三大疾病(さんだいしっぺい)とは?羅患する確率は?三大疾病に備えられる保険の種類や注意点を解説
がん・脳血管疾患・心疾患は、日本人の死因や重い後遺症の原因となる「三大疾病」と呼ばれています。近年は生活習慣の変化により、発症リスクが中高年だけでなく若年層にも広がっています。
この記事では、三大疾病の基本知識から罹患率や自己負担費用、三大疾病保険の必要性と選び方までをデータをもとにわかりやすく解説します。
この記事のポイント
- 三大疾病とは、がん・脳血管疾患・心疾患を指し、長期治療や収入減につながりやすい重大な疾病である。
- 三大疾病に罹患すると、医療費だけでなく入院の長期化や就労不能による家計への影響が大きくなる。
- 三大疾病保険は、公的保障では補いきれない治療費や収入減に備える手段として有効である。
そもそも三大疾病(さんだいしっぺい)とは?

三大疾病とは、不健康な生活習慣により引き起こされる生活習慣病の中でも、重症化すると死に直結するがん・脳血管疾患・心疾患がそう呼ばれています。
偏った食生活、過度な飲酒、喫煙、運動不足、過度なストレス、睡眠不足や不規則な生活などの積み重ねが、からだをむしばむ原因となり病気が発症します。
①がん
がん細胞の発生は、人間の体の中で日々分裂しながら新しく生まれ変わっている細胞のコピーミスといわれています。健康な人でも毎日5,000個程度のがん細胞が発生していますが、免疫細胞によって破壊され健康を保ちます。しかし、免疫力が低下すると、生き残ったがん細胞が何年もかけて増殖し病気となっていきます。がんは遺伝だというひともいますが、遺伝するがんは5%程度といわれ、要因のほとんどは生活習慣病によるものです。
②脳血管疾患
くも膜下出血・脳梗塞・脳出血、総称して脳卒中と呼ばれる病気、他にも一過性脳虚血発作、脳動脈硬化症など脳の血管が詰まったり破れたりすることで脳の細胞が損傷してしまう病気です。
③心疾患
心筋梗塞・狭心症・虚血性心疾患・不整脈・心不全など、血管が狭くなったり詰まってしまうことで、血液が心臓の筋肉に十分に行き渡らなくなり発症します。日本人の死因の第2位となっており、とても怖い病気です。
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三大疾病に羅患する割合と自己負担費用
では、実際に三大疾病に罹患する割合はどのくらいなのでしょうか。また、三大疾病に罹患し入院した場合、自己負担費用はどれくらいかかるのでしょうか。
ここでは、厚生労働省などのデータをもとに、三大疾病の現状について解説します。
三大疾病に羅患する割合
厚生労働省の「令和2年患者調査(傷病分類別にみた施設の種類別推計患者数)」によると、三大疾病に羅患した人数はそれぞれ下記のようになっています。
- がん(悪性新生物):295.1万人
- 心疾患(高血圧性心疾患を除く):188万人
- 脳血管疾患:197.5万人
施設で治療を受けた入院・通院患者の総数8348.8万人のうち約8%が三大疾病に罹患し、治療を受けている計算になります。
三大疾病の他にも生活習慣病と呼ばれる、糖尿病、高血圧性疾患、腎臓肝臓の病気なども含め、平均在院日数をグラフにしてみました。
在院日数が短期化しているとはいえ、がんを除き、1ヵ月前後、脳血管疾患に至っては2ヵ月以上の在院日数となっており、単純に治療費のみ備えをすればいいだけではないことがわかります。

出典:厚生労働省「令和2年患者調査 表6傷病分類別平均在院日数」より筆者が作成
三大疾病による自己負担費用
生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、直近の入院時の自己負担費用については、入院日数が長くなるほど自己負担費用は高くなっています。
入院1日あたりの費用を計算してみると、短期入院の方が1日にかかる費用が割高になっており、病気によっては短期間に多くの検査をすることで高額な費用がかかる場合もあります。

出典:生命保険文化センター「令和4年度生活保障に関する調査」より 直近の入院時の自己負担費用から抜粋
なお、高額療養費制度を使えば、自己負担はそんなにかからないという意見もあります。
しかし、実際入院治療を受けてみると大部屋ではゆっくり休めず、差額ベッド代を払って個室で過ごしたいという意向も出てきます。
また、脳血管疾患では、リハビリを含めると入院が長期に渡ってしまうことも十分考えられます。
完治が難しく、再発の恐れと付き合いながら長く治療を続けなければならない三大疾病は、費用の面でも他の疾病より大きな備えが必要といえるでしょう。
関連記事:高額療養費制度は医療費がいくら以上から使える?自己負担額が引き上げられる可能性は?さらに医療費の負担を軽くする制度も紹介!
