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法人保険

法人保険の税金の取扱いとは?課税対象になるケースなどを解説

法人保険は、万が一への備えや退職金準備として有効な一方、保険金や満期保険金、解約返戻金を受取った際には法人税が課税されます。

加入時に保険料の損金算入ばかりに目が向きがちですが、受取時の税務処理を誤ると想定外の税負担が生じかねません。

この記事では、法人保険の保険金等にかかる税金の基本と、ケース別の取扱い、税負担を抑えるための考え方について解説します。

この記事のポイント

  • 法人が受取る保険金・満期保険金・解約返戻金は、原則として益金に算入され法人税の課税対象となる。
  • 受取人や保険料積立金の有無によって税務処理は異なり、年金払特約や退職金支給を組み合わせることで税負担を平準化できる。
  • 益金算入の時期は権利確定主義に基づき、死亡日や満期到来日など原因事実が発生した事業年度となる。

法人保険の保険金・満期保険金・解約返戻金は課税対象となる

法人保険の保険金・満期保険金・解約返戻金は課税対象となる

法人が、加入している生命保険の保険金や満期保険金を受取った場合、あるいは、解約返戻金を受取った場合、その全額が益金に算入され法人税の課税対象になります。

ただし、それまで資産計上していた保険料積立金と配当積立金を差し引くことができますので、実際には以下の計算式により算出される額を益金に算入します。

保険金・満期保険金・解約返戻金 - (保険料積立金 + 配当積立金) = 益金算入額

例えば、受取った満期保険金が1,000万円、保険料積立金が800万円、配当積立金が100万円である場合、100万円を益金に算入することになるのです。

関連記事:法人保険の目的は?税務・事業保障・退職金への活用法

法人保険の税金の取扱いについてケース別にチェック

法人保険は、受取人や、保険料積立金・配当積立金有無によって、保険金等受取時の税金の取扱いに以下のような違いが生じます。

受取人

保険料・配当積立金の有無

税金の取扱い

法人

あり

保険金 - (保険料積立金 + 配当積立金)を雑収入として益金に算入

法人

なし

保険金の全額を雑収入として益金に算入

役員・従業員の遺族

あり

資産計上していた保険料積立金と配当積立金を全額取り崩し、雑損失とする

役員・従業員の遺族

なし

仕訳の必要なし

年金支払特約を付加すれば事業年度の税負担を軽減できる

上述のように、法人が、加入している生命保険の保険金等を受取った場合、保険料積立金や配当積立金を除いた全額を益金に算入しなければなりません。

近年は、払込保険料に関する税務処理制度が変わり、解約返還率が高ければ高いほど、払込保険料のうち損金算入できる割合が少なくなります。そうすると、解約返還率の高い定期保険に加入して多額の保険金を受取った場合、その多くが益金に算入され課税対象となってしまいます。

赤字年度であればそれも問題ないでしょうが、黒字年度である場合、当該事業年度の税負担が大きくなってしまうでしょう。

そこで検討したいのが、法人保険に「年金払特約」を付加する、という方法です。

年金払特約とは

本来ならば一括で給付される保険金が、数年に分けて年金形式で給付される特約。

例えば、保険金額1億円の定期保険に加入しているとしましょう。

保険金1億円を一括で受け取った場合、当該事業年度の益金に、保険料積立金などを除いた全額を算入しなければなりません。

これに対して、年金払特約を付加して保険金を10年(回)に分けて受け取るようにした場合、各回の受取金額である1,000万円から保険料積立金等(受取り回数で按分)を除いた額を、益金算入することになります。

つまり、年金払特約を付加すると、当該事業年度の益金に算入すべき額が減り、税負担を軽くすることができるのです。

もちろん、受取った保険金に対して課税されるという事実が変わるわけではありませんが、1年度あたりの法人税負担を軽くできるというのは、法人にとって大きな魅力のひとつといえるのではないでしょうか。

関連記事:法人保険とは?その仕組みや概要について解説

退職金・見舞金・弔慰金などは損金算入可能

法人が支払った退職金や見舞金、弔慰金などは、当該事業年度の損金に算入することが認められています。

例えば、役員の死亡により保険金3,000万円が給付された場合、同一事業年内に死亡退職金3,000万円を支給すれば、これを損金に算入します。

すると、保険金受取により生じた益金と死亡退職金の支給により生じた損金とが相殺され、実質的には課税関係が生じなくなるのです。

もちろん、死亡退職金や見舞金などについては支払時期を予測できません。

しかし、例えば退職金の積立てを目的として養老保険に加入する場合、満期を退職金支給予定年度に合わせておくと、保険金受取による税負担を軽減できる場合があります。

法人保険に加入する際は、保険金受取時の税務処理についてもしっかり考えておくことが大切です。

受取った保険金の益金算入時期はいつなのか

法人が受取った保険金等を益金に算入する時期については、以下の3パターンが考えられます。

  1. 被保険者が死亡した日、満期到来日、解約日など保険金請求の原因となる事実が生じた日
  2. 保険会社からの通知日
  3. 着金日

法人税法は「権利確定主義」 を採用しています。

よって、上記の1~3が期をまたいだ場合、受取った保険金は保険請求の原因となる事実が発生した日の益金に算入することになります。

つまり、保険金を受取る権利が確定した日である、1の属する事業年度の益金に算入することになります。

ただし、保険金支払いの可否やその金額などの確定に相当の時間を要するなど特別な事情があれば、2の保険会社からの通知日が属する事業年度の益金に算入することが認められる場合もあります。

まとめ

法人保険に加入する際は、支払保険料のうちどのくらいを損金に算入できるのか、ということばかり考えがちです。

もちろんそれも大切なことではありますが、法人保険は、保険金や解約返戻金を受取った場合にも課税関係が生じます。そのため法人保険に加入する際は、満期をいつにするのか、受取った保険金を何に使うのか、といった点についても慎重に考えておくことが大切です。法人保険に加入する際は保険金受取時の税務処理についても必ずチェックしておくとよいでしょう。

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