをまとめると以下の通りになります。
メリット
- 60歳払込満了は、60歳になった契約応当日以降の保険料の支払いが不要。
- 短期払い(有期払い)を選ぶことで、少なからず解約返戻率が上がる。
デメリット
- 終身払いと比較して、1回あたりの保険料の金額が高い。
- 被保険者の年齢によっては、制限されることがある。
関連記事:終身保険には満期保険金はない?解約返戻金と満期保険金の違いについて徹底解説
終身払いの特徴とメリット・デメリット
終身払いは、一生涯、生きている限り保険料を払い込み続ける支払い方法です。
終身保険は死亡保険ですので、被保険者が死亡もしくは保険会社所定の高度障害状態になるまで、契約者が保険料を支払い続けます。
終身払いは1回あたりに支払う保険料が、短期払い(有期払い)と比べると安くなります。
一方で、被保険者が何歳の時点で死亡するかどうかは当然わからないため、長生きした場合に、払い込んだ保険料の総額が短期払いよりも高くなる可能性があります。
その他、定年退職を迎えたあとも、生きている限りは保険料を支払う必要があるため、年金生活になった場合に保険料の支払いが負担になってくる可能性があります。
よって終身払いを選んだ際のメリット・デメリットをまとめると以下の通りになります。
メリット
- 短期払い(有期払い)と比較して、1回あたりの保険料の金額が安い。
デメリット
- 長生きをした場合に、結果として、短期払い(有期払い)より払込保険料総額が高くなる可能性がある。
- 定年退職をした後、老後年金生活になってからも保険料の支払いが続くため負担になる可能性がある。
関連記事:終身保険の仕組みや特徴、メリット・デメリット、解約返戻金や保障期間について解説
終身保険は60歳払込満了の短期払いと終身払いどっちがおすすめ?
それでは改めて、60歳払込満了の短期払いと終身払い、それぞれどのような人におすすめなのでしょうか。
60歳払込満了がおすすめな人
60歳保険料払込満了の短期払いがおすすめの人は下記の通りです。
- 被保険者が20〜30代
- 解約返戻率を高くしたい人
- 60歳以降に保険料の支払いをしたくない人
- 高めの保険料の負担が苦にならない人
終身払いがおすすめな人
終身払いがおすすめの人は下記の通りです。
- 60歳払込満了が年齢的に制限される人
- あくまで死亡保障として終身保険に入りたい人
- 60歳以降の保険料の支払いが苦にならない人
- 1回あたりの保険料をできるだけ安くしたい人
終身保険の保障は保険料の払込満了後どうなる?
終身保険の保険料払込満了後も、契約を途中解約しない限り死亡保障は続きます。
終身保険の医療特約の保障は保険料の払込満了後どうなる?
では終身保険(主契約)に医療特約をつけている場合、保険料払込満了後はどうなるのでしょうか?
主契約と異なり、契約者が希望しない限りは医療特約は続きません。
主契約の終身保険の保険料の払込を終えると同時に、特約の保険料の払込期間も終了し、保障も無くなることが一般的です。
医療特約の保障を継続したい場合は、契約者が保険会社へ申し出て、主契約の終身保険の保険料払込満了時に、医療特約の保険料を一括して前納、もしくは分割払(複数年前納、年払等)により支払うことになります。
商品によっては、特約の全保険期間分の保険料を主契約の保険料払込期間に合わせて支払うよう計算しているものもあります。その場合、終身保険の保険料払込満了後の特約保険料の払込みは不要です。
終身保険に医療特約等を付加した場合は、原則80歳まで(生命保険会社によっては一生涯)継続することができます。
ココに注意
保険会社や商品によって取扱いは異なるため、必ず保険代理店の担当者や保険会社へご確認ください。
終身保険を払込満了後に解約したらどうなる?
終身保険を保険料払込満了後に解約した場合、一般的に契約経過年数に応じた解約返戻金を受け取ることが可能です。
解約するタイミングによっては、保険料払込累計額よりも、解約返戻金が少ない可能性がある点だけご注意ください。
その他、解約返戻金が保険料払込累計額を上回る場合、その差益に対して課税される可能性もあります。
関連記事:終身保険には満期保険金はない?解約返戻金と満期保険金の違いについて徹底解説
まとめ
本記事では、終身保険に限定して、終身払いと短期払い(有期払い)の特徴や違い、それぞれのメリット・デメリットについてご紹介いたしました。
ここで、短期払い(有期払い)と終身払いのメリット・デメリットについておさらいしましょう。
メリット | デメリット | |
60歳払込満了の短期払い(有期払い) |
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終身払い |
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以上のメリット・デメリットをおさえた上で、ご自身の状況にあわせて、適切な保険料の支払い方法をお選びください。