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平均の昇給率や昇給額はどれくらい?昇給とベースアップの違い・ライフプランニングも解説

2021年10月15日

2022年も間もなく終わろうとしています。皆様は昇給率という言葉をご存知でしょうか?雇用されて働く人にとって大切な割合です。

本記事では、昇給率の意味、昇給とベースアップの違い、日本国内での大企業と中小企業の違い、2022年版の調査データをもとに、世界からみた日本の現状など、新社会人になる方に知っておいていただきたいことをわかりやすく解説します。

2月になると、ニュースで耳にする「春闘」って?

冒頭で、春闘のニュースが流れる季節と書きましたが、皆さんは春闘が具体的に何であるかご存知でしょうか?

春闘(しゅんとう)とは

春闘とは、「春季生活闘争(しゅんきせいかつとうそう)」「春季闘争(しゅんきとうそう)」の略で、日本で毎年春頃(2〜3月)に行われる労働運動のこと。主に労働組合が、ベースアップ等の賃金の引上げや労働時間の短縮などといった労働条件の改善について要求し、使用者(経営者)と交渉し決定を求める。

一般に、企業にとって4月が新年度(事業年度)とし、会計期間を4月1日から翌3月31日までと定めていることが多いので、次の年度の昇給を含めた待遇改善などを含めた交渉を労働組合が中心となって企業に行っています。

最近では、勤務先に労働組合がない、あっても加入しない方も増えているため、関わりが薄くなりつつあるようです。

そもそも昇給とは?みんなはどのくらいもらっている?

それでは、昇給とはどういう意味でしょうか?

昇給

昇給とは、毎月の給与がアップすることを言い、ボーナスは含まれません

実は昇給には2つの種類があります。

  • ベースアップ(ベア)
  • 定期昇給

ベースアップ(ベア)

ベースアップ(ベア)とは、業績の改善やインフレ、経済状況の変化などの関係で、年次や勤続年数に関係なくベースの給与をアップさせることを言います。

よく春闘のニュースで聞かれる言葉ですよね。基本的には景気がよくて物価が上がり始めたときに「ベースアップ」が求められることが多いです。

一方で、「定期昇給」という言葉があります。

定期昇給

定期昇給とは、年次や勤続年数などによって、毎年自動的に給与が上がる仕組みです。

求人広告の募集要項に、「昇給 年1回(4月)」などと書かれているのがこれにあたります。

定期昇給は定年退職まで続くものではありません。

公益財団法人日本生産性本部が行なった「第 14 回 日本的雇用・人事の変容に関する調査」(2014年3月19日)で、昇給停止年齢を尋ねたところ、平均は48.9歳となったそうです。当然、会社によって異なりますが、おおむね50歳前後で昇給停止となるようです。

外資系企業は成果主義のため、こうした年次や勤続年数で定期的に給与が上がる仕組みがないところがほとんどです。

日本企業は終身雇用制度の名残で定期昇給を実施しているところが多いですが、最近はベンチャー企業やIT企業を中心にせいか主義を採用するところが増えてきているので、近い将来、定期昇給がなくなる可能性も大いにあります。

いくら昇給するの?昇給率とは?

では、昇給って、いくらくらい給与が上がるものなのでしょうか。これを割合で示したものが昇給率です。

昇給率

昇給率とは、昇給前の給料と比較して、昇給後の給料が何パーセントアップしたのかを示す割合です。

昇給率の計算方法は、シンプルです。

昇給率( % ) = 昇給金額 ÷ 昇給前の給料 ✕ 100

 

ココがポイント

昇給率がわかれば、数年後の昇給後の給与を計算することも可能になります。

昇給率の計算をする場合、○○手当や賞与は抜いて、「基本給」や「月例給与」で計算することが一般的です。

それでは、簡単に計算をしてみましょう。

Aさん 22歳 女性

  • 基本給(月例給与):220,000円
  • 賞与:基本給 ✕ 4か月

Aさんは新卒入社後、1年目で、基本給が3,300円アップしました。

Aさんの昇給率はどのくらいなのでしょうか?

