損せず生命保険を解約するタイミングはいつ?解約時の注意点をまじえて解説!
生命保険は、万が一の場合に備えるためのものですが、生命保険の解約はタイミングによっては損をすることもあります。そこで、今回は生命保険を解約する前に確認しておきたい保険解約のデメリット、解約のタイミングや損をするかどうかのチェックポイント、注意点について解説します。
解約する前にチェックしておきたい生命保険を解約するデメリット
生命保険は、万が一の場合に家族や身の回りの人々をサポートするために重要な役割を担う保険です。しかし、保険を解約することになった場合には、解約する前にチェックしておきたいデメリットは下記の通りです。
- 万が一の際の保障がなくなる
- 新しい生命保険へ加入できなかったり、保険料が値上がりすることもある
- 解約のタイミングによっては損をする
万が一の際の保障がなくなる
生命保険は、病気や事故などの万が一の際に保障を提供します。解約したら、当然、その保障がなくなります。保障がなくなっても問題ないかについて、保険契約を解約する前に慎重に考えましょう。
新しい生命保険へ加入できなかったり、保険料が値上がりすることもある
解約後、新しく生命保険への加入をしようとする場合に、保険料が高くなったり、加入ができない可能性があります。加入ができなくなる原因として考えられるのが、健康状態が解約した保険の契約をした当時よりも悪くなっている等であったり、保険料は、現時点の年齢で計算し直すため、一般的に年をとってからの申し込みのほうが保険料が高くなります。
解約のタイミングによっては損をする
次に、解約のタイミングによっては損をする可能性があります。生命保険は、契約期間中に保険料を支払うことで、解約時に返戻金を受け取ることができます。しかし、契約期間が短い場合や、保険料が高い場合は、返戻金が少なくなる可能性があります。解約する前に保険料と返戻金の関係を調べておくことが重要です。
また、保険契約によっては、解約返戻金がないか、あってもごくわずかである可能性もあります。ご契約されている保険の内容をきちんと把握してどうすべきか検討しましょう。
以上のように、生命保険を解約することにはデメリットがあるため、解約する前には必ずデメリットを確認し、自分にとって最善の方法を選択することが重要です。
関連記事:生命保険を解約するメリット・デメリットや損をしない4つの方法
生命保険を解約するベストなタイミングとはいつ?
生命保険を解約するベストなタイミングは、解約する目的が何のためであるかで違ってきます。
- まとまった資金が必要
- 保障の見直しに伴うもの
まとまった資金が必要
まとまった資金が必要で保険を解約する場合には、保険契約が期間満了になるタイミングが最も適しています。保険料を支払っていた期間中に何らかの事故や病気に遭っても、保障が受けられないため、解約するタイミングを間違えると損をする可能性があります。
保険の見直しに伴うもの
保険の見直しに伴う解約の場合には、新しい保険契約に入って保障が有効になってから既存の契約を解約することが望ましいです。新しい保険の内容や保険料を比較し、最も適した保険を選ぶためにも、既存の契約を解約するタイミングを適切に調整することが重要です。
繰り返しになりますが、生命保険の解約にはデメリットもあるため、解約する前には必ず慎重に検討してください。
生命保険を解約する時の注意点
生命保険を解約する場合には、注意点がいくつかあります。ここではその中でも重要な2つについて解説します。
50万円を超える解約返戻金は課税対象
生命保険の解約をして保険会社からの解約返戻金を一括で受け取った場合、この解約返戻金は払込んだ保険料との比較により課税の対象となるか否かが決まります。解約返戻金と払込んだ保険料の差が50万円を超える場合、50万円が控除対象で、残りの金額の半分に対して所得税が発生します。一方、50万円を超えない場合には所得税は発生しません。
解約返戻金 – 払込済みの保険料総額 – 特別控除額(最高50万円)= 一時所得の金額
税金の計算は、上記の式で算出した一時所得の2分の1に相当する金額を、それ以外の他の所得(たとえば、給与所得など)と合算して、総所得金額を計算し、総合課税という形になります。
例外があり、一時払養老保険、一時払損害保険等(保険期間が5年以内であるなど一定の要件を満たすもの)の差益等については、20.315パーセント(所得税および復興特別所得税15.315パーセント、地方税5パーセント)の税率による源泉分離課税で計算をすることになるため、総合課税とは異なります。
※出典:国税庁 No.1490 一時所得
解約返戻金の受け取りまで時間がかかる
生命保険の解約をすると、解約返戻金がある契約であれば、解約返戻金が支払われますが、受け取るまでには時間がかかることがあります。そのため、解約の際には支払いがいつになるのか事前に確認し、それに合わせて解約の準備をしましょう。
生命保険の解約の手続きの流れ
生命保険の解約は、一般的に、次のように流れになります。
- 解約の申し出
:保険会社に対して、解約の申し出を行う。 - 解約請求書を記入する
: 保険会社から送付される解約請求書へ必要事項を記入する。 - 解約請求書の提出
: 解約請求書を保険会社へ提出する。 - 解約返戻金の受け取り
: 解約返戻金がある保険契約であれば、保険会社から解約返戻金が支払われる。 - 解約手続き完了通知の到着
:保険会社から解約手続きが完了した旨の書面と、解約返戻金が支払われた場合には支払明細通知書が送付される。
関連記事:誰でもできる生命保険の解約の方法3つとは?解約の手続きの流れと3つの注意点もご紹介
まとめ
前提として、生命保険などの契約を解約する場合に損をしないということは難しいものです。また、生命保険を解約する理由として、保険料の継続的な負担が難しい、生活状況が変わって保障が不要になった場合や保障の見直しに伴うものなどがあります。解約する前に、解約することのデメリットを確認しましょう。特に、その保険を解約して、再度、同じタイプの保険に加入することができる健康状態であるのか、年齢であるのかも考慮することが大切です。
「保険契約を解約することによるデメリットを少しでも小さくする」=「損をしない」といえます。
保険会社などに相談することも検討し、生命保険の解約に際しては適切な判断をすることが必要です。