三大疾病保険がおすすめの方
三大疾病は必ず死に直結する場合ばかりではありませんが、完治することが難しく治療が長引く病気です。また、入院に限らず仕事を休んで通院し、治療を受ける可能性もあります。
治療費については、高額療養費制度をはじめとした公的制度によって、あえて多額の保険に入らなくてもカバーできる可能性があります。
しかし一方で、入院・治療のための休業や働き方の変更による収入減には備える必要があります。
三大疾病保険がおすすめなのは、下記のような方です。
- 就労収入で家計を支えている方
- 自営業の方
- 小規模企業の経営者の方
まず、就労収入で家計を支えている方の場合、三大疾病に特化した保険はおすすめです。
次に自営業の方の場合、国民健康保険には休業時に傷病手当金が受け取れる制度がないため、働けないことが収入の大きな減少につながります。よって、三大疾病保険で備えておくことはおすすめです。
最後に、法人化はしているものの、少人数で経営を行っている小規模企業の経営者の方にも、三大疾病保険の必要性は高いと言えます。経営者が不在の間の人材の確保や収入減、また事業を立て直すための費用などを考えると、医療保険とは別に、三大疾病だけに備える保険の準備が必要です。
三大疾病に備えられる保険
三大疾病を主契約とし、三大疾病に特化した保険と、医療保険や死亡保険などの特約として三大疾病保障を付加する方法があります。
三大疾病保険
多くの保険は特定疾病・重大疾病などという商品名がついており、八大疾病のように、生活習慣病の幅を広げて保障する商品が増えています。
死亡・障害状態などは、公的保障である程度経済的な支援がありますが、三大疾病では、即座に公的保障が受けられるわけではありません。
家計を支える人の収入減が即家計にダメージを与える子育て期などは、定期で特定疾病保険に加入するメリットはあります。
収入減と治療費増のWパンチを貯蓄だけで賄えない場合は、一定期間加入することは有効です。一定期間だけの保障ですから当然保険料も安く抑えられます。
がん保険・医療保険・生命保険などの特約でも備えられる
主契約としてではなく、特約として保障を付けることもできます。
特約として付加する最大のメリットは、請求がしやすいということです。保険契約の時には、さまざまな保険を比較し、特徴をつかんだ商品をチョイスして保険料を節約する方法もあります。
しかし、保険金を請求する時を考えると、請求書類は極力少ない方が楽です。アシストしてくれる保険代理店や窓口があったとしても、実際診断書の取り付けや請求書の記入などは、請求する本人です。三大疾病に罹患すれば、入院・手術・通院などの請求は必ずありますので、医療保険の特約として備える方法が一番相性のいい加入の仕方でしょう。
特約として付加する時の注意点は、保険金額に上限がある場合が多いということです。
例えば入院1万円が主契約だとすると、三大疾病給付金は主契約の100倍の100万円が上限、というような仕組みです。
三大疾病を主契約とする保険では、所得や年齢に合わせた上限しかありませんので、500万、1000万というような大きな金額を設定できます。
家庭の経済状況により、大きな保障が必要な場合は、特約ではなく、別途保障を付けることが必要です。
保険金額を受け取ることとは少し違いますが、払込免除特約を一緒に付加することもおすすめします。
払込免除は三大疾病に罹患し要件を満たした場合、以降の保険料払込を免除するという特約です。保険料は高くなりますが、保険期間中保険料不要となり保障が続くので、保険料を気にせず安心して治療が受けられます。
三大疾病に備えられる保険を契約する際の注意点
保険金を請求する場合、三大疾病に該当すれば必ず支払う、という保険はほとんどありません。
三大疾病に罹患した上で、支払い要件に該当しなければ支払いはできません。保険契約にあたり、できるだけ、要件のハードルが低い保険を選ぶ必要があります。