計算結果

1.5 %( 昇給率 ) = 3,300 ( 昇給金額 ) ÷ 220,000( 昇給前の給料 )✕ 100

Aさんの昇給率は、1.5 %

この昇給率で、社会人10年目のAさんの給与はどうなるでしょうか?

基本給 昇給金額
1年目 223,300 3,300
2年目 226,650 6,650
3年目 230,049 10,049
4年目 233,500 13,500
5年目 237,002 17,002
6年目 240,558 20,558
7年目 244,166 24,166
8年目 247,828 27,828
9年目 251,546 31,546
10年目 255,319 35,319

月給22万円で毎年1.5%昇給があった場合、単純計算で255319円になります。

10年で月収が3.5万円、年収だと約56.5万円(年4か月分ボーナスありと仮定)上がるのですが、これは喜ぶべきことなのでしょうか。

それとも、思った以上に上がらないなと思いますか?

2022年の予測(春闘の回答)と2021年の日本の昇給率はどのくらい?

それでは実際の日本の昇給率はどのくらいなのでしょうか?

昇給率は企業規模や業種、職種などによって異なります。

中小企業 ※1 と大企業 ※2 であれば、大企業のほうが昇給率は高い傾向にあると一般的にいわれています。

経団連が2021年7月30日に発表したデータ ※3 によると、2021年の大手企業の総平均昇給率は1.84%( 2020年は2.12% )でした。

中小企業の昇給率は、同じく経団連が2021年8月6日に発表したデータ ※4 によると、2021年の中小企業の総平均昇給率は1.68%( 2020年は1.70% )でした。

※1 出典:中小企業庁 中小企業・小規模企業者の定義
※2 大手企業:本記事では、経団連の調査の定義に即します。
※3 出典:一般社団法人 日本経済団体連合会(略称:経団連)2021年春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果[最終集計](加重平均)
※4 出典:一般社団法人 日本経済団体連合会 2021年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果[最終集計](加重平均)

今年2022年の春闘において、自動車、電機、鉄鋼など主要メーカーは、労働組合の要求に満額で回答する企業が多かったようです。日本労働組合総連合会(以下、連合)の発表によると、3月18日時点で、大手企業では2.14%、中小企業では2.05%の平均賃上げ率となっています。

2022年の日本の平均昇給率は、日本の一般財団法人 労務行政研究所の「2022年賃上げの見通し―労使および専門家406人アンケート」によると、定期昇給分を含み2.0%になると予測されています。

東京商工リサーチが2022年2月1日~9日に企業を対象にインターネットで行なった調査によると、賃上げの内容は、「定期昇給」81.8%(3,937社)、「ベースアップ」32.1%(1,546社)、「賞与(一時金)の増額」28.1%(1,352社)という回答でした。

年収換算ベース(100までの数値)の賃上げ率(%)は、1%での区切りでみると、

  • 最多「1%以上2%未満」の36.2%(902社)
  • 「2%以上3%未満」が33.4%(834社)
  • 「3%以上4%未満」が17.0%(424社)

となっており、3%の区切りで見ると、「3%未満」は73.1%(1,822社)で、中央値は、会社規模を問わず2.0%となったそうです。

その他、コンサルティングファームのコーン・フェリーの2022年の世界報酬動向調査によると、日本の昇給率は世界でも最低レベルの2.1%と予測されています。

※ 出典:Korn Ferry 2022年2月22日 Compensation practices & salary increase projections for 2022

予測は概ね外れていないと言えるのではないでしょうか。

2022年5月20日の経団連(一般社団法人 日本経済団体連合会)が、大手企業の2022年春闘妥結状況(第1回集計、14業種81社)を発表しました。

定期昇給やベースアップを含む月例賃金の引き上げ率は、業績回復を背景に2.27%(7,430円)と、2018年以来4年ぶりに前年(1.82%)を上回り、2年ぶりに2%を超えました。

業種別では「建設」(3.76%)が最も高く、「鉄鋼」(2.98%)、「機械金属」(2.71%)、「繊維」(2.62%)となっているそうです。

参考

経団連(一般社団法人 日本経済団体連合会)の2022年08月09日 2022年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果[最終集計](加重平均)によると、中小企業の昇給の総平均妥結額は5,036円、総平均アップ率(定期昇給含む)は1.92%となったそうです。

