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生命保険(死亡保険)

貯蓄型保険は見直すべき?見直しのポイントとタイミングを解説

貯蓄型保険は見直すべき?見直しのポイントとタイミングを解説

貯蓄型保険を見直すにあたり、予定利率や解約返戻率など、確認すべきポイントは多くあります。

保険料の支払いを負担に感じる場合や、より効率的にお金を増やしたい場合は、見直しを検討するよい機会となります。

また、ライフイベントの変化や節目の年齢も、貯蓄型保険を見直す最適なタイミングとなります。

この記事では、貯蓄型保険を見直す際の具体的なポイントやおすすめのタイミング、また解約時の注意点について詳しく解説します。

この記事のポイント

  • 貯蓄型保険を見直す際は、加入時の予定利率や解約返戻率を確認し、保険料の負担感や投資商品との比較を行うことが重要である。
  • 見直しのタイミングは、結婚や出産などのライフイベントを控えた時期や、契約から一定年数が経過した30代以降の節目の年齢が適している。
  • 安易な解約は元本割れや税金が発生するリスクがあるため、解約返戻金や新たな保険への加入可否をあらかじめ確認するとよい。

貯蓄型保険とは?

貯蓄型保険とは?

貯蓄型保険とは、万一に備える「保障」の機能と、お金を積み立てる「貯蓄」の機能を兼ね備えた保険の総称です

支払った保険料の一部が積み立てられ、解約時には「解約返戻金」、満期時には「満期保険金」などを受け取れます。

貯蓄型保険の代表例は以下のとおりです。

保険種類

概要

終身保険

一生涯の死亡保障を確保しながら、契約年数に応じて解約返戻金が増えていく保険

養老保険

保険期間中に亡くなれば死亡保険金、満期まで生存すれば同額の満期保険金を受け取れる保険

学資保険

子どもの進学時期に合わせて満期金や祝金を受け取る、教育資金準備のための保険

個人年金保険

契約時に決めた年齢から年金を受け取る、老後資金準備のための保険

貯蓄型保険には「万が一に備えつつライフイベントに備えた貯蓄ができる」「貯蓄が苦手でもお金が貯まりやすい」といったメリットがあります

一方で、同じ保障内容の掛け捨て型の保険に比べると保険料が高くなる傾向があり、途中解約すると元本割れしやすいというデメリットもあります

元本割れ(がんぽんわれ)とは?

払込保険料よりも受け取る解約返戻金の金額が少なくなること。

関連記事:4種類の貯蓄型保険を比較!終身保険・学資保険・個人年金保険・養老保険の違いやメリット・デメリットを解説

貯蓄型保険の見直しポイントとは?

貯蓄型保険を見直すときは、予定利率や解約返戻率、保険料の負担感などを確認しましょう。

さらに、資産運用をした場合と比べてどうかも含めて判断することが大切です。

予定利率を確認する

貯蓄型保険の見直しを検討する際は、まず予定利率を確認しましょう。

貯蓄型保険の保険料は、加入時の予定利率によって決まります。

予定利率(よていりりつ)とは?

保険会社が契約者から預かった保険料を運用する際に見込む利回りのこと。

同じ保険金額であっても、予定利率が高ければ保険料は安くなり、低ければ保険料は高くなります。

予定利率は、加入時の水準が保険期間を通じて適用されます。

なお、1999年以前の貯蓄型保険には現在と比べて非常に高い予定利率が設定されていたため、一般に「お宝保険」と呼ばれています。 

こうした保険は、現在の水準では考えられないほど割安な保険料で、高額の保険金や満期返戻金を受け取れる可能性があります

そのため、安易に解約しないよう注意が必要です。

■ 保険契約年と予定利率の変遷

契約年

標準利率(平準式)

1993年

4.75%

1994年

3.75%

1996年

2.75%

1999年

2.00%

2001年

1.50%

2013年

1.00%

2017年

0.25%

なお、2024年末以降、日銀の金融政策正常化による長期金利の上昇を受けて、大手生命保険会社が相次いで予定利率を引き上げています

たとえば、日本生命は2025年1月に年金保険の予定利率を0.6%から1.0%に、終身保険を0.25%から0.4%に引き上げました。

明治安田生命も2025年4月に学資保険の予定利率を1.5%から1.75%に改定しています。

現在の契約の予定利率と、新たに加入できる商品の予定利率を比較し、乗り換えにメリットがあるかどうかを検討しましょう。

どのような商品が自分に合っているか判断に迷う場合は、ファイナンシャルプランナーに相談するのもひとつの方法です。

関連記事:生命保険における予定利率と標準利率の違いは?利率の推移と今後の展望

解約返戻率を確認する

貯蓄型保険を見直す際には、解約返戻率にも注目しましょう。

解約返戻率(かいやくへんれいりつ)とは?

