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生命保険(死亡保険)

サクッと解説!かんぽ生命|歴史や保険商品の特徴、2019年の不適切販売問題を中心に解説!

身近な保険というと、「かんぽ生命保険」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

過去2019年には、不適切な保険販売についてのニュースが社会に大きな衝撃を与えたことも記憶に新しいかんぽ生命ですが、当記事では今一度かんぽ生命保険を知りたい方に向け、その歴史や関連法律、保険商品のメリット・デメリットなどを紹介します。

かんぽ生命保険の歴史

「簡易保険」から「かんぽ生命保険」へ


まず、簡易保険からかんぽ生命保険へと移行した流れについて確認しておきましょう。

1916年10月に逓信省が簡易生命保険事業を創業し、簡易生命保険(通称:簡易保険)が提供されるようになりました。その後、2005年10月に郵政民営化関連法が成立したことを受け、2007年10月に株式会社かんぽ生命保険が設立されました。

なお、郵政民営化前に契約日のある保険を「簡易生命保険」、民営化後に契約されたものを「かんぽ生命保険」と言います。

現在において、満期日が未到達の簡易保険については独立行政法人 郵便貯金・簡易生命保険管理機構がその管理を引き継いでいます。なお、簡易保険は契約内容を変更したり新規での加入はできませんので注意が必要です。これから加入する場合は、かんぽ生命保険に加入することになります。

簡易生命保険法とは

簡易保険(郵政民営化前の契約)の根拠となる法律で、大正5年に制定後昭和24年には全文改正し、簡易保険契約における基本的な項目について規定したものです。事業の経営や、国や加入者の権利義務、またはそれに伴う紛争処理などについてまとめられており、この法律をもとに簡易保険が運営されていました。

かんぽ生命保険の商品と特徴

かんぽ生命保険では、利用者の様々なニーズに応えるために多種多様な商品を提供しており、その中からご自身の状況に合わせた保障を選ぶことができます。

しかし、かんぽ生命保険だけに限ったことではありませんが、保険にはメリットもあればデメリットもあります。契約を考える際にはその点についても充分に考慮する必要があります。

かんぽ生命保険の取り扱い商品

保険の種類

特徴

終身保険

  • 保障が一生涯
  • 家族に生活費を残せる

定期保険

  • 保険料を安く抑えられる
  • 少額の掛金で大きな保障

養老保険

保障と貯蓄が両立できる

学資保険

高額な学費に備えられる

長寿支援保険

受取年金額を大きくできる

かんぽ生命保険のメリット・デメリット

メリット

デメリット

  • 郵便局が窓口となる
  • 告知のみで加入できる
  • 職業別の保険料がない
  • 保険料が高め
  • 保障上限が1,000万円まで
  • 医療保障が弱い

かんぽ生命保険は近くの郵便局で手続きができ、医師の診断なしで加入できるといったメリットがある一方、保障額が少ないことや保険料が高めといったデメリットがあります。

また、かんぽ生命保険は医療保険の保障が弱いという特徴があります。

医療保険がん保険に特化した商品がないため、医療面での充実を図りたい場合は、特約を付帯して保障に厚みを持たせることになります。

2019年に起きたかんぽ生命保険の不適切販売問題

2019年にはかんぽ生命保険の不適切販売問題が大きな話題となりました。

当時の問題を一言であらわすと、契約者にとって不利益な勧誘や保険販売が日本全国で行われていたということでした。

具体的に次の3つが不適切な販売として大きな問題になりました。

① 旧契約から新契約への乗り換え謝絶

簡易保険からかんぽ生命保険への乗り換えの際に、契約者の健康状態などを理由に、旧契約から新契約への乗り換えを謝絶していたケースが多数発覚しました。

また、旧契約から新契約に乗り換えた契約についても、簡易保険で受けられた保障が受けられなくなってしまった、というケースもありました。

簡易保険の契約者から契約乗り換えの相談を受けた際、それが契約者にとって不利になることを局員があらかじめ把握していても、あくまでマニュアル通りに対応を行ったことで、契約者に大きな不利益を与えることとなりました。

② 保険料の二重払い

かんぽ生命保険への乗り換え後も、旧保険である簡易保険の保険料を二重に支払っていたというケースも問題になりました。

一般的に、保険を乗り換える際は、新契約の締結後に旧契約を解約することになります。

しかし、局員に課せられた契約数ノルマと、その成果に対する報奨金制度を理由に、局員が故意に旧契約を解約させず、旧契約の保険期間中に新契約を契約させ、二重に保険料を払わせていたケースが全国で発覚しました。

単に保険の乗り換えでは局員が受け取ることのできる報奨金は半額だが、新契約の場合は満額となるというかんぽ生命が定めたルールを背景に、新契約の乗り換え後もすぐには旧契約を解約させず、契約を継続させていたことが大きな問題となりました。

③ 無保険期間の発生

②のケースと似ていますが、局員のノルマ達成と報奨金のために、無保険期間を故意に発生させていたケースもありました。

当時、かんぽ生命においては旧契約の解約後、3か月以内の契約は「契約の乗り換え」とみなされ、新契約として認められないという独自のルールがありました。

乗り換え後の契約を新契約とするために、旧契約を解約した後、4か月間以上の期間を空け、新契約が締結されていたというケースが多数発覚しました。

もしこの旧契約と新契約の間の空白期間に何かあったとしても、無保険期間のため契約者は保障を受けることはできませんでした。

問題発覚後のかんぽ生命

こういった不祥事が相次いで発覚したことを受け、同年には金融庁からかんぽ生命含む日本郵政グループに対し、業務停止命令及び業務改善命令が下されるなど、非常に重い行政処分が行われました。

その後、かんぽ生命は全契約(2019年3月以前の過去5年間分の消滅契約を含む約3千万件)調査の実施等で業務改善と信頼回復に努め、今日にいたるまで、その進捗状況についてホームページで定期的に公表しています。

簡易保険・かんぽ生命保険の契約内容を確認するには

数々の重大なコンプライアンス違反により、日本郵政やかんぽ生命に対し、金融庁を筆頭に常に厳しい目が向けられるようになりました。

この問題をきっかけに、加入中の簡易生命やかんぽ生命保険の契約内容について今一度しっかりと確認しておきたいと思われた方も当時多かったでしょう。

なおかんぽ生命保険の契約内容については、毎年契約者の誕生月に合わせに郵送される「ご契約内容のお知らせ」で確認することができます。また、インターネットのマイページでも同じ内容が確認可能です。

もし「ご契約内容のお知らせ」を紛失してしまった場合は、郵便局の窓口やかんぽコールセンター(0120-552-950)で再発行の依頼ができます。

また、簡易保険についての問合せや相談は、最寄りの郵便局やかんぽコールセンター(0120-552-950)で受け付けています。なお、簡易保険は契約内容の変更や新規での加入は現在受け付けていないため注意が必要です。

かんぽ生命から別の保険への乗り換えを検討するときは

日本郵政やかんぽ生命ではその後今日まで健全な運営のための取り組みを続けていますが、もし現在のかんぽ生命の契約を見直し、ご自身に必要な保障を改めて検討したいという方は、コのほけん!にて各種保険商品と比較・検討してはいかがでしょうか。

また、専門家のアドバイスを受けたいという方は、独立系FP(ファイナンシャル・プランナー)など保険の専門家に相談することをおすすめします。

ご自身にとって必要な保障がもれなく現在の契約でカバーされているか確認し、日々の暮らしに安心して備えておくようにしましょう。

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