保険金支払対象の範囲が広いか
がん
がんと診断確定すれば、ほとんどの保険で支払対象となります。
ただし、上皮内がんについては、支払対象外の会社もありますから注意が必要です。
初期のがんとはいえ、部位によっては悪性新生物と同等の治療が必要な場合もあります。上皮内がんも同額支払う保障内容が安心でしょう。
心疾患
急性心筋梗塞のみ対象という特約がありますが、急性心筋梗塞以外にも狭心症・不整脈・慢性虚血性心疾患など様々な疾病があります。
急性心筋梗塞は、死に直結してしまうケースがあるため、心疾患を代表する疾病と思われがちです。
しかし、心疾患患者全体から見るとわずか2.5%でしかなく、不整脈および伝導障害、狭心症、心不全が全体の77.5%を占めています。
入院日数は少ないかもしれませんが、治療は長くかかり治療費もかかり続けます。対象範囲は広い方がいいでしょう。
脳血管疾患
脳血管疾患の内、83.7%を占める脳卒中※は、脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血の総称です。
脳梗塞の前兆といわれる一過性脳虚血発作は脳卒中の括りには入っていませんが、この病気を発症した人の3割は脳梗塞が発症すると言われている危険な病気です。
早めに治療することで命を落とすことを防げるかもしれません。幅広い対象で保険金を受け取れれば、早期治療の助けになるでしょう。
※参照:厚生労働省「患者調査 平成8年~令和2年患者調査 令和2年患者調査 確定数 全国編 報告書 」内より確定数全国編報告書第37表総患者数×傷病小分類別
複数回支払、回数無制限支払、不支払期間の短期化になっているか
三大疾病は死に至る場合もありますが、早期発見・早期治療で普段の生活ばかりでなく、仕事を続けることができる疾病です。
しかし、がんを筆頭に再発も多く、闘病生活が長くなることもあります。
よって、三大疾病の保険金は、1回のみではなく複数回や回数無制限で支払うタイプがおすすめです。
また近年、保険金を支払ってから次の保険金を支払うまでの期間については、1年というタイプが主流になっています。
がんの再発や転移などでは、2年に1回では、せっかく保障があっても、支払えないケースが出てきますので、この点はチェックが必要です。
支払い要件が軽いか
保険は、病気に罹患しただけでは保険金が支払われません。
「5日以上の入院があったとき」や「三大疾病で手術をしたとき」のように、定められた要件に合致した際に支払われます。
全体的に入院期間が短期傾向ですので、もし20日以上の入院が要件になっている場合は、支払いが難しくなります。
一方で、1日でも入院したらというような要件でしたら、支払われやすいでしょう。
また、同じ保険の中でも支払い要件が2~3プランある場合があります。
簡単な要件で支払えれば、当然保険料は高くなるので、要件のハードルが高い、保険料が安いプランを選んでしまうかもしれません。
しかし、保険料が安くても使いたいときに使えない保険では、加入している意味がありません。支払い要件をしっかり確認することが大事です。
まとめ
若年から高齢に至るまで、罹患のリスクがなくならない三大疾病は、国民病ともいえます。
罹患後、今までと変わらない生活が送れるようにするには、経済的な備えが重要です。
民間の医療保険は日々リニューアルされ、使い勝手のいい保険に変わっています。医療も併せて、三大疾病の備えは定期的に見直しましょう。
さらに、三大疾病保険とがん保険の違いについて知りたい場合は、【しっかり保険、ちゃんと節約。】三大疾病保険は入るべき?いらないといわれる理由や必要性、がん保険との違いを解説, 【2025年8月度】三大疾病保険(七大生活習慣病) 人気比較ランキングも参考になります。


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