ランキングから選ぶ
保険を比較する
保険会社から探す
保険のコラムを読む

生命保険(死亡保険)

生命保険の契約を複数持つことはできる?複数の契約を持つメリット・デメリットを解説

生命保険は同じ種類の保障内容であっても、複数の保険会社と契約することができるので、契約を複数持つことができます。

この複数契約には、保障の幅が広がるなどのメリットがある一方で、保険料負担が増えたり保障内容の把握や管理が難しくなったりするデメリットもあります。

この記事では、生命保険の複数契約を持つことについて、その可否やメリット・デメリット、注意点についてわかりやすく解説します。

この記事のポイント

  • 生命保険は複数契約が可能であるが、「通算制限」により保険金額の上限が設けられている。
  • 複数契約を持つことで、保障範囲の拡大などのメリットがある一方、保険料負担・管理の煩雑さ・請求手続きの難しさなどのデメリットもある。
  • 生命保険で複数契約を持つか検討する際は、家計への負担、保障内容の重複、ライフステージの変化を踏まえ、必要性と持続性を慎重に判断するのがおすすめ。

生命保険で複数の契約を持つことはできる?

生命保険で複数の契約を持つことはできる?

生命保険では、同じ保障内容や似た保障内容の商品を複数契約することが可能です。

たとえば、A社とB社の死亡保険、C社とD社の医療保険に加入するなど、同じタイプの保険に加入することが複数契約です。

C社の医療保険とD社のがん保険でも、重複する保障がありますので、複数契約と言えるでしょう。

ただし、複数の契約を持つことは可能ですが、通算制限(保険金の上限額)があるので注意が必要です。

通算制限(つうさんせいげん)とは

他の保険会社の契約を含めた、保険金額総額に対して設けられた制限。

この通算制限によって、保険金や給付金の額が必要以上に高額にならないようになっています。

保険会社は照会制度を使って確認をしている

生命保険会社は、他社の保険契約の保険金額をどのように確認しているのでしょうか。

生命保険会社各社が加入する一般社団法人生命保険協会が設立した下記3つの制度を使って、他社にある保険契約の情報を照会し、その保険契約に問題がないかどうかを確認しています。

  • 契約内容登録制度・契約内容照会制度
  • 医療保障保険契約内容登録制度
  • 支払査定時照会制度

なお、契約時に渡される保険の契約のしおりや約款に、それぞれの制度の概要が記載されています。

この3つの制度を使って、保険会社間で必要な情報を共有しています。

たとえば、ごく標準的な保険金額の死亡保険であっても、複数の保険会社に契約があれば、通算で大きな保険金額となります。場合によっては、一部の契約者が不当に大きな利益を得ることにもつながります。

そういったモラルリスクを防ぐため、保険会社では新しい契約の引受をする際に、照会制度を利用し、他社情報とあわせてその契約と保険金額が妥当であるかどうかを判断します。

生命保険の複数契約のメリット・デメリット

ここまで複数契約についてと、契約に関する保険会社の情報共有の仕組みを紹介しました。それでは複数契約のメリットとデメリットは、どのような点にあるのでしょうか。

生命保険の複数契約のメリット

生命保険の契約を複数持つことの主なメリットは下記の3つです。

  • それぞれの商品の強みを生かした保障を得ることができる
  • 複数の保険会社や担当者から様々な情報を得ることができる
  • 経済的に安定し、安心を得られる

それぞれの商品の強みを生かした保障を得ることができる

たとえば医療保険で、A社は疾病aには対応しているが疾病bには対応していない、一方でB社は疾病bには対応しているが疾病aには対応していないというケースが考えられます。

A社とB社の医療保険に加入することで、保障の範囲が広がり、将来のリスクに対応しやすくなります。

どの医療保険がどのような疾病に対応しているかは請求時になってみないと分からないほど、医療保険は多くの疾病に対応しています。いざ請求したけれども対象外になる可能性を回避できるのが複数契約のメリットの一つです。

複数の保険会社や担当者から様々な情報を得ることができる

特定の保険会社や担当者からのみの情報では不十分な場合でも、複数の保険会社と契約を結ぶことで、得られる情報量が増え、物事の判断がしやすくなります。

シンプルで保険料は安いがアフターサービスは少ない保険会社であっても、アフターサービスが手厚い保険会社とも契約することで、充実した保障と様々な情報を得られる可能性があります。

経済的に安定し、安心を得られる

保険会社や保険商品によって、支払要件が異なります。例えば、1契約のみの場合、保険金や給付金が支払われるかどうかはその保険会社次第になってしまいます。

しかし、仮に3社と契約している場合、少なくともそのうち1社から保険金を受け取ることができれば、経済的損失をカバーできます。

また、複数社から保険金を受け取ることができれば経済的にも安定します。このように、対応範囲が広くなれば安心感を得ることができます。

生命保険の複数契約のデメリット

生命保険の契約を複数持つことのデメリットは主に下記の4つです。

  • 保険料が高くなりがち
  • 契約の管理が煩雑
  • 入院時や死亡時に保有契約の把握と手続きが困難
  • 場合によっては国税庁の調査の対象になる

保険料が高くなりがち

複数の保険に加入しますので、その分、支払うべき保険料は高くなります。メリットばかりに気を取られ複数契約を結んでしまうと、家計の状況に合わない保険料を支払うことになりますので、注意が必要です。

