健康に不安がある、持病があっても入れるがん保険はある?持病がある人のがん保険の選び方について
「がんは身近な病気」と言われる一方で、「持病があるとがん保険に入れないのでは」と不安を感じ、諦めてしまう方も少なくありません。
しかし、がん保険の加入可否は一律ではなく、病歴の内容や保険会社の基準によって大きく異なります。
この記事では、がん保険と医療保険の違い、告知の考え方、持病があっても加入できる可能性について解説します。
この記事のポイント
- がん保険はがんに特化した保障であり、免責期間や診断給付金など医療保険とは異なる特徴を持つ。
- がん保険の加入可否は、告知内容によって判断される。持病や病歴があっても、保険会社や商品を変えれば加入できる可能性がある。
- 保険会社ごとに引受基準は異なるため、複数商品を比較し、自分の状況に合った選択をすることが重要である。
がんとはどんな病気?
「がん」とは、医学的には「悪性新生物(悪性腫瘍)」と「上皮内新生物(上皮内がん)」を指します。保険における「がん」とは、一般的に「悪性新生物(悪性腫瘍)」のことを指します。
「悪性新生物(悪性腫瘍)」は、体を構成する細胞に由来し、がん細胞が臓器の表面を覆っている上皮の内側にとどまらず、上皮と間質を隔てる膜(基底膜[きていまく])を破って広がっている状態を指します。
特徴としては以下の3点が挙げられます。
- 自律性増殖(じりつせいぞうしょく):自律的に勝手に増殖を続け、止まることがない
- 浸潤と転移(しんじゅん と てんい):周囲にしみ出るように広がり、体のあちこちに飛び火し、次から次へと新しいがん組織をつくる
- 悪液質(あくえきしつ):がん組織が他の正常組織が摂取しようとする栄養をどんどん奪ってしまい、体が衰弱する
「上皮内新生物(上皮内がん)」は、臓器の表面を覆っている上皮の内側でがん細胞がとどまっており、上皮と間質を隔てる膜(基底膜[きていまく])を破って広がっていない状態です。手術をすれば治すことができ、転移する恐れが少ないとされています。
この上皮内新生物の取り扱いは、保険会社、保険商品によって異なります。
上皮内新生物は診断給付金の対象外となっていたり、保障対象でも、「悪性新生物(悪性腫瘍)」と比べて金額が低く抑えられている商品も存在します。
必ず、そのがん保険における「がん」の定義を確認するようにしましょう。
関連記事:がん保険における「がん」は2種類。悪性新生物と上皮内新生物の違いについて解説
がん保険とは?
それでは、がん保険とはどんな保険なのでしょうか?
がん保険とは病気の中でもがんに限定して保障する保険です。
保障の対象ががん限定であるため、がん以外の病気やけがについては保障の対象ではありません。
また、契約後3カ月または90日以内等の免責期間(待機期間)が設定されています。
この免責期間内に「がん」と診断された場合、保障はされず、そのがん保険の契約は無効となります。
これは「がん」という病気の特性上、罹患していても自覚症状が出ていない等で気づかない場合があるため、各社は免責期間を設けています。
■ がん保険の主な保障内容
- がん診断給付金
- がん入院給付金
- がん通院給付金
- がん手術給付金 など
上記以外にも、がん先進医療特約、放射線治療給付金、緩和療養給付金、保険料払込免除特約など保険会社によって名前や保障内容は異なります。
がん保険は日々進化しており、様々な保障を選択することが可能です。
医療保険とは?
医療保険とはどんな保険でしょうか?
医療保険とは民間の保険会社が販売している保険のひとつで、がん等特定の病気に限定せず、思わぬ病気やケガで入院や手術をしたときの費用に備えるための保険です。
一般的に、医療保険には「がん保険」のような「免責期間」などは設定されていません。
■医療保険の主な保障内容
- 入院給付金
- 手術給付金
- 通院給付金特約
- 退院給付金特約
- 先進医療特約
- 三大疾病特約
- がん特約 など
上記以外にも様々な特約がありますが、入院給付金と手術給付金の基本保障にこれらの特約を組み合わせることで、医療保険をさらに充実したものにすることができます。
また一方で、保障内容を限定することで保険料を安く抑えることもできます。
各保険会社の商品も多種多様であり、シンプルなものから特約をたくさん選ぶことのできるものまで様々です。
がん保険と医療保険の違い
ここまでで「がん保険」と「医療保険」の違いをまとめると下記の通りとなります。
- がん保険はがんに限定し保障する。医療保険はがんを含め病気・けが全般を保障する。
- がん保険には免責期間がある。医療保険には原則、免責期間がない。
- 商品にもよるが、最近のがん保険は、入院給付金について入院1回ごとの支払限度日数も、通算の支払限度日数も無制限であることが多い。医療保険は、一入院につき60日、通算180日といった制限が一般的である。
- がん保険には、「がん診断給付金」があり、がんと診断された時点で給付されるものであり、給付回数などが様々である。
医療保険だけで十分?がん保険も必要?
