これから老後を迎える方のための生命保険の選び方・見直し方

現在、子育て終盤の30~50代で、これからご自身の老後について考える時期に差し掛かろうとしている方も多いのではないでしょうか。
年を重ねると、病気やケガで治療費がこれまで以上にかかる可能性が高くなり、両親の健康面も心配になります。
保険の加入状況を考えた場合、これからの生活の変化に向けて、見直しが必要となってきます。
この記事では、これから老後を迎えようとしている人向けに、保険の加入・見直し方について解説しています。
預貯金・生命保険など、経済状況の把握をしましょう!
子育てが終盤を迎えようとしているころには、自分自身の老後について考える時間が増えることでしょう。
加えて、両親が年金世帯で、前期・後期高齢者になっている時期です。
まだ子育て中ということもあり、一気に解決しようとする必要はありませんので、一つひとつ現在の家計の状況を確認していくことから始めましょう。
現在保有している資産の候補として挙げられるのは、居住用不動産、現金・預貯金、自動車、解約返戻金のある保険、株式や投資信託などの有価証券、金や外貨建て商品などです。
とりあえず、現金化できる資産を洗い出してみましょう。
資産一覧表を作成し、不動産や株式なら売却価格、保険なら解約返戻金の額を資産価値として記載しておきます。
これらの資産は将来的に、売却等して現金化し生活費に充てるのか、贈与や相続で子に譲渡するのか分けていくことになります。
また、現金が不足したときに資産の売却で対応できるかどうかの判断材料にもなるでしょう。
これから得られる収入はいくらあるの?
資産の洗い出しに加え、これから得られる収入額を推測しておく必要があります。
一般的に収入は40代~50代のころにピークを迎え、退職年齢にまで徐々に減少します。
年金は65歳から支給されますが、長生きする可能性を考え、退職後も働くという選択肢もあります。
専門的な知識やスキルがあれば平均より多い収入を得たり、自営業として収入を得たりすることも可能でしょう。
公的年金だけで十分である人は多くないと思いますので、年金以外に収入を得られないか検討しておきましょう。
保険の保障の整理をしよう!何の保険に入っていますか?
年齢を重ねるごとに必要な保障が変化しますので、保険の見直しが必要となります。
子育て中であれば生命保険(死亡保障)に加入しているかもしれませんが、子育て終盤であれば高額の保障は不要となります。
子育て終盤といっても、ご自身の人生は折り返し地点ですので、これからの生活のために一定の保障が必要と考えるかもしれません。
そのためには、まず現在の保障内容を確認することから始めます。
エクセルなどの表計算ソフトで一覧表を作ったりして、いつでも確認できるようにしておくことをお勧めします。
足りない保障はなんだったのでしょうか?
現在の保障を確認すると、不足している保障が見つかることがあります。
子育て中は子ども中心にお金の使い方を考えてきたと思いますので、これからは老後の生活費や医療費などが中心となります。
どのような保障があるか、ネット検索などで情報収集し、保険の加入・見直しに備え、まとめておくと後々便利です。
現在の保障を確認し、不足している保障をまずは洗い出し、優先順位を付けておきましょう。
また、このときに両親にとって必要な保障も考えておきます。
両親に介護が必要になったときに備え、両親が加入している保険を確認することで、どの保障が不足しているか把握することができます。
足りない保障を埋めるためにどうする?
足りない保障が明確になったとしても、すべてを保険でカバーする必要はありません。
保険の特徴を生かし、すぐに必要な保障にだけ保険を利用し、貯蓄や運用での準備に向いているものはそれらを利用すればいいでしょう。
保険の特徴ですが、よく「貯蓄は三角・保険は四角」という言い方をして、保険と貯蓄の違いが説明されます。
たとえば死亡した時に300万円必要だと分かっているとき、貯蓄だと徐々にしか貯めることができませんので、右下に角がある三角形の形をとります。
一方、保険は加入後にすぐに300万円の保障を得ることができます。
もちろん、そのためには保険料を支払う必要があります。
緊急で必要な保障は保険で備えておき、それ以外は貯蓄で少し時間をかけて準備します。
すでに貯蓄がある場合は、緊急用資金として使わないようにしておけばいいでしょう。
これから65歳までの期間で貯蓄することができますので、保険に加入したとしても医療費や介護費用などのために現金でも準備しておくと安心感が生まれます。
保険で全額カバーするのではなく、現金と併用することで保険料の節約にもなります。
緊急用資金としていつでも使えるようにするために、保険や投資信託で保有せず、預貯金で準備しておくことも重要です。
両親の保険については、自分自身が支援しなければならないことを想定し、負担が重くなりそうなら保険に加入してもらうか、預貯金で準備できているかなどを相談します。
基本的には両親も考えていると思いますし、子育て中であることから両親のことまで考えるのは難しいかもしれません。
しかし、自分自身の保険を考える際に、両親の状況も考慮しておくと、将来、両親が保険選びをするときに検討しやすくなるでしょう。
新規に生命保険に加入する際の注意点
これから65歳に向けて数年、数十年を過ごす人にとって、特にこれまでと異なる点は、収入が上昇傾向ではないことです。
給与収入がピークから下落傾向にあり、65歳から年金を中心とした収入のみとなるのが一般的ですので、年金額の範囲内で支払える保険を選ぶ必要があります。