契約の管理が煩雑

複数契約を持つと、それぞれの契約を管理しなければなりません。住所や連絡先を変更するとすべての保険会社に変更の申請をしなければなりませんので、手間がかかります。

また、契約ごとに保険会社からの連絡があったり、郵便物が届いたりするため、それらを分別するなどの管理が煩雑となります。

入院時や死亡時に保有契約の把握と手続きが困難

入院時や死亡時にはそれぞれの保険会社に請求しなければなりません。保険会社によって請求方法は異なりますので、各保険会社に確認して手順通りの請求をする必要があります。

不明な点を問い合わせるやり取りまで考えると、給付金や保険金受取までの進捗状況の把握が困難となるでしょう。

場合によっては国税庁の調査対象になる

保険は万一の場合に備え、経済的損失をカバーするためのものです。

よって、極端に契約数を増やし、多額の給付金や保険金を受け取った場合、本来の目的以外で保険を利用しているとみなされ、国税庁などの調査対象になる可能性があります。

事件性を疑われる可能性もありますので、注意が必要です。

複数契約を持つ人が保険を見直すべきタイミングとは

複数契約を持つ人が保険を見直すべきタイミングとは

すでに複数契約を持っている場合、どのタイミングで保険の見直しを行えばいいのでしょうか。

メリットの効果が薄れたとき

複数契約を持つことの主なメリットには、幅広い保障の確保や保険を通じた経済的安定や安心感の獲得があります。

しかし、これらのメリットが満たされた場合、複数契約を続ける必要性は少ないといえるでしょう。

すべての契約が不要となれば同時に解約することも一つの方法ですが、基本的にはこれまでの経験から最もご自身に合った保険以外から解約した方がいいでしょう。

また、他の種類の保険に切り替える場合は、先にどのような保障内容があるか確認し、残しておく保険の保障内容とのバランスを考えておくと効果的です。

デメリットが負担に感じ始めたとき

複数の保険を契約したときは気にならなかったデメリットが、時間の経過とともに負担になることがあります。

複数契約のデメリットには、保険料は高くなりがちなことや、契約管理が煩雑で入院時や死亡時の把握および手続きが困難となる可能性がある、また場合によっては国税庁の調査対象になることなどが挙げられます。

特に実際に複数契約をして保険料を払い続けると、家計への負担を実感し、保険料の高さがデメリットに感じることがあります。契約当初は気にならなくても、支出の増加で少しずつ負担を感じることも考えられます。

また保険会社や担当者からの連絡や対応で想定以上に時間を取られたり、保険証券や約款、定期的に送られてくる郵便物などの管理が面倒になったりすると、複数契約が負担になります。

ライフステージに変化があったとき

複数契約であるかどうかに限らず、結婚・出産、退職などライフステージに変化があったときは保険見直しのタイミングです。

複数契約を維持する場合は、残しておくべき保険と切り替え候補の保険に分け、よりよい保険がないかどうかを探すことになります。複数契約により、複数の担当者から豊富な情報を得ていれば、保険の見直しもしやすいと思われます。

関連記事:生命保険契約の見直しはどうすればいい?契約内容の確認方法を5つお伝えします

複数契約を検討する際に注意すべきポイントとは

これから複数の保険会社と契約を結ぶ予定の場合、この記事で紹介したメリットが本当に必要かどうかを検討する必要があります。またデメリットについてもしっかり理解しておかなければなりません。

複数契約の保険料を支払い続けることが可能か

その上で、複数契約は保険料が高くなる傾向にあります。

そのため契約時の家計の状況だけで考えるのではなく、10年や20年など長期間で支払うことが出来るかどうかを検討する必要性は高いといえるでしょう。

複数契約の保障内容をすべて把握できるか

また、複数契約によるメリットを最大限受けるためには、それぞれの契約の保障内容を正確に理解する必要があります。

全く同じ保障内容である保険を複数契約した場合、支払条件を満たせば受け取れる給付金や保険金は増えますが、条件を満たさなければ全く受け取れないことも考えられます。

複数契約のメリットは、「それぞれの商品の強みを生かした保障を得ることができる」ことにあります。よって、保障内容を理解し、相互に強みが発揮できる組み合わせを考えなければなりません。

その場合、複数の保険会社を取り扱い、それぞれの商品の特徴をよく知る乗合代理店に相談するのもおすすめです。

まとめ

生命保険の複数契約は、保障の幅を広げたり情報収集の選択肢を増やしたりできる一方で、保険料の増加や契約管理の煩雑化といったデメリットもあります。

もし、生命保険の契約を複数持つことを検討している場合には、家計の負担やライフステージの変化を踏まえ、必要な保障を無理なく維持できるか慎重に判断することが大切です。

また、複数契約を検討する際は、保障内容の重複や保険金の通算制限にも注意して選ぶとさらに安心です。

さらに、生命保険の複数加入のメリット・デメリットについて詳しく知りたい場合は、【しっかり保険、ちゃんと節約。】生命保険へは複数加入できる!メリット・デメリットについて解説も参考になります。

関連コラム

生命保険(死亡保険)コラム一覧へ戻る