払込保険料の総額に対し受け取れる保険金を表した割合のこと。

解約返戻率が100%であれば払込保険料と同額が戻りますが、100%を下回ると払込保険料よりも少ない解約返戻金しか受け取れません

解約返戻率のイメージ

保険料の払込期間をすでに終了している貯蓄型保険であれば、解約返戻率が100%を超えるものが多いでしょう。

払込保険料を上回る解約返戻金を受け取りたい場合は、解約返戻率が100%を超えているタイミングで見直すとよいでしょう。

家計に対する保険料支払いの負担感を確認する

掛け捨て型の保険と比較すると、貯蓄型の保険の多くは保険料が割高のため、一時的に収入が減ったときなどには大きな負担になる可能性があります

なお、貯蓄型保険は「払済保険」や「延長保険」に変更できる場合があります。

払済保険であれば保障が縮小する代わりに保険料の支払いを中止でき、延長保険であれば保険期間を短くすることができます。

また、解約を検討する場合は、解約返戻率が100%を超えるまたは100%に近いタイミングを目安にするとよいでしょう

なお、貯蓄型保険の解約返戻金で、新たに掛け捨ての保険に加入することも可能です。

保険料が安い掛け捨て型の保険で死亡保障をカバーすれば、保険料負担も大幅に軽減されるでしょう。

ただし、家計を見直す前に、貯蓄型保険だけを見直すのは避けましょう。

ファイナンシャルプランナーに相談すれば、保険だけでなく家計の見直しも可能です。

保険を見直す前に、収入と支出のバランスをチェックしてもらいましょう。

関連記事:延長保険と払済保険の違いとは?仕組み・デメリットをわかりやすく解説

貯蓄が目的なら投資も検討する

貯蓄型保険には死亡保障と貯蓄機能の両方がありますが、「お金を増やす」ことが主な目的であれば、保険以外の金融商品と比較することをおすすめします

近年は予定利率の引き上げが進み、貯蓄型保険の運用条件は以前より改善されつつあります。

しかし、保険料には保障にかかるコストや保険会社の事業費が含まれているため、同じ金額を運用に回した場合、投資専用の金融商品のほうが効率よく資産を増やせる可能性があります

たとえば、2024年にスタートした新NISAでは、非課税保有期間が無期限となり、年間最大360万円まで非課税で運用できます。

通常口座とNISA口座の違い

また、老後資金の準備を目的にするなら、掛金が全額所得控除になるiDeCo(個人型確定拠出年金)も有力な選択肢になるでしょう。

いずれも元本保証はありませんが、長期運用を前提にすれば貯蓄型保険を上回るリターンが期待できる可能性があります。

一方で、貯蓄型保険には万が一のときに保険金が支払われるという投資商品にはない安心感があります。

大切なのは、「保障」と「資産形成」のどちらを優先するかを明確にすることです。

バランスに迷う場合は、ファイナンシャルプランナーに相談して、保険と投資の役割分担を整理してもらうとよいでしょう。

関連記事:資産形成の必要性や種類とは?おすすめな方法や年代別の始めるタイミング

貯蓄型保険の見直しにおすすめのタイミングとは?

貯蓄型保険の見直しにおすすめのタイミングとは?

貯蓄型保険は長期間の契約が前提のため、見直しのタイミングによって受け取れる金額や保険料の負担が変わる場合があります。

次のようなタイミングで、定期的に契約内容を点検するのがおすすめです。

ライフイベント(結婚・出産・子どもの独立など)を予定している

必要な保障額や貯蓄額は家族構成によって大きく変わるため、ライフイベントの前後は見直しに適したタイミングです

たとえば結婚や出産で守るべき家族が増えれば、死亡保障を手厚くする必要が出てくるでしょう。

反対に、子どもが独立すれば高額な死亡保障は不要になることが多く、保障を減らして保険料を老後資金の積立に回すという選択肢も生まれます。

また、住宅ローンを組む際に団体信用生命保険(団信)に加入すると、遺族の住居費に関する保障は必要性が低くなるでしょう。

ライフイベントを迎える前後には、保障額・保険料・受取時期が今の状況に合っているかチェックしてみてください。

関連記事:住宅ローンの団信は必要?加入必須の理由や種類別の保障、注意点と選び方を解説

貯蓄型保険を契約してから一定年数が経過した

大きなライフイベントがなくても、契約から5年〜10年といった一定年数が経過したら、一度は契約内容を点検しましょう

「子どもの進路が変わり、必要な教育費が変わった」「収入に変化があり、保険料の負担が重く感じるようになった」といった理由で、見直しが必要になるケースは少なくありません。

