法人保険とは?その仕組みや概要について解説
法人は、自動車保険や火災保険といった損害保険だけでなく、生命保険の契約者になることもできます。では、法人が加入する生命保険はどのような仕組みになっているのでしょうか。また、生命保険の契約者を法人にすることには、どのような意義があるのでしょうか。
法人も生命保険の契約者になることが可能
生命保険は個人だけでなく、法人も契約者となることができます。ひとくちに「生命保険」といっても様々な種類がありますが、法人で加入できる商品としては以下のようなものが挙げられます。
・定期保険
・逓増定期保険
・長期平準定期保険
・終身保険
・逓減定期保険
・収入保障保険
・医療保険
・がん保険
・養老保険
これらの商品は法人名義でも個人名義でも加入することができ、どちらで加入したとしても保障内容に違いはありません。
法人保険の仕組み|被保険者は?受取人は?
生命保険に法人名義で加入する場合、被保険者や保険金受取人、税務処理などの点において以下のようなルールが設けられています。
法人保険の被保険者になれるのは誰?
法人名義で加入する生命保険の被保険者になることができるのは、「代表取締役」「役員」「従業員」に限られます。法人保険はあくまでも会社が抱えるリスクをカバーするために加入するものであるため、その被保険者になることができるのも当然、会社に関係する人に限られるのです。ただし保険会社によっては、代表取締役の役員に限り、その家族も被保険者にできるケースがあります。
また、具体的な金額は生命保険会社によって異なりますが、代表取締役、役員、従業員、それぞれについて設定できる保険金額の上限が定められています。
法人保険の保険金受取人は法人
生命保険に個人名義で加入する場合、保険金受取人は配偶者や子供など、ある程度自由に指定することが可能です。これに対して法人で加入する生命保険の保険金受取人は、「法人」に限られます。
もちろん、給付された保険金を原資に会社として遺族補償をすることは可能ですが、その場合は退職金規定を定めたうえで、その規定に則り、退職金や死亡弔慰金を支給する必要があります。
法人保険の保険料は損金処理できる
法人名義で加入した生命保険の保険料は、基本的に法人が負担します。そして負担した保険料は、その全部または一部を、損金処理することが可能です。これは、法人名義で生命保険に加入する大きなメリットのひとつと言えるでしょう。
法人が契約者となり生命保険に加入する意義
法人名義で生命保険に加入することには、以下のような意義があります。
・社長や役員に万一のことがあった場合への備え
・不測の事態に対応するための事業資金の積立による財務基盤の強化
・将来必要になる退職金を支払うための準備
・決算対策
法人保険を検討する場合は、自社に必要な保障について考察し、財務状況を踏まえつつニーズに合った商品を選択することが大切です。