2022年07月27日 2022年春季労使交渉・大企業業種別妥結結果[最終集計](加重平均)によると、大企業の昇給の総平均妥結額は7,562円、総平均アップ率(定期昇給含む)は 2.27%です。

その他、2022年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結結果[最終集計](加重平均)によると、総平均妥結額は899,163円、増減率は 8.77%となりました。

さて、ここで、さきほどのAさんの話に戻りましょう。

2021年の実績の平均値が1.68~1.84%となっているので、Aさんの昇給率は1.5%ですので、平均昇給率よりも下回っているといえます。

次の章はちょっとマニアックな話になってしまうので、とばして頂いても問題ありません。

世界の昇給率は?2021年と2022年の予測昇給率もご紹介

それでは、世界の昇給率はどうなのでしょうか?

Willis Towers Watsonのレポート(2020年10月7日)では、米国の平均昇給率は2.6%と予測され、実際の状況としては、2021年の米国の平均昇給率は2.7%でした。※

同じく、Willis Towers Watsonのレポート(2021年2月4日)によると、日本の平均昇給率は2.2%と予測されていましたが、
前述の経団連の資料から、実際は

  • 2021年の大手企業の総平均昇給率は1.84%( 2020年は2.12% )
  • 2021年の中小企業の総平均昇給率は1.68%( 2020年は1.70% )

と2%を切ったことがわかります。

また、その他海外の平均昇給率の予測は、

  • アジア太平洋地域平均で5.3%
  • 中国は6.0%
  • 香港は3.5%
  • 韓国は4.1%
  • 台湾は3.5%

となっており、日本の平均昇給率は、海外の平均昇給率より下回っていることがわかります。

2022年のWTWのレポートはまだ発表されていないため、先ほどご紹介したコーン・フェリーの2022年の世界報酬動向調査で、アジア圏をみると下記の通りです。

  • ‘DEVELOPED’ ASIA(先進国) 3.5%
  • ‘EMERGING’ ASIA(新興国) 6.0%
  • 中国は6.0%
  • 香港は3.4%
  • 韓国は4.0%
  • 台湾は3.6%

アジア諸国の中でも日本の平均昇給率は低いと予測されていることがわかります。

アジア圏以外の地域別で世界の平均昇給率の予測をみると、

  • 北米 3.4%
  • メキシコ・中米 5.0%
  • 南米 7.0%
  • 西ヨーロッパ 2.9%
  • 東ヨーロッパ 6.0%
  • 中東 4.1%
  • アフリカ 6.0%
  • 太平洋 3.0%

となっており、こちらも2021年のWTWの予測と大きくかけ離れていないため、信憑性が高いと言えるのではないでしょうか。

なお、2022年の米国の平均昇給率は3.5%、2021年の2.6%を上回る予測となっております。

昇給率とライフプランニング(生活設計)

ここまでで昇給率と平均昇給率についてご紹介してきました。

この昇給率は、ファイナンシャルプランナーなどがライフプランニングする際にも使用する数値です。ご自身の昇給率を把握して計算することで、ある程度、自分の将来の給料を予測することが可能です。

結婚などで家族をもったときに、必要保障額を計算する場合にも使います。

他にも、就職や転職の際に役立ちますし、キャリアプラン作成にも利用できるので、是非、確認をしてみましょう。

働けない時の備えも考えよう

最後に、給料は皆さんが元気に働き続けられるという前提があって初めて上がるものです。

最近は仕事のストレスや予期せぬ病気や事故により長期間仕事ができないケースも増えています。特に短期間で回復が見込まれる病気やケガならまだしも、精神的に追い詰められると簡単に復帰はできませんよね。

どうしても、目の前の給料に目がいきがちですが、将来の「働けないリスク」も昇給の交渉と合わせて、しっかり準備しておけば安心して日々の仕事にも打ち込めるでしょう。

最近は病気や怪我で長期間働けない時の保障を提供する保険「就業不能保険」が発売されています。商品によっては「うつ病」もカバーする保険もありますので、是非、チェックしてみてください。

  • この記事を書いた人

コのほけん!編集部

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