生命保険|特定疾病保険料免除特約ってなに?
特定疾病保険料免除特約という特約があります。保険会社所定の疾病と診断され、 所定の状態に該当した場合に保障はそのままで、以後の掛け金の支払いが免除されるというものです。本記事では、特定疾病保険料免除特約について詳しくご紹介いたします。
保険は主契約と特約でできている
「この保険、いろいろなリスクを保障してくれるなあ」なんて思ったことはありませんか。じつは保障は2つのジャンルに分けられるのです。
保険は主契約と特約で成り立っています。
主契約とは、その保険のメインとなる保障を指します。主な主契約には、終身保険、定期保険、医療保険、がん保険などがあります。
それに対して、特約は主契約にプラスする保障です。保険会社によっては特則とも呼びます。
主契約は単体で契約できますが、特約はいわばオプションなので単体では加入できません。ただ、特約だけを解約することは可能です。
主契約はひとつの契約につき必ず1本。でも、特約は複数をつけられます。
つまり、「いろいろ」に見える部分は、この特約に当たるわけです。
特約をつければつけるほど保障される範囲が広がるとはいえ、その分保険料はかさみます。
それに、特約が多すぎると、どんな保障をつけていたか忘れがちです。これではせっかくの保障が無駄になってしまいますね。
自分に必要な特約に絞ったほうが使いやすいでしょう。
特定疾病保険料免除特約って?
定期保険特約、終身保険特約、特定疾病一時金特約、がん入院特約、介護特約……などなど、特約はじつにバラエティ豊かです。
そうした特約のひとつに「特定疾病保険料免除特約」があります。
これは終身保険をはじめとする死亡保険や、医療保険につけられる特約です。
では、いったいどういう保障なのでしょう。
病気になったシーンをちょっと思い浮かべてみてください。
治療費がかかる一方、仕事を休んだりすれば収入は減ってしまいます。こんなときだからこそ保険は手放したくないとはいえ、そのためには保険料を払い続けなければなりません。これは精神的にも経済的にもかなりきついはずです。
こういう場面で、特定疾病保険料免除特約が役に立ちます。
病気にかかり、保険会社が定めた所定の状態になると、それ以降の保険料を払わなくてすむのです。保険業界ではPremium(保険料)の頭文字をとって、「P免」などとも呼ばれています。
「保険料の負担がなくなるのは助かるけれど、保障もなくなっちゃうんじゃ……」
という声が聞こえそうですね。
ご心配なく。保障はそのまま続きます。というのも、保険料は残りの分もすべて支払ったと見なされるからです。
どんなときに保険料が免除されるのか
もちろん、特定疾病保険料免除特約に入っているからといって、どんな病気でも保険料が免除になるわけではありません。
特定疾病とあるとおり、対象は決まっています。
また、対象となっている病気にかかったとしても、医師の診断に応じて定められた状態になったら特約が適用されますという条件もついています。
一例をあげてみましょう。
<対象となる疾病> がん、急性心筋梗塞、脳卒中
<所定の状態>
がん…医師によって、がんと診断されたとき。ただし、悪性新生物(組織の深くまで入り込んだ悪性の腫瘍)に限られ、上皮内新生物(比較的表層にあり、完治しやすいがん)は除く。
急性心筋梗塞…診療を受けた日から、労働の制限を必要とする状態が60日以上続いたと診断されたとき。狭心症は対象外。
脳卒中…診療を受けた日から、言語障害など他覚的な神経学的後遺症が60日以上継続したと診断されたとき。
特定疾病保険料免除特約では、がん、心疾患、脳血管疾患を対象としているケースが多いようですが、細かい病名や所定の状態は保険会社ごとに異なります。A社の条件がB社にも当てはまるとは限らないので、きちんと確認しましょう。
解約返戻金が一気にアップすることも
ところで、特定疾病保険料免除特約をつけていると、もうひとつメリットがあります。
保険料は全額支払ったものとして扱われますから、商品によってはここで解約返戻金がポンと跳ね上がる傾向があるのです。
たとえば、未承認の治療や投薬を受ける場合は健康保険が使えず、自己負担が大きくなります。とくに、がんでは未承認の治療法も多く、治療費が高額になることも。こんなふうにまとまったお金が必要なとき、解約返戻金を充てることができます。
保障を残しておくもよし、解約して解約返戻金を使うもよしといった具合に、選択の幅が広がります。
まとめ
特定疾病保険料免除特約は、対象となる病気にかかり、所定の状態になると、以後の保険料を免除してくれる特約です。
この特約を付加することによって、毎月払う保険料は少し上がりますが、所定の状態になると保険料を全額払ったと見なされるため、保障はその後も続きます。
更に、このタイミングで解約返戻金がグッと上がるタイプもあります。諸条件は保険会社によって異なりますので、確認しましょう。