うつ病でも生命保険に入れる?うつ病でも可能な保険の入り方
生命保険に加入しようとしたとき、一般的には健康状態が良くない、既往症があるなどの理由があった場合、加入できないことがあります。では、うつ病の場合はどうなのでしょうか?実はほとんどの場合で生命保険には加入できません。
ここでは、なぜうつ病だと保険に入れないといわれているのか、うつ病でも入れる加入の仕方などについて解説していきます。
なぜうつ病だと保険に入れないといわれているのか
先ほどもお伝えしましたが、一般的には、うつ病だと保険に入れないといわれることが多くあります。
では、なぜうつ病だと保険に入れないといわれているのか、その前にまず、うつ病とはどのようなものか確認しておきましょう。
うつ病について
まず、うつ病についてですが、厚生労働省では「うつ病」についてこう紹介しています。
眠れない、食欲がない、一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといったことが続いている場合、うつ病の可能性があります。うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスが重なることなど、様々な理由から脳の機能障害が起きている状態です。脳がうまく働いてくれないので、ものの見方が否定的になり、自分がダメな人間だと感じてしまいます。そのため普段なら乗り越えられるストレスも、よりつらく感じられるという、悪循環が起きてきます。
薬による治療とあわせて、認知行動療法も、うつ病に効果が高いことがわかってきています。早めに治療を始めるほど、回復も早いといわれていますので、無理せず早めに専門機関に相談すること、そしてゆっくり休養をとることが大切です。
引用:厚生労働省「知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス:うつ病」より
また、うつ病を服得た精神疾患の患者数は、年々増加していることも厚生労働省のデータでも明らかになっています。
うつ病の診断は、精神科で行われますが、基本的には内科と同じよう診察から治療までの流れとなり、特別なことはありません。以下は一般的なうつ病の診察から治療までの流れです。
② 予診
病歴や主に困っていること、いつ頃から起こったか、思い当たる原因はあるか、治療や投薬歴、家族のこと、人間関係などを聞くことがあります。
③ 一般的な検査
尿検査、血液検査、体温、血圧、体重測定などの基本的な検査を行います。
④ 診察
一般的な問診と同じような感じで、悩んでいる症状、生活であった変化などを聞き、医師は患者の話や表情、全体的な様子から総合的に判断します。家族からの客観的な情報も診察の役に立つことがあります。
⑤ 診断確定
総合的な判断から「うつ病」かどうか診断します。
⑥ 治療
投薬、環境の調整を行います。
参考:ファイザー「こころの陽だまり」より
うつ病への公的支援制度
うつ病の治療には、医療機関でのサポートの他に公的な支援もあることはご存知でしょうか。厚生労働省によると、①医療費を助成する制度②生活費の保障③税金が安くなる制度③精神障害者保健福祉手帳、などの公的支援があります。
医療費を助成する制度
■自立支援医療(精神通院医療費の公的負担)
精神科の病気で治療を受ける場合、外来への通院、投薬、訪問看護などについて、健康保険の自己負担のお金の一部を公的に支援します。申請は市町村の窓口で行うことができます。
■高額療養費制度
入院や外来治療などにかかった医療費が高額になった場合、所得に応じて自己負担限度額を上回った金額が戻ってくる制度です。うつ病にかかわらず、一般的な治療で利用できる制度です。加入している健康保険によって申請方法が異なります。
■都道府県の心身障害者医療費助成制度
都道府県や市町村が実施している、心身に重度の障害がある方に医療費の助成をする制度です。精神障害者保健福祉手帳の所持者が対象となっているかどうかは、自治体により異なります。
■労災補償
労働者が業務中や通勤途中でケガや病気によって治療が必要なときに治療費が支給されます。窓口は労働基準監督署になります。
■医療費控除
生計を一にする家族の医療費が、1月から12月の1年間で10万円を超える場合、確定申告で所得税の控除を受けることができます。
生活費の保障
■生活保護
病気やケガなどで働けなくなったり、高齢や障害などで経済的に困ったときに、最低限度の生活を保障して自立を助けるための制度です。申請窓口は居住地域を管轄する福祉事務所です。
■特別障害者手当
精神または身体に著しく重度な障害を持ち、日常生活において常時特別な介護を必要とする方に、負担を軽減し福祉の向上を図る目的で手当が支給されます。申請窓口は居住地域の市町村の福祉課等です。
■障害年金
病気やケガなどが原因で、一定程度の障害が継続する場合、生活を保障するために障害年金が支払われます。申請窓口は居住地域の年金課、障害厚生年金などの場合は年金事務所や各共済組合です。
■特別障害給付金制度
過去、国民年金に加入していなかったことにより、障害基礎年金を受給していない障害者が、一定の要件に該当する場合に受け取れる給付金ことをいいます。申請窓口は、居住地域の年金課等です。
その他にも、特別児童扶養手当や障害児福祉手当、扶養共済制度、生活福祉資金などがあります。
税金が安くなる制度
■障害者控除と特別障害者控除
心身に障害を持つ人やその人を扶養している場合に、所得税や住民税が安くなる場合があります。確定申告や勤め先での付与控除等の申告書の提出時に手続きができます。
■自動車税・軽自動車税及び自動車取得税の控除
心身に障害のある人が所持、もしくはその人のために使用する自動車で、一定の区純に該当する場合、申請により自動車税、軽自動車税、自動車取得税が安くなります。
精神障害者保健福祉手帳
一定の精神障害のある状態を認定する手帳です。1級から3級まであり、公共料金等の割引、税金の控除・減免などのサポートがあります。申請は市町村の窓口で行います。
うつ病でも入りやすい保険の加入の仕方
では次に、うつ病でも入れる保険の加入の仕方について見ていきましょう。
うつ病でも入りやすい保険・入れない保険
一般的に、うつ病でも入れる生命保険は多くはありません。なぜなら、加入手続きの際に告知や診査をする際に、必ずといっていいほど「うつ病」での医師の診察や治療、投薬の有無を確認されるからです。
では、うつ病の場合、絶対に生命保険に加入できないかというとそうではありません。うつ病でも生命保険に加入することができる場合があります。
・限定告知型の保険
・無選択型の保険
これらの保険であれば、うつ病であっても加入できる場合があります。ただし、うつ病以外の病気やケガが原因で加入できないこともありますので、必ず保険会社に確認をする必要があります。
関連ページ:引受基準緩和型医療保険とは?医療保険や無選択型医療保険との違いについて解説
うつ病でも入りやすい生命保険の加入の仕方
うつ病でも入れる生命保険の加入の仕方として、最低限確認しておくべきことは以下の通りです。
② 加入できる保険はあるか確認する
③ 複数の保険会社で比較検討する
④ 加入手続き
まず、医師によりうつ病の診断がされているかどうかを確認します。そのうえで加入できる生命保険があるかどうかを確認します。
そして、希望する生命保険が見つかったら、同じような保障内容の保険を複数の保険会社で比較検討しましょう。もし自分で見つけることができなかったり、どの商品がいいのかわからないということがあれば、独立系FPに相談することをおすすめします。
関連ページ:ライフステージの変化にあわせて選ぶ!生命保険の賢い選び方【年代別編】
まとめ
うつ病でも入れる保険は、まだまだ少ないという現状がありますが、それでもしっかりと商品を探すことができれば、希望に近い生命保険に加入することができる可能性は高まります。
ただ、先ほどもお伝えしたように、自分にぴったり合う生命保険を選ぶのは簡単なことではありません。そんなときは独立系FPに相談してみましょう。