生命保険|見直しのポイントについて
生命保険に初めて加入する際には、さまざまな情報を集め、慎重に選ぶかもしれません。複数の保険を比較し検討することは重要ですが、加入さえすれば十分というわけではありません。時期を見計らって、生命保険の見直しをすることも重要です。
生命保険の見直しでは、必要に応じて加入している保険を解約し、新しい保険に加入することもあります。このような生命保険の見直しを納得して行うためのポイントを解説します。
生命保険の見直しとは?
保険の見直しといっても、人によってその目的は異なります。加入している保険の見直しには次のような目的があります。
- 加入から時間が経っており、現状にあった保険になっているかを確認したい
- 保険料の支払いに負担を感じるようになり、保障を減らしたい、または保険料の安いほかの商品に乗り換えたい
- 出産を控えているなど新たな保障が必要となる
新たな保障が必要となる時期に、加入している保険の確認や保険料の負担の抑制も行うなど、目的が複数あるケースも考えられます。
重要な点は、保険の見直しの目的を明確にすることです。複数の目的がある場合には優先順位をつけ,目的に合わせた見直しをすることが大切です。
見直しをする前に注意をしたいこと
保険の見直しでは、ときには現在加入している保険を解約し、新たな保険に加入する「乗り換え」をすることもあるでしょう。このような乗り換えをする際には注意が必要です。
解約返戻金のある終身保険などから乗り換える場合、解約してしまうと解約返戻金を受け取れますが、その額は少なくなります。契約当初の予定通りの解約時期であれば問題ないですが、予定より早い解約であれば本当に解約する方法しかないかよく考えて決めましょう。
解約以外にも次のような方法があります。
- 終身保険などは全部解約するのではなく、一部解約にする
- それまでの解約返戻金を使って、払済保険に変更する
- 現在の契約を残し、上乗せする方法を検討する
払済保険への変更では、付加していた特約は消滅しますが、解約返戻金の額に応じた保障を得られ、変更後の保険料の支払いはありません。
終身保険の保障金額を300万円から100万円に減額するなど一部解約と同様、ある程度の保障を残し、保険料の支払い負担も減らすことができます。また解約返戻金がある保険で、加入してから時間が経っている場合、これから加入する保険と比べると予定利率が高い可能性があります。
保険の見直しの際には、次のような点にも注意が必要です。
- 予定利率が低くなるなど保険を乗り換えることによるデメリットがある
- 健康状態などを理由に、新しい保険を契約できないことがある
保険の見直しでは、乗り換えによるメリットに注目してしまいがちですが、デメリットがないか確認することも大切です。また乗り換えする場合でも、健康状態などを理由に、契約できないことも考えられます。保険を乗り換える場合は、新しい保険の契約が成立したあとに現在加入中の保険を解約するようにしましょう。
見直しのポイント
生命保険文化センター「生活保障に関する調査(令和元年)」では、加入している生命保険の保障金額に対する調査が行われています。おもなライフステージ別の保障金額の平均値や中央値(最も割合の多い保障金額)は次のとおりです。
世帯種別 | 平均値 | 中央値 |
未婚 | 1,068万円 | 1,000~1,500万円(20.2%) |
既婚(子なし) | 1,316万円 | 500~1,000万円(19.8%)/1,000~1,500万円(19.8%) |
既婚(末子が未就学児) | 1,652万円 | 1,000~1,500万円(16.7%) |
既婚(子も独立・既婚) | 796万円 | 200~500万円(27.6%) |
調査結果を見ると、小さな子がいる世帯の保障金額が最も高く、子が独立した夫婦二人世帯の保障金額は低めになっています。未婚や既婚(子なし)は1,000~1,500万円が最も多く、ここでは紹介しておりませんが、200~500万円、500~1,000万円の割合も高くなっています。
次に年齢別を確認してみます。
年齢区分 | 平均値 | 中央値 |
18歳~19歳 | 753万円 | 200~500万円(33.3%) |
20代 | 1,032万円 | 1,000~1,500万円(24.7%) |
30代 | 1,608万円 | 1,000~1,500万円(17.5%) |
40代 | 1,432万円 | 500~1,000万円(18.2%) |
50代 | 1,314万円 | 200~500万円(20.0%) |
60代 | 869万円 | 200~500万円(23.2%) |
年齢別を見ると、30代の平均保障額が最も高く、40代、50代と続きます。ここでは紹介しておりませんが、30代や40代では3,000~5,000万円の割合も10%を超えており、平均値が高い要因と考えられます。
ここまで生命保険文化センターの調査結果を見てきましたが、ライフステージ別では子育て世帯、年齢別では30~40代の保障額が高いことがわかります。またこれらの層が極端に多いわけではないことから、ほかの層は必要に応じて加入しているものと思われます。
生命保険の見直しはどんなタイミング?
ココがポイント
一般的に、保険の見直しをするタイミングは、大きなライフイベントを控えているときです。
ライフイベントは、子の誕生や独立、住宅の購入などがあり、以降の必要保障額が変わる可能性があります。
また収入が安定してきたり、退職が間近になってきたりした時期では、将来のリスクに対する保障があったほうが安心だと感じるかもしれません。このような状況の変化に伴う心境の変化も保険の見直しのタイミングと言えるでしょう。
まとめ
生命保険の見直しは、ライフスタイルの変化などに合わせて行うのが一般的です。状況に合わせて保険の見直しをすることで、適切な保障を得ることができますので、万一のときにでも安心です。保険の見直しを検討している場合は、この記事のポイントを参考にしてみてください。