また、保険商品も日々進化しているため、同じ保険料で条件の良い商品が出ている可能性もあります。

さらに、貯蓄型保険は契約からの経過年数によって、解約返戻率が大きく変わります

保険料を払い込んでいる途中は返戻率が低く、払込が終わると100%を超えるケースが一般的です。

定期的に「今解約したらいくら戻るのか」を保険会社に確認しておけば、見直しのタイミングを見極めやすくなります。

関連記事:

30歳・40歳・50歳など節目の年齢を迎えた

30歳・40歳・50歳といった節目の年齢を迎えたときに、貯蓄型保険を見直す方は少なくありません。

30代は、結婚や出産を経験する方も多いタイミングです

独身時代の保障内容がライフプランに合わなくなっているケースがあるため、保障の過不足がないか確認してみましょう。

40代は住宅ローンや教育費の負担がピークに近づく一方、老後資金の準備も意識し始める時期です

貯蓄型保険の保障内容が家計全体のバランスに合っているか、改めて確認するよい機会と言えるでしょう。

50代になると子どもの独立が視野に入り、必要な死亡保障は一般的に減少します

一方で、自身の医療費や介護への備え、退職後の生活資金の準備が重要になってくるタイミングです。

高額な死亡保障を維持するよりも、保障を縮小することで浮いた保険料を老後資金の積立に回す方法もあります。

資金の使い方を見直す方向で、検討してみるとよいでしょう。

貯蓄型保険を解約・変更する際の注意点

貯蓄型保険の見直しでは、解約や変更の判断そのものだけでなく、手続きの進め方にも注意する必要があります。

知らずに手続きを進めてしまうと損をするケースもあるため、以下のポイントを押さえておきましょう。

解約返戻金が払込保険料を下回る場合がある

貯蓄型保険は、保険料の払込期間中に解約すると、解約返戻率が100%を下回り、いわゆる「元本割れ」になるケースが一般的です。

特に、低解約返戻金型の商品では払込期間中の返戻率が大幅に抑えられているため、解約のタイミングには十分注意するとよいでしょう

手続きの前に、保険会社に現時点の解約返戻金額を確認しておくことをおすすめします。

解約返戻金に税金がかかることがある

契約者本人が解約返戻金を受け取り、その金額が払込保険料の総額を上回った場合、差額は一時所得として所得税・住民税の課税対象になります

一時所得には50万円の特別控除がありますが、予定利率の高いお宝保険など長期間積み立てた契約では差額が大きくなり、課税される可能性があります。

手取りでいくら残るかまで計算したうえで判断しましょう。

関連記事:保険の解約返戻金に税金はかかる?確定申告は必要?ケース別にシミュレーション

新しい保険に入り直せるとは限らない

解約後に別の保険へ加入し直す場合、加入時の年齢が上がっている分だけ保険料は高くなります

また、健康状態によっては新たな保険に加入できない可能性もあります。

見直しで新規加入を検討している方は、保障の空白期間を作らないよう注意し、現在の契約を解約する前に、新しい保険の加入手続きを完了させておきましょう。

まとめ

貯蓄型保険を見直したい方は以下のポイントを参考にするとよいでしょう。

  • 1999年以前の高い利率のお宝保険は見直しを慎重に検討する
  • 貯蓄型保険を解約する場合は解約返戻率に注意すること
  • 保険料の負担が大きいと感じるなら家計とともに見直しを検討
  • 資産運用目的であれば、投資性が高い商品への切り替えも検討

貯蓄型保険はメリットが多い一方で、契約ごとに予定利率や返戻率の条件が異なります。

自分だけで判断が難しい場合は、ファイナンシャルプランナーに相談するのがおすすめです。

保険だけでなく家計全体のバランスを踏まえたうえで、最適な保障と資産形成の形を一緒に考えてくれるでしょう。

さらに、貯蓄型保険の解約時の注意点について知りたい場合は、【しっかり保険、ちゃんと節約。】貯蓄型保険はやめてもいい?見直し方法や解約時の注意点を解説も参考になります。