タトゥー・刺青があると生命保険に入れない?ばれたらどうなる?入れる保険はある?
日本はタトゥー、刺青、入れ墨などの彫り物に対して厳しい国です。公共浴場やプールなどでは入場・利用が制限されることも少なくありません。タトゥーがある場合、生命保険に入れない可能性が高くなります。本記事では、タトゥーがあると生命保険に入れない可能性が高くなる理由やタトゥーがある場合の生命保険の加入について解説いたします。
本記事のポイント
- タトゥーがあると生命保険の加入が難しくなる
- タトゥーを隠して保険に加入すると、最悪契約解除か取消になる可能性も
- 保険金・給付金の支払いに影響が出る場合もある
なぜタトゥーがあると生命保険に入れない?
タトゥーとは
タトゥーとは、針等で皮膚に墨や絵の具を入れ、文字や絵を描く技法、またはそのものを言います。
タトゥー(TATOO)と刺青、入れ墨は彫り物であり、絵柄が和風か洋風かで呼び分ける人もいれば、彫り物をすべてをタトゥーと呼ぶ人もいるので、そこに本質的な違いはありません。
生命保険の契約においてタトゥーが敬遠される理由は下記の2つです。
- 反社会的勢力との関係が疑われるから
- 医学的リスクがあるから
反社会的勢力との関係が疑われるから
文化的な理由として、反社会的勢力、特に日本のやくざは背中に和彫りと呼ばれる和柄の入れ墨をいれていることが多く、任侠映画などでそのイメージが広く知られています。抗争等による保険金支払いのリスクの高さ、保険金殺人や保険金詐欺などのモラルリスクを避けるために、タトゥーは敬遠すべきものとなっています。
そもそも国の主導で反社会的勢力との取引・関係を遮断していくという指針もあるため、加入前段階のモラルリスクなどのチェックで引っかかる可能性が高くなります。
医学的リスクがあるから
タトゥーには医学的リスクが指摘されています。
不衛生な環境での施術や針の使い回しなどによる感染症のリスク、タトゥーに利用される着色料に重金属などのアレルギー物質が利用されていることによるアレルギー発症のリスク、MRIを利用する時に火傷等を負うリスクが指摘されています。
特に、タトゥーの器具が使い回されている場合、微かに付いた血液を介してエイズウイルス、B型およびC型肝炎などのウイルスが感染している可能性を考慮する必要があります。
例えばですが、献血の場合、タトゥーを入れてから6ヶ月以内は献血を避けてほしい理由として下記の内容が書かれています。
6カ月以内にいれずみを入れた方は、肝炎などのウイルス感染の可能性が否定できませんので、献血をご遠慮いただいています。
つまり、タトゥーをいれている人は医学的リスクが高い状態にあると言えます。
生命保険は集団のリスクを同程度に揃えて全員で分担することで成立するものであるため、リスクの高い人を通常のリスクの集団にいれるべきか否かという点で問題にもなるため、保険の加入が難しくなります。
結論はタトゥーがあると生命保険に入れない?
ココがポイント
タトゥーがあることで生命保険への加入が難しくなることは確かです。
ただし、絶対に生命保険に入れないというわけではありません。
タトゥーを隠したまま生命保険に加入し、ばれたらどうなる?
告知は、自分の健康状態を含めありのままを伝えるようにしましょう。
タトゥーに限らず、何らかの告知すべき内容を告知せず隠したまま生命保険に加入したことがばれた場合、契約解除または取消となります。
保険期間(保障期間)の途中で、保険会社の意思で、その保険契約が最初から存在しなかったのと同じ状態にすることです。
保険法に、保険契約者等が故意または重大な過失により告知義務に違反した場合には、保険会社は、保険契約を解除することができると定められております。
契約解除の詳細な条件は保険約款によるのですが、保険会社が契約解除をした場合、最初から保険契約が存在しなかったことと同じ状態になるため、死亡や入院などが発生していても保険金や給付金は支払われません。解約返戻金がある契約の場合、解約返戻金は支払われます。
なお、保険会社が告知義務違反を把握してから1ヶ月間解除をしなかった場合、もしくは、その保険契約の締結から5年を経過した時は、解除をすることはできません。
出典:保険法55条、84条
保険契約の取消とは、詐欺だと認定された場合に「取消」となり、既に支払った保険料は返還されません。
関連記事:なぜ生命保険に告知が必要なの?その重要性と告知の種類を解説します
タトゥーがある場合、保険金はおりる?
タトゥーがあることを告知した上で、部位不担保等の条件付きの生命保険の契約でない限り、通常の契約と同様に、保険金・給付金は支払われます。
タトゥーがあることを隠して加入している保険契約の場合は、ケースバイケースで一概に言うことができません。加入後にタトゥーをいれた場合も同様です。
タトゥーがあっても入れる保険はある?
タトゥーがあっても入れる保険はあります。
反社会的勢力との関わりがないことを証明し、健康状態などについてもありのままを告知することで加入可能な場合もあります。
ココに注意
保険会社、加入する商品によって異なるため、担当者または保険会社に相談をしましょう。
関連記事:「万が一」に備える生命保険は、3つの判断基準で見つけよう
まとめ
タトゥーをファッションとして楽しむ方が増えていますが、一方で、保険の契約や公共施設の利用などの面で制約がかかってしまうことは否めません。保険に加入する際には、事実をきちんと告知することが大事です。自分に適切な保険を選べるようにファイナンシャルプランナーなど、専門家のアドバイスを受けてみてはいかがでしょうか。