一気にすべての保険を揃える必要もなく、少しずつ収入の変化を確認しながら加入する方法も考えられます。
この場合でも、最終的に加入しておくべき保険を決めておかないと、優先順位の低い保険に先に加入してしまう可能性があります。
また、優先順位の高い保険を選ぶ際に保険料がネックとなり、十分な保険に加入できないことも考えられます。
現在の保障内容の確認、不足している保障内容・将来必要な保障をしっかり確認した上で、新規加入や見直しを行いましょう。
すでに加入済みの生命保険を見直す際の注意点
ライフステージ(子の独立や退職などの節目)の変化によって、現在加入中の生命保険を見直すことがあります。
保険を見直す際には、生命保険や医療保険などを解約することがあるでしょう。
少なからず解約時のトラブルがありますので、注意すべき点として紹介しておきます。
解約すると支払った保険料総額より受取額が少ないことがある
解約返戻金のある保険の場合、解約により保障期間に応じた金額が戻ってくることがあります。
この保険を途中解約した場合、これまで支払った保険料総額より受取額が少ないことがあります。
保険証券や契約時の提案書に解約返戻金の額が記載されていますので、解約前に必ず確認しましょう。
今では加入できないいわゆる「お宝保険」があることに注意する
加入期間が長いと、今では加入できない高い積立利率である保険の場合があります。
積立利率は下落傾向にありますので、基本的に新しい保険の方が積立利率は低くなります。
新しい保険の保障内容が魅力的でも、本当に解約していいか十分確認してからにしましょう。
新規に加入できないことがある
保険は健康状態によって加入できなかったり、特定の疾病について保障されない条件が付いたりすることがあります。
新しい保険商品は販売時期のニーズに合わせた保障内容となっていることが多く魅力はあります。
しかし、高齢者の場合、健康状態によっては不利になることがありますので注意が必要です。
加入済みの保険を新しい保険に乗り換えるときには、新しい保険に加入してから古い保険を解約するようにしましょう。
また保険の加入や見直しで、提案されたプランが心配な場合は、別の専門家に相談する方法もあります。
複数の人から意見を聴くと必要な保険が見えてくることがありますので、少し時間と手間がかかりますが、試してみてください。
高齢者が加入しやすい保険はありますか?
高齢となり保険の加入を検討する場合は、選べる保険が少なかったり、保険料が高くなったりします。
60代・70代で、両親向けの保険と自分自身のこれから加入するかもしれない保険の両方を想定します。
生命保険(死亡保障)
一般的に高齢者に生命保険は必要ありませんが、葬儀費用などの準備が出来ていない場合や相続税の納税を控えている場合には有効活用することができます。
すでに終身保険に加入している場合で、保険金額が多すぎるなら、解約をせず、保険金額を減額すれば、必要最小限におさえることができます。
これから加入する場合は、健康面で加入が難しいことも考えられます。
健康状態に不安のある人向けの「引受基準緩和型」の保険も合わせて検討してみてください。
医療保険やがん保険
既契約がなく、60代以降に加入しようと考えている場合、健康状態によっては医療保険やがん保険への加入が難しいかもしれません。
ただ、健康状態に不安のある人向けの「引受基準緩和型」がありますので、保険料は比較すると高くなりますが、加入できる可能性はあります。
基本的には、はじめに一般の医療保険やがん保険に申し込み、その結果を見て、引受緩和型に変更するかどうか決めるといいでしょう。
介護保険
民間保険の介護保障もここ数年でかなり商品数が増えています。
保障内容も豊富で、70歳以降でも加入できるものや公的介護保険に連動したものなど様々です。
両親でも自分自身でも加入することができますが、保険料が比較的安いと、支払条件が厳しい重度の介護状態のみしか受け取れない保障内容であることもあります。
そのため、保険料と保障内容のバランスを確認する必要があります。
高齢者でも加入しやすい保険は、持病があったとしても加入できる保険を指すことが多いかもしれません。
ただ、高齢者でも理解しやすい保険となるとほとんどありません。
保険の内容は難しく、特に公的社会保障制度を理解しておかなければ、無駄に加入してしまうことがあり、本当に必要な保障にお金を使えない可能性もあります。
高齢者である両親が新たに保険に加入しようとする場合は、家族が一緒に説明を聞き、理解しているかどうかを確認しながら加入するかどうかの決定をしなければなりません。
介護保険制度は医療保険と比べると新しい制度で、よくわからない高齢者も多いでしょう。
一般的には、民間保険は公的保険の補完的な役割があります。
そのため、公的社会保障に詳しいファイナンシャルプランナーに、民間保険のベースとなる公的社会保障の説明をしてもらってから保険の検討をするといいでしょう。
まとめ
ここまで解説してきたように、保険を探す際には、様々なことを考えなければなりません。
自分自身や家族のこれからの生活、両親の生活、公的社会保障の内容を基に保険を選んでいくことになります。
専門的な知識があったとしても一つひとつ考えていかないと混乱してしまいますので、公的社会保障など専門的な内容は相談時に詳しく聞いてみるとよいでしょう。
また、自分自身や家族の現在の経済状況やこれからの人生設計を家族で確認し、保険選びの方向性だけでも明確にしておくといいでしょう。














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