「医療保険に入っていれば、がんも保障されるので十分じゃないの?」確かにそう考えることもできます。細かくいうと、医療保険、がんになって働けなくなった場合の生活費、そして再発・転移した場合等の諸費用を払えるだけの貯蓄がある方であれば、医療保険だけで十分ということができます。
しかし、一体、どれだけの方がそれだけの備えをできているのでしょうか?
医療保険では、一回の入院についての日数の制限、通算支払限度日数などの各種の制限があるため、がんの再発・転移といった場合による入院の長期化に対応しきれない可能性があります。その点、最近のがん保険であれば、入院日数無制限がほとんどですので、そういった心配をする必要がありません。
詳しくは、下記の記事をご参考ください。
関連記事:がん保険は不要?医療保険でいい?
がん保険の加入と告知について
生命保険に加入する場合、原則として「告知」が必要です。
告知とは、被保険者(保障の対象になる人)の、現在の健康状態や過去の病歴、職業などを保険会社に知らせることです。
この告知をもとに、生命保険会社でその契約を引き受けるかどうかの審査が行われます。
告知が必要かどうか、具体的な告知の内容は、保険商品・保険会社によって異なりますのでご注意ください。
告知は基本的に、保険会社ごとに用意された「告知書の質問事項」に「ありのままの健康状態」を答えることで行います。
保障内容や年齢によっては、健康診断書等の提出や医師の診査を受ける必要がある可能性もあります。
健康診断書扱いや医師の診査書扱いにすることで、健康状態が優良であると保険会社の条件に合致する場合には保険料が安くなる可能性もあります。
がん保険における告知について
まず、一般的に、がん保険の加入の際に告知で大事なことは「被保険者が現在がんであるかどうか、もしくはがんにかかったことがあるか」という点です。
「がん」という病気の特性上、再発・転移というリスクがあるため、生命保険会社が契約を引き受ける以上、その他の契約者(被保険者)との公平の観点から、がんの病歴についての告知は重要となってきます。
当然ながら、がん経験者はがん保険への加入が困難です。
ただし、がん以外の病歴があったり、現在治療中の病気がある場合、その病気によってがんになる可能性が低いと判断されれば、がん保険に加入できる可能性があります。
がん保険の加入基準は、生命保険会社や保険商品によって異なるので、告知の際にはありのままを知らせるようにしましょう。
正しく告知を行わなかった場合はどうなるの?
告知は、加入者が保険会社に健康状態などをありのままを告げる義務があります。
もし告知事項を偽って(告知義務違反)、その事実を生命保険会社が知った場合、保険会社は責任開始日(復活の場合は復活日)から2年以内であれば、契約を解除することができます。
ただし、これは契約から2年経っていれば問題ないということではありません。
最終的に大きな不利益を被りますので、必ず、ありのままを告知しましょう。
関連記事:保険加入時の告知の重要性・生命保険に加入するときの注意点
病気でも入れるがん保険はあるの?
ここまでで告知と保険の加入の関係、がん保険の告知などについてみてきました。
「結局、病気でも入れるがん保険はあるの?ないの?」答えとしては、「あります」。ただし、一概に言うことは出来ません。
商品の選び方と、告知の内容次第で変わってきます。
がん保険の告知のセクションで触れましたが、がん経験者はがん保険への加入が困難です。
ただし、がん以外の病歴があったり、現在治療中の病気がある場合、その病気によってがんになる可能性が低いと判断されれば、がん保険に加入できる可能性があります。
Aという生命保険会社では持病が理由でがん保険に加入できなかったとしても、Bという生命保険会社では加入できる可能性があります。
これは、生命保険会社ごとにがん保険の加入の条件が違っているためです。必ず、複数の保険会社の商品を検討しましょう。
関連記事:保険に入れない病気一覧とは?持病で保険に入れない場合の対処法
まとめ
がん保険は、がんの治療費だけでなく、再発や長期療養による生活費の不安にも備えられる保険です。一方で、持病があるという理由だけで加入を諦めてしまう必要はありません。
告知内容の考え方や保険会社ごとの引受基準を正しく理解すれば、選択肢は広がります。
自分の健康状態に合ったがん保険を見つけるためにも、ぜひ複数の商品から比較・検討してみましょう。


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