バイク保険

バイク保険の等級制度とは?仕組みや等級ごとの割引率、引き継ぐ方法まで徹底解説!

バイクやオートバイに乗るときも、自動車と同様に自賠責保険だけでなくバイク保険(任意保険)に加入して、事故を起こしたときへの備えを十分にしておきたいところです。

補償の過不足がなく、保険料の無駄もない適切なバイク保険に加入するためにも、バイク保険の補償内容だけでなく、等級制度についても仕組み等を理解しておきましょう。 

この記事のポイント

  • バイク保険の等級制度は自動車保険と同様に1~20等級まであり、事故等による保険利用の有無により上下し保険料に大きく影響する。
  • 等級が上がると20等級で最大63%の割引が適用される一方、事故によって等級が下がると割引率が減少し、保険料が増加するリスクがある。
  • 保険会社の乗り換えやバイクの買い替え時も、一定の条件を満たせば家族間でも等級の引き継ぎが可能となる。また中断証明書を発行することで、等級を一定期間維持することも可能となる。

バイク保険の等級制度とは?基本を理解しよう

バイク保険の等級制度とは?基本を理解しよう

バイク保険にも自動車保険と同様にノンフリート等級制度があり、事故等による保険利用の有無によって等級が上下します。

そして、何等級になるかによって保険料が違うことから、保険料を抑えるためにも等級制度の仕組みを理解しておくことは大事です。

バイク保険の等級とは?自動車保険の等級と違いはある?

バイク保険の等級の仕組みは基本的に自動車と同じです。1等級から20等級まであり、無事故が続けば等級の数字が徐々に大きくなり、保険料は割安になっていきます。逆に事故を起こして保険を使うと等級の数字が小さくなり、保険料は割高になっていきます。

また、無事故と事故有の区分があり、当然ですが無事故のほうが保険料は割安になります。

バイク保険の等級

バイク保険の等級はどのように決まる?

バイク保険の等級は6等級からスタートし、無事故であれば毎年1等級ずつ上がっていきます。

無事故が続けば、今年が6等級なら来年以降は7等級→8等級→9等級のように上がります。20等級まであるので、14年続くと最高の20等級に達します。

なお、こくみん共済coopのマイカー共済は22等級(65%割引)まであります。

もし事故を起こして保険を使うと3等級または1等級下がります。等級が下がれば保険料は逆に上がります。

バイク保険の等級制度は自動車保険とは分けて考えるので、自動車保険で20等級の人でも新規でバイク保険に加入するなら、6等級からスタートです

バイク保険の等級ごとの割引率と仕組み

下記は東京海上日動の「オートバイの保険」の等級ごとの割引率です。

等級

1等級

2等級

3等級

4等級

5等級

6(F)等級

7(F)等級

8等級

9等級

10等級

11等級

12等級

13等級

14等級

15等級

16等級

17等級

18等級

19等級

20等級

割増引率(%)

無事故

108

63

38

7

2

13

27

38

44

46

48

50

51

52

53

54

55

56

57

63

事故有

14

15

18

19

20

22

24

25

28

32

44

46

50

51

 

割増

割引

保険の始期日から満期日までの1年間に保険を使わなければ、翌年の等級が1つ上がります。

例えば、今年が10等級なら翌年は11等級になります。仮に保険を使っても、ノーカウント事故のみだった場合は、同様に1等級上がります。無事故が続くと12等級で割引率が50%に達し、20等級では割引率が63%まで上がります。

おおよそ割引前の3分の1の保険料まで下がるので、事故等による保険利用がなければ、保険料をかなり節約できます。

バイク保険の等級が下がるケースとは?

一方で、事故を起こして保険を使ってしまうと等級が下がってしまいます。

下がり方は3等級下がる3等級ダウン事故と1等級下がる1等級ダウン事故があります。違いは下記の通りです。

  • 3等級ダウン事故

    対人・対物・車両事故を起こし、対人賠償・対物賠償・車両の保険等を利用(未払いや未請求も含む)

  • 1等級ダウン事故

    車両の盗難や、台風・地震等の災害による破損等で車両保険を利用

例えば、道路標識にぶつかって自分のバイクが壊れ、車両保険を使った場合は3等級下がります。車に追突して相手の車を壊してしまい、対物賠償保険を使った場合も3等級下がります。

台風でバイクが倒れて壊れてしまい、車両保険を使った場合は1等級下がります。

なお、人身傷害や搭乗者傷害等の特約のみ使ったいわゆるノーカウント事故の場合は、等級が下がらず無事故と同様に翌年は等級が1つ上がります。

また、保険を使うと等級が下がると共に事故有係数が適用され、これも割引率に反映されます。3等級ダウン事故では3年間、1等級ダウン事故では1年間事故有係数が適用されます。

関連記事:自動車保険の等級制度はどんな制度?「無事故」「事故有」の違いとは?

バイク保険の等級を維持・引き継ぐ方法とは

バイク保険の等級を維持・引き継ぐ方法とは

バイク保険の等級が上がって保険料が割安になっている状態なら、バイクを買い換えてもバイク保険を他の保険会社へ加入しなおしても、等級を引き継ぎたいところです。

一定の条件があるので、事前に確認しておきましょう。

バイク保険を乗り換える際の等級の引き継ぎルールとは?

バイク保険のノンフリート等級は、加入する保険を他の損害保険会社に変更しても引き継ぐことができます。

損害保険会社以外でもJA共済やこくみん共済coop、日火連、全自共等は引き継ぐことができます。一部共済との引き継ぎについては保険会社によって対応が異なるので、事前に保険会社や代理店へ確認したほうがよいでしょう。

また、自動車からバイク(またはバイクから自動車)は等級を引き継ぐことはできないので、自動車保険で20等級だとしても、バイク保険に新規で加入する場合は6等級からのスタートとなります。

等級を引き継ぐ際は、満期日の翌日から7日以内に次の契約を開始させる必要があります。8日以上経ってしまうと等級を引き継げずに6等級になってしまうので注意が必要です。

バイクを買い換えた場合でも車両入替の手続きをすることで、等級を引き継ぐことは可能です。しかし、手続きをせずに新規でバイク保険に加入すると、6等級以上の等級は引き継がれずに再度6等級からスタートするので、こちらも注意が必要です。

途中でバイクを手放す場合の注意点

バイク保険に加入していたけれど、海外転勤で数年間バイクに乗らないような場合は、保険会社へ中断の申請をして中断証明書を受け取っておけば、再度乗るようになった時に、元の等級を維持することができます。

自動車からバイクへ乗り換えたけれど、一定期間後にまたバイクから自動車ヘ乗り換えるような場合の自動車保険も同様です。適用条件や中断可能期間等は保険会社によって異なる場合もあるので、保険会社や代理店に確認してみるとよいでしょう。

家族間でバイク保険の等級を引き継ぐことは可能?

基本的に配偶者や同居の親族との間であれば、バイク保険の等級を引き継ぐことが可能です。

例えば、親のバイク保険の等級を引き継ぎたいのであれば、両親のどちらかと同居していれば引き継ぎが可能です。もし転勤や結婚等で別居する予定があるなら、同居している間に手続きをする必要があります。

こちらも保険会社によって対応が異なる場合もあるので、保険会社や代理店へ確認するとよいでしょう。

まとめ

バイクで事故を起こさなければノンフリート等級は上がり、保険料は下がります。事故がなければバイクの修理費用等もかからないので、バイクにかかわる支出を抑えることができます。

複数の保険会社のバイク保険を比較検討することで多少の保険料節約も可能ですが、より大きな効果があるのはバイク保険の等級を上げることです。そのためには事故を起こさないことです。日々安全運転を心掛けましょう!

なお、自動車保険にファミリーバイク特約があり、125cc以下ならファミリーバイク特約のほうでも補償を確保することは可能なので、バイク保険に加入するのがいいのか、既存の自動車保険にファミリーバイク特約を付けるのがいいのか、比較検討するとよいでしょう。

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